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【803号】ターゲットが進める脱GMS戦略とは?

ターゲットの店舗

 

 

◎本日のニュース

1)見出し
Target Narrows the Bull’s-Eye, With Emphasis on Signature Products

 

 

 

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2)要約

ターゲットの真CEOのブライアン・コーネル氏は、ターゲットを豊富な品揃えの大型店から、特定のカテゴリーを強化した準カテゴリーキラーへの転換を進めている。その背景には、あらゆるモノが買えるネット通販の台頭と、買い物しやすい近場の小型店を支持する消費者ニーズがある。

 

従来、ターゲットは購入頻度の高い食料品とその他生活消耗品の販売に力を入れていた。それは、金融危機後に既存店売上高が下落に転じ、来店頻度を高めることで客数増・売上増を目指したからである。しかし、一方で、他のスーパー・ディスカウントストアとの同質化が進んだ。

 

コーネル氏はペプシコ出身のため、食料品の販売が中心になるのではないかとの懸念があった。それを払拭するために、人気のアパレル店などの視察に力を入れ、重点部門のテコ入れを急いでいる。

 

◎キーセンンスとその翻訳

3)キーとなる英文

Target Corp.’s new CEO plans to double down on just a handful of departments like baby products and fashion, a strategic shift as the discounter works to bring shoppers back to its stores and better compete with online rivals.

 

4)キーとなる英文の和訳

ターゲット社の新CEOは、リスク覚悟でごく一部の部門への投資を増やす計画を持つ。

その部門とは、ベビー用品やファッションなど。

この戦略の転換は、ディスカウントストアであるターゲットが、客数を回復し、競合するネット通販との競争を優位に運ぶためである。

 

5)気になる単語・表現

double down on 自動詞句 リスクを受けてまで介入・投資の度合いを増やす
handful 形容詞 少数;ひと握りの量
department 名詞 部門;(百貨店の)売場
bring A back to B 他動詞句 AをBに返す

 

◎記事から読み取った今日のヒント

6)ビジネスのヒント

ディスカウントストアのターゲットが、販売戦略を大きく転換させるようです。個人情報が漏洩し、CEOが新しくなったので、心機一転というわけでしょうか。従来型の戦略と比較すると、変わり様がよくわかります。

 

【ターゲットの販売戦略これまでとこれから】

[これまで]

◯食料品やその他生活消耗品の販売に力を入れる→客数増のため

◯品揃え豊富な大型店中心

[これから]

◯ベビー用品・子ども用品、アパレル・家具、ヘルシー・自然派商品の販売を重点的に強化(選択と集中)→ネット通販都の差別化

◯買い物しやすい小型店の出店加速(小型店シフト)→消費者ニーズの変化

 

販売戦略を転換させたのは、

 

品揃えではネット通販に敵わない

消費者が品揃え豊富な大型店よりも買い物しやすい小型店を支持している

 

という2つの要因がありました。つまり、マーケティングの4Cでいう、競合要因(competitor)と顧客要因(customer)ですね。そこでコーネル新CEOが行うのが、万遍無く全ての部門・売場をテコ入れするのではなく、一部の部門を強化するという「選択と集中」です。そして、小型店の出店強化です。

 

小型店シフトは、ターゲットだけではなくウォルマートも採用しており、日本のセブン&アイグループやイオンなど総合小売業も小型店を重視しているので、世界的なトレンドなのかもしれません。これだけネット通販が普及すれば、多種多様な中から選びたければ、ネット通販を利用すればよい。世界の消費者がこう考えても不思議ではありません。一方、実店舗で多種多様な商品から欲しいモノを選ぶのは、大変です。ネットと異なり検索ができないからです。豊富な品揃えの中から自分好みの商品を選びたければネット通販、手軽に買い物を済ませたければ実店舗と、消費者が使い分けしているのでしょう。

 

また、大型店を出店しにくかった都心部に小型店をオープンさせることで、比較的所得の多い都市部の消費者を開拓する目的もあります。

 

選択と集中を行うのも、ネット通販対策です。品揃えでは敵わないのですから、特定のカテゴリーで商品陳列・提案を含めてネット通販に勝ろうという戦略です。その中でターゲトが選んだのが、「ベビー・子ども用品」「アパレル・家具」「ヘルシー・自然派商品」の三部門。これらのカテゴリーを選んだのは、アパレルなどファッション関連をターゲットが元々得意としていたという理由とともに、市場の成長性や競争環境も影響していると思われます。これらのカテゴリーの共通点は、今後市場が拡大しやすいこと、それから、価格競争よりも品質競争が起きやすく客単価を引き上げやすいことです。つまり、今後売上売上が伸びやすいカテゴリーと自社の得意分野の交わるところを選んだということになります。そういう意味で、オーソドックスな戦略と言えます。

 

ちなみに、食料品・生活必需品強化策は失敗したわけではありません。景気後退後の客数減を食い止めることに大きく貢献しました。しかし一方で、安値攻勢を仕掛けるスーパーやディスカウントストアと同質化し、価格競争に巻き込まれたのも事実。だからこそ、価格競争に巻きこれにくいカテゴリーを重点部門としたのかもしれません。

 

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《今回のヒントのまとめ》

  • ターゲットは、購入頻度の高い食料品・生活消耗品重視と品揃え豊富な大型店中心の戦略から、ベビー用品やファッション関連など一部のカテゴリー重視と買い物しやすい小型店重視に転換した。
  • その背景には、ネット通販の台頭と消費者ニーズの変化がある。品揃えではネット通販には敵わない一方で、消費者は買い物しやすい小型店を好む傾向が高まってきた。
  • ベビー用品やファッション関連に力を入れるのは、成長しやすく値崩れしにくいカテゴリーとターゲットの強みが交わる領域だから。
  • 小型店なら都心部への出店も可能となり、これまで手薄だった都心部の消費者を開拓できるというメリットもある。
  • 食料品や生活消耗品重視の戦略では、客数回復には寄与したが、スーパーやディスカウントストアとの同質化が進み、価格競争に直面。これも戦略転換を後押しさせたのだろう。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけたいいもの

先日行った西北のお店がこちら。

食べログの評価も高く、その前評判通りの料理の美味しさでした。

店名だけ聞くと、少し古そうな感じがしますが、中身は清潔感のある和テイストのデザイン。

小規模なお店なので、そううるさくないのもいいですね。

二人で7000円ほどとそう高くもないので、西北の和食ならリピートしそうな感じです。

デートにも全く問題なし。

 

だんらん処真

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

もう20年近く前のことですが、その時すでにターゲットはファッション性を売りにしていました。

ただ、私の趣味とは少し合わず、私にとってはダイエットコークとCDを買うお店でした。

西海岸にはウォルマートよりも多く、よく買い物した思い出がありますね。

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

 

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