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【816号】元アップルストア責任者が始める、アマゾン・グーグルにないネット通販サービスとは?

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◎本日のニュース

1)見出し
Apple’s Ex-Retail Chief Leads Startup

 

 

 

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2)要約

元アップルの小売責任者ロン・ジョンソン氏は、アップルストアの強みから考案したネット通販サービスを開始する。そのサービス名は、エンジョイ。

 

ジョンソン氏のアイデアは、ネット通販企業は、配送スピードと運賃の競争ばかりに力を入れるのに対し、買物客は自分に本当に合った商品が欲しいというニーズが依然解決されていないことから、生まれた。具体的には、購入頻度が低く高価なIT機器を自由に試せ、アドバイスするサービスを実店舗で提供する。

 

アップルストアを成功に導いたジョンソン氏は、その後総合小売のJCペニーのCEOに就任するも、値下げを止めた影響で売上は急減。結局解任され、約1年間の充電期間の後、エンジョイの開始に動いている。

 

◎キーセンンスとその翻訳

3)キーとなる英文

Ron Johnson , who helped build Apple Inc. ’s successful retail stores before a troubled stint as chief executive of J.C. Penney Co. , is getting back in the game with a well-funded startup that aims to bring some of the Apple Store mystique to online shopping.

 

4)キーとなる英文の和訳

ロン・ジョンソンは、アップル社の小売店の成功に寄与した後、JCペニーのCEOとして苦悩の期間を過ごしたが、今回ビジネス界に戻ってくることになった。

十分資金調達されたスタートアップ企業で、アップルストアの神秘性の一部をネット通販に取り入れることを目指す。

 

5)気になる単語・表現

stint 名詞 仕事の期間、任期
mystique 名詞 神秘感

 

◎記事から読み取った今日のヒント

6)ビジネスのヒント

ロン・ジョンソン氏と言えば、アップル社での華々しい経歴を持って経営再建中のJCペニーのCEOに就くものの、やることなす事すべてうまく行かず、失意の元にJCペニーを去ったというイメージがあります。そのジョンソン氏が、ビジネス界に復帰するようです。

 

その業界は、成功したアップル社と同じIT業界。ただし、実際の事業内容を見ると、小売サービスです。つまり、ターゲット社・アップル社・JCペニー社で幹部・経営者を担った自分の強みを活かしていることになります。起業パターンとしては、王道と言えるでしょうか。

 

そのジョンソン氏が始めるサービス名は、エンジョイ。一言で言えば、アップルストアの強みを独立させたサービスです。

 

【エンジョイの特徴】

[概要]購買支援サービス・小売業

[扱い商品]扱い商品は、IT機器など購入頻度が低く単価の高い商品

[サービス内容]実店舗で製品を自由に試せ、購入アドバイスを受けることができる

[調達資金]記事現在で3000万ドル

[経営陣]アップルの元小売幹部、アップルの元グラフィックデザイナー兼マーケティング管理職、フェイスブックの元技術管理職など

[その他]販売員(相談員?)は正規雇用、人材教育・福利厚生・フレックスタイムを導入

 

アップルストアと言えば、

 

アップル製品を自由に試せる環境を提供

ジーニアスバーで技術的アドバイスや初期設定サポートを提供

必要最低限のシンプルなデザイン

 

が特徴です。単に販売するというのではなく、顧客との深い関係・つながり(コネクション)を作り出す空間なのです。だから、販売よりも体験などサービスに重点が置かれています。このコンセプトを成功に導いたのが、ロン・ジョンソン氏であり、今回はこのコンセプトを独立したサービスとして提供するようです。よって、小売業というよりも購買支援サービスという方が適しています。

 

そう簡単に選べる商材ですと、購買支援サービスの需要は強くありません。よって、選びにくい、選ぶのに苦労する商材が、扱い商品になります。購入頻度が低く、単価の高い商品で、IT機器をメイン商材として扱うようです。例えば、ゴープロ(GoPro)がこの条件に当てはまります。

 

注目点は、販売員の待遇。通常小売業の販売員は、非正規(パートタイマー)が主流ですが、ジョンソン氏は正規雇用にする方針。この理由は、その事業内容ゆえに、高い接客能力が必要とされるからでしょう。人材教育にも力を注ぎ、福利厚生・フレックス制の提供により、高い接客能力を持つ人材の獲得とともに、サービス向上に力を注ぎます。

 

このようなビジネスアイデアが浮かんだ背景には、買物客のニーズとネット通販企業が力を入れるサービスとのギャップがあります。

 

【買い物客のニーズと提供サービスのギャップ】

[ニーズ]自分に本当に合った商品を買いたい

[提供サービス]配送スピードを高め、運賃を下げる

 

ネット通販が普及したものの、実際に購入ボタンを押す際に「本当にこの商品でいいのか?」と悩むもの。商品を触って確かめられないネット通販だけに、この悩みは実店舗で購入するよりも大きくなり、購入ハードルとして立ちはだかります。特に、購入する機会があまりない割に、価格の高いモノではなおさら。一方で、ネット通販企業の多くが力を注ぐのは、配送スピードの向上。そして、運賃の引き下げです。ロン・ジョンソン氏は、このギャップにビジネスチャンスを見出したのです。

 

実店舗を持たず低コストで運営できるのが、ネット通販の強み。だから、必要とわかっていても、なかなかコストの掛かる実店舗を持つのに躊躇します。この代行サービスとしてエンジョイを考えれば、ネット通販企業の需要が期待できます。最終ユーザーにとっても嬉しいサービスなので、収益モデルさえ盤石にすれば、成功する可能性は高いと思われます。

 

リスク要因としては、購入頻度の低い商材がネックとなります。

 

【エンジョイのリスク要因】

  • 顧客層を広げられないリスク
  • 実店舗ではなくネット通販で購入され、ショールーミング化の悪影響を受けるリスク

 

1について、購入頻度が低く単価の高い商品だけに、一人の顧客が何度も購入することは期待できません。よって、売上を伸ばすには、顧客層を広げる必要があるのです。しかし、ここで単価の高さが制約になります。つまり、単価が高いだけ、顧客層も限られる恐れがあるのです。高い単価の商品で広い顧客層にも売れる商材は、そう多くはありません。

 

2について、ネット通販支援サービスだけに、実店舗ではサービスだけを提供し、売上はネット通販で起こる可能性があります。つまり、実店舗のショールーム化です。そうなれば、実店舗が提供するサービスの売上への効果が計測づらくなり、商品を提供するメーカーが利用を渋る可能性があります。

 

単に購買支援サービスを提供するだけではなく、アフターサービスの代行まで行えれば、収益拡大のハードルは大きく下がるのではないでしょうか。

 

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《今回のヒントのまとめ》

  • 元アップルストア幹部・JCペニー元CEOのロン・ジョンソン氏が、IT機器の実店舗型購買支援サービス・エンジョイを行うのは、自分の経歴・強みを活かした起業である。
  • エンジョイは、IT機器など購入頻度が低く単価の高い商材を扱い、実店舗で購買につながる体験・その他サービスを提供する。高い接客能力が必要とされるため、販売員は正規雇用で、人材教育・福利厚生・フレックスタイムを導入する。
  • 販売よりも製品の体験・アドバイス・アフターサービスに力を入れるアップルストアの強みを、独立させたサービスと言えるだろう。
  • このアイデアが浮かんだのは、自分に本当に合った商品をネット通販で購入したい消費者ニーズに対し、ネット通販企業は配送のスピードアップと運賃の値下げばかりに力を入れており、そのギャップにビジネスチャンスを見出したからである。
  • リスク要因としては、購入頻度が低く単価の高い商材ゆえに売上アップに必要な顧客層拡大の難しさと、ショールーム化によるサービス効果のわかりにくさが、考えられる。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけたいいもの

またまた、西友ドットコムで買った日本酒ですが、今回は白鹿さんの純米吟醸。

開封後すぐは少し甘目に感じ、菊正宗さんの方に軍配が上がりましたが、翌日以降の飲むと、いい感じにまろやかになっていました。

菊正宗の大吟醸を抜いたかもしれません。

デザインも秀逸で、外国人向けのお土産にピッタリではないでしょうか。

黒松白鹿 純米吟醸

菊正宗 超特選大吟醸

 

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

何やら株式市場が激しく動いていますね。

このままで12月に消費増税を決定できるのでしょうか。

増税2016年4月延期→総選挙の可能性は、十分ありますね。

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

 

 

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