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【486号】モンサントの遺伝子組換え作物、その副作用が引き起こす問題とは?

 

トウモロコシ畑

(from flickr

◎本日のニュース

1)見出し
Monsanto Corn Plant Losing Bug Resistance

【出典】
goo.gl/ZQCa4

2)要約
バイオ化学メーカー最大手のモンサント社に、
その遺伝子組換えトウモロコシが、
害虫に耐性をもたらしているという問題が浮上している。

この問題を発見したのは、アイオワ州立大学の昆虫学者アーロン・

グラマン氏。
グラマン氏によると、モンサントの遺伝子組換えトウモロコシ種子を使う
アイオワ州北東部の4つの農場で、殺虫剤に耐性を持つ害虫が見つかったという。
そのため、一部の農家が、モンサントからライバルメーカーの種子に
スイッチしているという。このような問題が起こるのは、同じ作物を何年も続けて栽培するからである。
その際、同じ殺虫剤を使い続けることにより、
害虫がその殺虫剤に耐性を持つようになる。

政府は、耐性を持つ害虫を作り出さないように、
遺伝子組換え種子を使う農家に対し、
一部の農場で非組み換え作物を作るように指導している。
しかし、農家は、遺伝子組換え種子を使ったら農作業がより楽になり、
収穫量も増えるので、遺伝子組換え種子への依存を強めている。

この問題に対して、モンサントは、99%の農場で、
耐性を持つ害虫は検出されていない、と反論している。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
Widely grown corn plants that Monsanto Co. genetically modified
to thwart a voracious bug are falling prey to that very pest
in a few Iowa fields, the first time a major Midwest scourge
has developed resistance to a genetically modified crop.

4)キーとなる英文の和訳
モンサント社が強力な害虫から守るために遺伝子を組み替えたとうもろこしは、
広く栽培されているが、一部のアイオワ州の農場では、
まさにその小動物に頼らざるをえなくなっている。

これは、中西部に起きた大きな天罰であり、
遺伝子組換え作物への初めての抵抗である。

5)気になる単語・表現
thwart  他動詞     挫折させる;妨げる
voracious       形容詞     大食の
pest    名詞      小動物
scourge 名詞      天罰
the first time  接続詞句    はじめて~する時

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
モンサント社(Monsanto Co.)は、遺伝子組換え作物で大きなシェアを握っている。
アメリカで取れるトウモロコシの三分の一が、
モンサントが開発した遺伝子組換え種子を使っている。

モンサントの遺伝子組換えトウモロコシの特徴は、
ラウンドアップ除草剤に強いということ。
通常、除草剤を使えば、トウモロコシにも影響が出るが、
モンサントの遺伝子組換えトウモロコシには影響が出ない。
モンサントの遺伝子組換えトウモロコシを使えば、
農作業が楽になるから、農家はこぞってモンサントの
遺伝子組み換えトウモロコシを使うことになる。

さらに、エタノール需要によるトウモロコシ価格の上昇も、
モンサントの遺伝子組換えトウモロコシへの依存を強くする。
モンサントを使えば、収穫量を増やすことができ、
それが収入の増大につながるからである。

しかし、モンサントの遺伝子組換え依存は、
害虫管理の基本を蝕むことになる。害虫管理の基本とは、
毎年同じ農作物・農作業を繰り返すと、
害虫がその方法に適応してきて、
これまでの殺虫方法が通用しなくなるということ。
モンサントの遺伝子組み換えトウモロコシに依存する農家は、
ラウンドアップをだけ強い、他の除草剤を使わなくなった。
これが、雑草や害虫に耐性を作り出す。

記事によると、殺虫剤や除草剤に強い
遺伝子組換えトウモロコシが開発される前は、
逆に小動物を利用して、トウモロコシに害を与える虫を排除していた。
そのために、トウモロコシと大豆を交互に作るなど、
栽培作物を毎年替えていた。
しかし、モンサントの遺伝子組換えトウモロコシの開発により、
農作業が楽になり、さらに儲かるので、
農家は毎年同じ農場で何年もトウモロコシを作るようになる。

さらに悪いことに、モンサントの遺伝子組換えトウモロコシの方が、
競合メーカーの遺伝子組換えトウモロコシよりも耐性を持たれやすく、
害虫の被害がより大きくなるとされる。
モンサント依存が、完全に裏目に出たと言っていいだろう。

アメリカで収穫されるトウモロコシの1/3が、
モンサントの遺伝子組換え種子を使っているとなると、
この問題によりトウモロコシ収穫量が大きく減少する恐れがある。
それが、トウモロコシ価格の高騰につながれば、
他の穀物価格にも波及するのは必至である。
遺伝子組換え作物は、農作業を効率化し、
収穫量を最大化させる威力を持つ反面、その過剰な依存は、
不作を招く恐れがある。そして、将来起こるであろうとされる食糧不足問題を、
加速させるかもしれない。
***************************
《今回のヒントのまとめ》

1)モンサントの遺伝子組換えトウモロコシは、
除草剤・殺虫剤に強いために、このトウモロコシを使うと、
農作業が楽になる。

2)さらに、エタノール需要の増大によりトウモロコシ価格が上昇しているため
収穫量を最大化させるモンサントの遺伝子組換えトウモロコシへの依存を高めている。

3)しかし、この依存が過剰になると、
毎年同じ作物を同じ方法で何年も続けて栽培することになり、
害虫に耐性が生まれることになる。害虫に耐性が生まれると、
逆に収穫量が激減しかねない。

4)このように、遺伝子組換え作物は、農作業を効率化させ、
収穫量を最大化させる威力を持つ反面、過剰な依存は不作を招く。
その結果、将来に予見される食糧不足問題を、加速させるかもしれない。

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編集後記
こんばんは、高尾です。
今回の記事は、農業関連だったため、
かなり多くの専門用語がありました。
そのため、かなり苦戦。
いつもと違う分野の記事を読めば勉強になる反面、
難しい単語の前に挫けそうになることもあります。
知らない単語の多い文章を読むことは、とてもストレスフルです。
ただ、これに負けじとチャレンジしようと思います。

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
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