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【818号】マクドナルド全米部門の組織改革が示すチェーン店の変化とは?

ドイツ?のマクドナルド

 

 

◎本日のニュース

1)見出し
McDonald’s Plans to Change U.S. Structure

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2)要約

マクドナルド全米部門が、組織改革を行い、管理部門の階層を減らし、地区の権限強化を行う。目的は、消費者ニーズに迅速に対応するためである。この改革の背景には、全米部門の四半期収益と直近の既存店売上が過去最悪に近いことがある。

 

具体的には、地区をより細かく再編。その上で、ローカルメニューの開発やメニューのカスタマイズを行い、意思決定をより迅速に行えるようにする。注文・支払のデジタル化も、地区毎に行えるようにする。

 

マクドナルドには、管理部門の階層が多すぎるために、意思決定の遅さや優先事項の矛盾が指摘されてきた。階層をよりフラット化して、対顧客コミュニケーションをより重視することによって、顧客離れを食い止めようとする。

 

◎キーセンンスとその翻訳

3)キーとなる英文

McDonald’s Corp. is eliminating layers of management and creating a new organizational structure in the U.S. as it seeks to better respond to consumer tastes amid falling sales and profits.

 

4)キーとなる英文の和訳

マクドナルド社が行っているのは、全米部門の管理職層を削減し、新たな組織構造を作り出すことである。

これにより、収益が下降する中、消費者ニーズにより迅速に対応することを目指す。

 

5)気になる単語・表現

eliminate 他動詞 ~を除く、~を削減する
layer 名詞 層、重ね、地層;階層
taste 名詞 味、風味;好み;味覚

 

◎記事から読み取った今日のヒント

6)ビジネスのヒント

マクドナルド社は、日本同様全米部門も収益悪化に直面しています。四半期収益は過去最低に近く、直帰の9月既存店売上高は2003年2月以来の最悪の数字。つまり、収益悪化はまだ続いているのです。そこで、マクドナルド全米部門は、組織改革を実施。その目的は、消費者ニーズへのより迅速な対応です。地区再編と管理部門の削減を行います。

 

地区再編に関して、新旧を比較すると、次のようになります。

 

【マクドナルド社の地区区分の新旧対比】

[旧]西部・東部・中央の3つの地区で構成

[新]北東・南部・中央・西部の4つの地区に構成

 

これだけを見ると、3つを4つに増やしただけで、そう変化がないように見えます。ただし、注意深く見ると、従来は縦割り(東西で区分)なのに対し、今後は少し歪な区分になります。これこそ、消費者ニーズに応じた区分なのです。例えば、従来の場合、地理的・食文化的にも異なるミネソタ州とルイジアナ州の顧客に同じ甘めのメニューが提供されていました。縦割りの弊害であり、消費者ニーズに則していない対応です。

 

マクドナルド全米部門は、顧客離れをサービス・メニューの満足度の低さと考え、消費者ニーズにより対応することで、満足度の向上を目指します。そのために、本社管理部門の階層を削減する一方で、その権限を各地区に移譲します。

 

従来の組織の問題点は、管理部門の階層の多すぎること。そのために、計画・決定・実行が遅くなり、消費者ニーズへの対応が遅れました。また、管理部門の対立する意見を集約することができずに、矛盾する経営方針が策定され、目的がより曖昧となったようです。さらに、階層が多すぎることは、顧客コミュニケーションよりも社内コミュニケーションが重視されることになり、消費者ニーズへの対応が後手にまわることになります。

 

組織再編により次のような施策を実施する予定です。

 

【マクドナルド全米部門が組織改革で実施すること】

[1]22のより細かな地区リーダーを任命し、権限移譲→消費者ニーズにより迅速に対応

[2]ローカルメニューの開発

[3]メニューのカスタマイズを可能に

[4]地区ごとに注文・支払のデジタル化を実施

 

1により、地域特有の消費者ニーズへの対応が可能となります。その具体策が、次からの3つ。地域で好まれるローカルメニューだけではなく、来店客それぞれの好みに応じるカスタマイズにも対応。さらに、全米一律にコストの掛かるデジタル化を実施するのではなく、地区ごとに費用対効果を考えた導入を進めるようです。

 

つまり、コストを掛けて、地区の管理職の増員やメニュー増加・カスタマイズ実施を行う一方で、デジタル化の導入は地区ごとに行うことで、コストを削減しています。

 

マクドナルドが、組織再編により権限をより顧客に近くさせたことの背景には、消費者ニーズの多様化があります。従来は、消費者ニーズが似通っていたために、画一的な本部の施策により顧客満足を高めることができました。本部で一括して決めればいいので、低コストで済みます。しかし、消費者ニーズが多様化した今は、画一的な施策では満足度は下がるばかり。画一的という強みが、弱みに変わったのです。チェーン店という強みが、弱みになったとも言えるでしょうか。

 

日本でも、総合居酒屋チェーンの不振など、チェーン店の弱みが顕在化してきました。マクドナルド全米部門で起こっていることは、日本にも波及する可能性は高いのではないでしょうか。

 

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《今回のヒントのまとめ》

  • マクドナルド全米部門が組織再編に動くのは、メニュー・サービスの満足度低下により、顧客離れが止まらないから。
  • 組織再編により、地区を消費者ニーズに応じて新たに区分し、消費者ニーズへの迅速な対応を目指す。
  • 具体的には、本部管理部門の権限を地区リーダーに移譲し、ローカルメニューの開発やメニューカスタマイズの対応、注文・支払のデジタル化の地区ごとの導入など、消費者ニーズに応じつつ、費用対効果を考えた施策を実施する。
  • この組織再編の背景には、消費者ニーズの多様化がある。そのために、チェーン店の強みであった画一的なメニュー・サービスの提供が、弱みに転じた。
  • 総合居酒屋チェーンの不振などチェーン店が不振に陥る日本にも、同様の脱画一化の動きが波及する可能性がある。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけたいいもの

先日、友人に連れて行ったもらった御影のコーヒー専門店。

世界でここでしか飲めないのが、バターブレンドコーヒー。

コーヒーの嫌な苦味や酸味がない一方で、コクが味わえる、とても美味しいコーヒーでした。

普段ミルク無しではコーヒーを飲まない私も、ブラックでおかわりしたくなったほど。

オーナー兼マスターの開発話も、とても興味深かったです。

是非とも外国人観光客に飲んでもらいたいですね。

御影ダンケ

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

阪神、ダメでした。

なんだかミスが目立ったシリーズで、結局4連敗でジエンド。

阪神らしい負け方でした。

それにしても、大幅減棒の新井さんには、復活して欲しい。

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

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