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【769号】高級ブランド品を売りたいなら、無礼な接客をしろ?

Photo:PRADA BOUTIQUE AOYAMA By:d'n'c
Photo:PRADA BOUTIQUE AOYAMA By d’n’c

 

 

◎本日のニュース

1)見出し
You’re Not Worthy: Snubbed Customers Snap Up Luxury Goods

 

毎週火曜・土曜の18時、メルマガにて配信。

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2)要約

高級ブランドをどうしても欲しい人は、無礼な接客を受けた場合、購入確率が高くなるという。その理屈は、購入することによって、そのブランドに適した人物であることを、店員を知らしめることができるからである。ただし、この理屈が成立するのは、高級ブランド品のみであり、大衆商品では成り立たない。

 

だからといって、高級ブランド品の売上を伸ばすために、無礼な接客をすればいいというわけではない。長期的には、失礼な接客は、ブランドイメージを毀損するからである。また、その消費行動は衝動買いに過ぎず、概して後悔するからである。

 

◎キーセンンスとその翻訳

3)キーとなる英文

Shoppers pining for a fancy handbag are more likely to pull out their credit cards than turn on their heels after encountering a rude clerk, according to new research.

 

4)キーとなる英文の和訳

今回の調査でわかったのは、高級バッグをどうしても欲しい買い物客は、無礼な店員に接客された後、不機嫌になって立ち去るよりもクレジットカードで買う確率の方が高いということである。

 

5)気になる単語・表現

pine for 自動詞句 ~を思い焦がれる
pull out 他動詞句 ~を取り出す
turn on one’s heels 自動詞句 急に回れ右をする;ぷいと不機嫌に立ち去る
fancy 形容詞 贅沢な、法外な;装飾的な;極上の
rude 形容詞 失礼な、不作法な

 

◎記事から読み取った今日のヒント

6)ビジネスのヒント

通常、無礼な接客をすれば、顧客を嫌な思いをさせることに、売上につながらないとされます。しかし、これが常に成り立つとは限りません。好きな高級ブランド品では、無礼な接客を受けた方が、購入する確率が高いようです。

 

その理屈は、要約にもあるように、購入することで、自分がそのブランドに適していることを店員に伝えようとするからです。ただし、注意が必要で、この理屈が成立するのは、好きな高級ブランド品のみであり、大衆品やどうでもいいブランドでは成り立ちません。ルイヴィトンが好きな人なら、ルイヴィトンでは成立しますが、ギャップ(Gap)では購入に至らないのです。逆にその接客に立腹することになります。

 

興味深いのは、この理屈が常識とは異なっている点。通常、接客で嫌な思いをすれば、その店員や店舗に対して、懲罰的な態度を取るもの。その際たるものは、何も買わずに退店することであり、さらにその店舗やブランドの悪口を口コミすることです。消費者に調査しても、このように答えます。しかし、自分が好きな高級ブランド品に対しては、正反対の行為になるのです。

 

これは、消費者の言う事と実際の行動は異なることを示しています。マーケティング調査などする場合、この視点はとても重要です。例えば、消費者への調査の結果、わかった不満があるとします。その不満を解決する商品を開発したとしても、その商品を消費者が買うとは限らないのです。このように、意見と消費行動には乖離があります。接客でも、消費者が快適な接客を受けたからといって、実際に買うとは限らないのです。

 

ただし、高級ブランド品の売上を伸ばすために、無礼な接客をすればいいということには、なりません。というのも、無礼な接客を受けた後の購入は衝動買いにすぎず、結局後悔の対象になるからです。さらに、接客の悪さのために、ブランドイメージは毀損してしまいます。長期的に見れば、拙い接客はブランドにとってマイナスになるのです。

 

よって、心地よい接客をする方が長期的にはプラスになるという常識に落ち着くことになるのですが、無礼な接客が売上をもたらす理屈を活用できなくはありません。ブランドに適した自分を見せたいという心理をうまく活用できれば、あと一歩で購入しそうな顧客の背中を押すことができます。例えば、やんわりと脅す(?)というようなやり方で。

 

常識はもちろん間違いではありませんが、それをそのまま実践すれば最大の効果をもたらすとは限りません。常識には反する顧客心理をうまく活用することで、競合には真似できない販売活動が可能になるかもしれません。

 

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《今回のヒントのまとめ》

(1)常識的には、無礼な接客をすれば、顧客を失うことになる。しかし、顧客が好きな高級ブランド品では、この常識は成り立たない。

(2)無礼な接客を受けることで購入確率が高まるのは、自分がそのブランドに適していることを、購入することにより店員に知らしめたいと考えるからである。

(3)ただし、この理屈が成立するには、自分が好きな高級ブランド品だけであり、大衆品やどうでもいいブランドでは成り立たない。

(4)これは、消費者の言うことと、実際の行動は異なることを示している。

(5)常識とは異なる顧客心理をうまく活用することで、競合には真似できない販売活動を行える。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけたいいもの

酒卸の徳岡さんが、ペットボトル入り第三のビールの販売を再開しました。

甲子園のお供だったので、取り扱いをやめた時は、かなり落ち込みました。

今回の商品は、プレミアム化しているので、価格は高め。

でも、蓋ができるペットボトルは、狭い観客席には欠かせません。

美味しさは、もともと球場で飲むので美味しいのですが、プレミアム版なのでより美味しく感じましたよ。

ベルプレミアム

 

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

この心理、わかります。

学生時代は、結構こういう失礼に近い接客を受けても、そのブランドが好きだから買っていました。

今なら、絶対に買いませんが。

こういう人間もいることを、お忘れなく。

 

高尾亮太朗のツイッター⇒ twitter.com/ryotarotakao

高尾亮太朗の公式サイト⇒ ryotarotakao.com

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高尾亮太朗のPinterest⇒ pinterest.com/ryotarotakao/

今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

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2014/05/19 | 小売業界

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