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【790号】ゴルフ業界が注目すべきなのは、若者のゴルフ離れではない!?

ゴルフボールに乗るゴルファー

 

 

◎本日のニュース

1)見出し
A Game of Golf? Not for Many Millennials

 

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2)要約

若者のプレー人口減少と無関心に悩むゴルフ業界は、新たな戦略の立案に迫られている。若者がゴルフに関心を示さないのは、動きが少ない一方で、プレーするのに時間とお金がかかるからである。

 

この悪影響は、小売業で色濃く表れ、事業清算に追い込まれるゴルフショップやゴルフ関連売り場を縮小する店舗が増えている。この背景には、過大な在庫と激しい価格競争がある。

 

しかし、既存顧客に目を転じれば、別の景色が見えてくる。ゴルフ場での既存店売上金額は、過去5年間で16%も上昇している。また、今年1月~5月は厳冬の影響を受けながらも、一日あたりのプレーラウンド数は前年を上回っている。

 

◎キーセンンスとその翻訳

3)キーとなる英文

A drop in participation rates and disinterest among young people, particularly millennials, have sent both the retail and sporting ends of the business scrambling for a new strategy.

 

4)キーとなる英文の和訳

若者、特にミレニアル世代の参加率の低下と無関心によって、ゴルフグッズ小売店とゴルフ業界双方とも、新たな戦略立案を迫られている。

 

5)気になる単語・表現

disinterest 名詞 無関心;利害関係のないこと
end 名詞 周辺部分
scramble for 自動詞句 ~を手に入れようと殺到する

 

◎記事から読み取った今日のヒント

6)ビジネスのヒント

ゴルフ業界が直面する一番の問題は、若者のゴルフ離れ。全米のゴルフ人口総数は、2003年の3000万人のピークからは減少しているものの、約2500万人で過去三年間ほとんど変化していません。しかし、18~34歳のプレー人口に限定してみると、2009年から2013年で約13%も減少。一方、ランニングなど体を激しく動かすスポーツのプレー人口は、29%上昇しています。記事に付いているグラフを見ると、ランニング・ジョギングとヨガの人口が急上昇している一方で、ゴルフとボーリングが減っていることがわかります。ゴルフは、若者の顧客を他のスポーツに奪われているのです。

 

若者のゴルフ離れが起こる要因は、次の3つ。

 

【若者のゴルフ離れが起こる要因】

[1]動きが少ないから(ダイナミックではないから)

[2]プレーするのに時間が掛かるから(長い)

[3]プレーするのにお金が高く掛かるから(高い)

 

時間・お金が掛かる割に、動きが少なく、楽しそうではないということでしょうか。コスパの低さにその不人気の要因があるようです。実際、ミレニアル世代が好むのは、多様性と参加性のある娯楽。つまり、いろんな楽しみ方が出来て、参加すればその楽しさが体感できることに、価値を置いているのです。

 

若者のゴルフ離れの影響が深刻なのは、ゴルフショップ。倒産やリストラ・縮小に動く小売企業が増えています。その背後には、過大な在庫と激しい価格競争があるようです。また、ゴルフ用品の売行に鈍さにより、スポーツメーカーが新製品投入に二の足を踏んでいるのも事実。その結果、ショップに目新しさが無くなり、関心の薄さは留まりません。その結果、在庫の山は片付かず、値下げ処分が増えることになります。その結果起こるのは、利益率の低下。ゴルフショップの苦悩は、更に深刻化するのです。

 

そこで、若者ゴルファーの獲得を目指し、ゴルフ業界はプレー9キャンペーンを実施。これは、通常18ホールのコースを半減させることで、時間と費用を低くし、若者のゴルフ参加を促すものです。実際、カート付きで18ホールでは52ドル掛かるのに対し、9ホールでは23ドルで済み、価格のハードルは半分以下になります。

 

この試みの結果についての言及はありませんが、ゴルフ業界のデータを細かく見れば、違う一面が見えてきます。それは、熱心なゴルフファンはさらにハマっているということです。これを実証するのは、次の2つのデータ。

 

【熱心なゴルフファンに関するデータ】

[1]   ゴルフ場での小売売上高は、既存店ベースで16%も上昇(2009年と2013年の比較)

[2]   96年以来の厳冬だった今年1~5月の一日あたりのプレー数は、前年比3.7%上昇

 

つまり、既存顧客はゴルフ関連商品の購入金額を増やしているのです。既存顧客だけ限れば、客単価が伸びていることがわかります。

 

ここから次のような推測が可能となります。ゴルフショップが苦戦するのは、ゴルフ未経験者の獲得ばかりに目が言って、既存ゴルフファンの来店を促す仕掛けがないからではないでしょうか。既存ゴルフファンが欲しいと唸る新製品があれば、来店を促せることになり、売上減に歯止めが掛かるかもしれません。若しくは、既存ゴルフファンがわざわざ来店しにくい場所にあることが、ゴルフショップの売上が低迷する要因かもしれません。ゴルフ場近くへの進出やネット販売強化により、既存ゴルフファン獲得を第一目標にした方がいいかもしれません。

 

このように考えれば、若者獲得を目指すプレー9キャンペーンのような試みは、現実にそぐわないことがわかります。紳士によく考えてプレーするというゴルフの競技特性から考えて、より手軽でアクティブなスポーツを好む若者の獲得はかなり難しいかもしれません。

 

逆に、アクティブではない点を怪我のリスクが小さいとアピールする手もあります。これは実際に記事に記されてあり、大学スポーツで怪我をした友人を目の当たりにしてから、ゴルフを初めて好きになった大学生の実例があります。

 

ミレニアル世代

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《今回のヒントのまとめ》

(1)若者のゴルフ離れが起こるのは、ダイナミックさがないから、時間が掛かるから、お金がかかるからである。

(2)そこで、ゴルフ業界が若者獲得のために、低コスト・時短の9ホールゴルフの普及に力を入れている。

(3)しかし、熱心なゴルファンはゴルフ関連商品の消費を拡大させているという事実がある。実際、ゴルフ場の既存店小売金額や1日あたりのプレーラウンド数は上昇している。

(4)この事実に目を向ければ、若者獲得による客数増を目指すよりは、既存顧客の客単価引き上げに力を入れた方が得策かもしれない。

(5)また、アクティブさを好む若者に対しては、アクテイブではない点を、怪我のリスクの小ささとしてアピールする手もあるだろう。

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カインズ 黄金

 

 

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WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

暑さがすさまじいので、ついに冷房に頼るようになりました。

これ始めると、なかなかやめられませんね。

毎年いつまで我慢できるかやってみるのですが、8月まではなかなか難しい。

熱中症の怖さもありますし。

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

 

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