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【824号】コーヒーサーバーのキューリグ社、売上増加率鈍化でも株価の上昇が続く理由

keurig

PJ

 

 

◎本日のニュース

1)見出し
Keurig Investors Get a Pricey Cup of Coffee

 

 

 

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2)要約

新型コーヒーサーバー・キューリグ2.0を発売したキューリグ・グリーン・マウンテン社は、2012年にKカップの特許切れにより、2012年にKカップの特許切れにより、売上増加率は大きく鈍化している。しかし、株価は上昇トレンドのままである。

 

その要因は、キューリグ2.0が直近終了した第四四半期に発売されたので、より利益率の高いKカップの収益への貢献は、今後期待できるからである。また、コカ・コーラ社との資本提携により、コールド版Kカップ売上の大幅増が期待されていることも、株価上昇の要因である。

 

キューリグ社は、Kカップの開発は提携企業に任せ、技術開発に力を注いでいる。

◎キーセンンスとその翻訳

3)キーとなる英文

But the fact that more companies have signed on as official Keurig partners—unlike TreeHouse—is significant.

 

4)キーとなる英文の和訳

トゥリーハウスは違うが、キューリグ公式パートナーとして提携する企業が増えているという事実が、重要である。

 

5)気になる単語・表現

significant 形容詞 重大な、重要な;意味のある

 

◎記事から読み取った今日のヒント

6)ビジネスのヒント

新型コーヒーサーバーのキューリグ2.0の一番の特徴と言えば、公式Kカップ以外は使用できないということである。Kカップとは、キューリグに入れて使う、コーヒー豆など飲料の元が入っているポッド。ネスプレッソに入れて使うコーヒーポッドと同じような形のものです。(「同じよう」であり、全く別ものですが)Kカップは、2012年に特許切れに伴い、互換タイプが発売されるようになりました。キューリグ社は、2.0に使えるKカップはライセンス版だけに限定することで、Kカップの売上が外部に流出することを回避しています。

 

一方で、知恵を絞るのが消費者。ライセンス外のKカップをキューリグ2.0で使用しようと、試行錯誤する動画がユーチューブに多数投稿されています。これが世に広まると、キューリグ社の収益は悪影響を受けることになります。

 

特許切れに伴い、売上増加率も大きく鈍化。キューリグ社の成長もここまでかとも思われますが、株価の上昇は続きます。そこで、株価上昇が続く要因をまとめると、次のようになります。

 

【売上増加率鈍化などの問題に直面するキューリグ社の株価が上昇する要因】

  • より利益率の高いKカップの収益への貢献は今後起こるから
  • 4杯分抽出できるKカップをキューリグ0で導入することにより、市場拡大が期待できるから
  • コカ・コーラ社との資本提携で、コールド用Kカップ売上の大幅増が期待できるから

 

1について、キューリグ2.0が発売されたのは、今年9月に終わった第四四半期。よって、キューリグ2.0の収益への貢献のほとんどは、ハード売上です。しかし、コーヒーサーバーのビジネスモデルにおいて、一番収益を上げるのはKカップなどのコーヒーポッド。Kカップの売上寄与が今後期待できるからこそ、売上増加率鈍化でも株価は上昇していると考えられます。

2について、キューリグ2.0から、1杯分しか抽出できなかったKカップに4杯分抽出できるカラフェタイプを導入。これにより、パーティーなど複数杯消費する機会での利用が期待できます。店舗ビジネスで言えば、客数増になります。

 

3について、コカ・コーラ社と提携したコールドタイプのKカップが、来年発売予定とされています。コカ・コーラというアメリカで最も有名なブランドの飲料が自宅で作られるとなれば、キューリグ・Kカップの売上に大きく寄与しても不思議ではありません。この期待も、株価に織り込まれています。

 

この中で一番大きいのが、1のKカップの今後の収益寄与。ただし、このKカップの収益期待がこれまで以上に高まっていることには、ある秘密があります。それは、

 

独自ブランドではなく、パートナーブランドの多種多様なKカップを販売する

 

というキューリグ社の方針です。公式ページを見ると、スターバックス・タリーズなどカフェブランドから、フォルジャーズ・スナップルなど飲料ブランドまで、有名・人気ブランドのKカップが販売されています。

 

本来ならば、利益率の高いKカップの収益を最大化するためにも、Kカップは独自ブランドで展開した方がいいはず。しかし、キューリグ社は、他社ブランドと提携し、他社ブランドを冠したKカップを多種類販売しています。その理由は、

 

有名ブランドなど魅力的なKカップの品揃えを増やした方が、消費者の支持が強くなり、その結果コーヒーサーバーのデファクトスタンダードになれるから

 

でしょう。その先には、もちろん収益の拡大があります。Kカップ1個あたりの利益率を下げてでも、有名ブランドを冠した方が、結果的にKカップの収益は拡大し、キューリグ事業が長期的に収益をもたらすと判断したのです。

 

一方、提携するブランドにもメリットがあります。利用機会の多いKカップに自社ブランドを冠することで、消費者との接触機会が増え、その結果ブランドロイヤリティが高まるというメリットです。キューリグの利用が増えると、スタバなどは店舗売上やコーヒー豆など製品売上が減るというメリットも考えられますが、それよりもブランドロイヤリティの向上の利益の方が大きいと判断したのでしょう。

 

キューリグ社の公式ページを見ると、多種多様なKカップが紹介されています。そのほとんどは、有名ブランドが入ったもの。有名ブランドが入ることで、Kカップを選ぶ楽しみがあり、コーヒーサーバーを買うなら、選ぶ楽しみのあるキューリグにしようということになります。キューリグ社は、Kカップの開発は提携ブランド・企業に任せ、自社は技術面(タッチパネル採用など)・仕組み(ライセンスKカップ以外使用付加など)の開発に力を注ぐことで、キューリグというプラットフォームをより強固にしようとしているのです。これが、市場から評価された結果、株価が上昇していると考えられます。

 

Keurig

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《今回のヒントのまとめ》

  • 売上増加率が鈍化しているキューリグ社の株価が上昇傾向なのは、今後利益率の高いKカップの収益寄与が大きいと評価されているからである。
  • 新製品のキューリグ0では、ライセンス版以外のKカップを使用できない。よって、Kカップの収益寄与がこれまで以上に大きくなる。
  • また、独自ブランドのみならず、スターバックスなど有名ブランドのKカップを多種揃えることにより、選ぶ楽しみのあるキューリグがコーヒーサーバーのデファクトスタンダードになる可能性が高くなる。
  • 提携ブランドのKカップを販売することで、Kカップの利益率は低下するリスクがある。しかし、Kカップの開発を提携企業に任せ、キューリグ社はキューリグシステムの技術面・仕組みの開発に集中することで、そのプラットフォームをより強固なものにするとともに、長期的な収益拡大を享受できる。

 

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけたいいもの

コストコで初めて買った芋焼酎の黒伊佐錦。

ぼちぼち無くなりかけているのですが、個人的にはお湯割りよりも常温の水割りが好きです。

より焼酎本来の味が楽しめますね。

その結果わかったのが、黒伊佐錦のほのかな甘さ。

より好きになりました。

黒伊佐錦

 

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

選挙戦が事実上開始しました。

みんな・生活など小規模野党から民主への移籍が続いているのは、低投票率を見込んでのことでしょうか。

投票率が低ければ、より強く大きな組織を持っている政党に有利ですからね。

それにしても、入れたい政党・候補がいないのは、一番つらいですよ。

 

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

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