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【805号】不渡り率の高いFCチェーンワースト4、その共通点とは?

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◎本日のニュース

1)見出し
Franchise Brands With Higher-Than-Average Default Rates

 

 

 

 

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2)要約

中小企業庁のデータのよると、不渡り率の高いフランチャイズチェーンとして、クイズノス、コールド・ストーン・クリーマリー、プラネット・ビーツ・フランチャイジング、ハンチントン・ラーニングセンターが挙げられる。2004年から2013年に掛けて、破産率上位10チェーンで1億2300万ドルが不渡りとなり、その21%を納税者が負担したとされている。

 

これほど高額の不渡りを記録したのは、低迷する経済環境の中で、FC加盟を独立の容易な手段とする一種のブームが起きているからである。一方で、加盟前には限られた情報しか開示されず、一年目の破綻率さえ公開されていない。

 

上記チェーンで破産率が高いのは、商品の競争力の弱さや、顧客層の小ささ、ビジネスモデルの脆さに起因する。もちろん、自助努力の欠如の場合も多い。

 

◎キーセンンスとその翻訳

3)キーとなる英文

That finding comes as franchising is booming in popularity, in part because many people see it as an easier route to entrepreneurship in an uncertain economic landscape.

 

4)キーとなる英文の和訳

そのような結果になったのは、FC加盟が人気面でブームになったからである。

ブームになったの要因の一つは、多くの人がFC加盟を不確かな経済環境の中で創業する容易な手段として考えるからである。

 

5)気になる単語・表現

finding 名詞 結論;発見
boom 自動詞 にわかに景気づく;急に有名になる
landscape 名詞 情勢;景色、風景

 

◎記事から読み取った今日のヒント

6)ビジネスのヒント

この記事のグラフでは、不渡り率の高いFCチェーン10社がリストアップされています。記事で詳しく説明されているのは、その内の上位4社。クイズノス(サンドイッチ販売)、コールド・ストーン・クリーマリー(アイスクリーム販売)、プラネット・ビーチ・フランチャイジング(日焼けサービス)、ハンチントン・ラーニングセンター(塾)が、ワースト4になります。

 

この4社の共通点から、失敗しやすいFCチェーンについて考えてみたいのですが、その前にアメリカ中小企業庁(SBA)ローンのデータについて、まとめておきます。

 

【アメリカSBAローンのデータ】

  • 破産率ワースト10の不渡り金額は、1億2100万ドルにも及び、その21%が納税者負担。(2004~2013年)
  • SBAローンの昨年実績は180億ドル。そのうち20億ドルはFC加盟店向け。
  • 不渡り率は、全体の18%、FC加盟店向けの場合は13%。(2004~2013年)
  • SBAローンの不渡り額は減少傾向にあるが、ローン総額は過去10年で二番目に多い。

 

FCの不渡り率は高いものの、全体よりも低いので、FC加盟は成功確率の高い創業パターンと言えます。また、貸出額が増えているものの、不渡り額は減っているので、FCを含め創業の成功確率は高まっていると、捉えることができます。低迷しているとは言え、アメリカ経済の底堅さ・成長性の高さを証明しています。

 

それでは、4社チェーンの不渡り率が高い要因をまとめると、次のようになります。

 

【不渡り率の高いFCチェーン4社の共通した要因】

  • 商品の競争力が弱いから
  • 顧客層が小さいから
  • FCとしてのビジネスモデルが脆いから

 

1について、特にクイズノスでよく見られるパターンです。サンドイッチチェーンのクイズノスのFC加盟店の廃業パターンは、競争激化により売上が悪い一方で、家賃が高いために、利益が残らないというパターンです。つまり、集客力の高い好立地に店舗を構えても、商品に競争力がないために、売れないのです。景気後退による節約志向の高まりで売上が激減したハンチントン・ラーニングセンターも、節約志向に耐えうる商品を提供できなかったことが、敗因。顧客ニーズに沿う商品を販売しないと、いくらFC加盟してもうまくいかないのです。

 

2について、プラネット・ビーチ・フランチャイジングは、日焼けサービス自体が消費者のヘルシー志向の高まりに反し、顧客層そのものが小さいために苦戦しました。そこで、急遽、マサージやセラピー、歯のホワイトニングサービスなどサービスを拡充したほどです。

 

3は、クイズノスとコールド・ストーン・クリーマリーで不渡りの大きな要因となりました。クイズノスでは、FC加盟店を支える本部に強固なビジネスモデルが無く、本部自体が破産法申請。コールド・ストーン・クリーマリーは、他店舗展開を急いだことで、ブランド価値が毀損されました。いずれも、確固としたFCビジネスモデルが構築されていなかったことが、加盟店・ブランド双方を破綻に追い込んだのです。

 

4社だけではなく、借入返済に苦労するFC加盟店の特徴をまとめると、次のようになります。

 

【借入返済に苦労するFC加盟店の特徴】

  • 顧客ニーズの変化に対応できない
  • 産業規制を受ける
  • 景気低迷
  • 立地・マーケティングのミス
  • FC本部のトレーニング不足
  • 加盟金・ロイヤリティーが高い

 

1~4は、加盟後に自助努力で克服可能なもの。産業規制そのものを、自らの手で変えることは不可能ですが、規制の影響を小さくする努力(規制を受けない商品を追加するなど)は可能です。5・6は、加盟前にきまっていることで、自助努力により解決することはできません。よって、加盟前に綿密な調査を行うことによって、利益が生まれやすく自分に合うチェーンを選ばなくてはなりません。FC加盟による成功への本気度が問われる問題とも言えます。

 

この失敗要因は、日本でも十分当てはまるでしょう。今後、東京オリンピック開催まで景気拡大が続いたとしても、それがFCビジネスの成功率の高まりにつながる保証はありません。人件費・原材料費などコストアップ要因が目白押しの中、収益を生み出すビジネスモデル、さらにその背後にある商圏の顧客ニーズを把握しなければ、逆に失敗する確率の方が高くなるかもしれません。成功実績のあるシステム(FCシステム)を導入すれば、どこでもうまくいくとは限らないのです。逆に、景気拡大による競争激化で、FC加盟による成功率は下がるかもしれません。

 

Quiznos

Cold Stone Creamery 

Planet Beach Franchising

Huntington Learning Centers

 

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《今回のヒントのまとめ》

  • 不渡り率の高いアメリカFC加盟店の特徴は、商品の競争力が弱いこと、顧客層が小さいこと、FCのビジネスモデルが脆いことである。
  • 商品の競争力が弱いと、固定費以上の売上を上げることが難しくなり、赤字になる確率が高まる。
  • 顧客層が小さいと、店舗拡大による成長を目指すFCビジネスそのものが、成り立ちにくくなる。
  • FCのビジネスモデルが脆いと、FC加盟店へのトレーニングが不足し、店舗を増やしてもブランド価値の毀損になりかねない。
  • 加盟後の自助努力により克服できる問題もあるが、加盟前に既に決まっており、自助努力では解決できない問題もある。後者は、加盟前の綿密な調査によって排除するしかない。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけたいいもの

先日スーパーで買ったのが、こちらの日本酒。

季節品のようで処分価格だったのか、700円台で買えました。

これが、意外に美味しかった。

辛口好きの私には、純米酒よりも普通の清酒の方が合うのかもしれません。

毎日ちびちびしています。

この価格なら、普段の酒として有りですね。

デザインも秀逸。

 

菊正宗 正宗印・冷用酒

 

 

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

日本でもFC加盟店がどんどん増えていますね。

代表格は、コンビニ。

コンビニは、店舗とのコミュニケーションを極力廃した、利便性をとことんまで追求するビジネスなので、FCが一番適しているのかもしれません。

 

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

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2014/09/22 | 中小企業 , ,

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