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【827号】実店舗小売は、ミレニアル世代の存在を無視してはならない。

milennial

 

◎本日のニュース

1)見出し
Wake Up, Brick-and-Mortar Retailers

 

 

 

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2)要約

ネット通販は、買い物客の期待に大きな変化を起こし、その変化はどの小売業態も受けることになる。特に、実店舗小売はその影響が大きい割に、対応が遅れている。

 

その変化とは、品揃え・買い物客ニーズ・価格・商品選択プロセスである。ネット通販の豊富な品揃えに慣れた買い物客は、大型量販店と言えども、品揃えを豊かとは思わなくなった。一方で買い物客が求めるのは、簡便性と楽しさである。しかし、実店舗で楽しい買い物体験はそう多くない。店舗の価格は完全に透明となり、バスケットマージンで儲けを出す手法の有効性は薄れている。また、商品の選択はネットに移行し、SNSがその決定に力を持つようになった。

 

これらの変化は、ネット通販比率の高いミレニアル世代の消費が増えるに従い、より急激になる。この急激な外部環境の変化に対し、実店舗小売は販売に転換を余儀なくされるだろう。

 

◎キーセンンスとその翻訳

3)キーとなる英文

The Web is bringing a sea change in terms of what shoppers expect, no matter where they shop.

 

4)キーとなる英文の和訳

ウェブは買い物客の期待に関してうねりのような大きな変化をもたらしている。

どこで買い物をするにせよ、その変化から逃れることはできない。

 

5)気になる単語・表現

sea 名詞 うねり

 

◎記事から読み取った今日のヒント

6)ビジネスのヒント

前回は実店舗小売が受けるウェブルーミングの影響について、取り上げました。今回も、実店舗小売に関して。著者は、ウェイフェア(Wayfair)という家具・生活雑貨を運営する小売業の創業経営者。恐らく、ウェイフェアは実店舗主体であり、実際にネット通販の大きな影響を受けているのでしょう。そこで、ネット通販による急激な変化に疎い実店舗小売経営者に対して、この記事で警鐘を鳴らしています。

 

その警鐘の中で、実店舗小売が直面する変化として4つ挙げています。

 

【実店舗小売が受ける4つの変化】

[1]品揃えの豊富さは強みにならない

[2]買い物客の簡便性・楽しさへのニーズの高まり

[3]価格は筒抜け(完全公開)

[4]商品選びはネットに移行

 

1に関して、品揃えでネット通販に勝てません。ネット通販の豊富な品揃えに慣れた買い物客は、大型量販店の数万点にも及ぶ品揃えにも魅力を感じなくなりつつあります。

 

2について、一方で買い物客が求めるのは、簡便性と楽しさ。記事では、「painlessness(苦痛の無さ)」と表現されています。ファッションやアクセサリー以外の実店舗小売では、なかなか楽しい買い物体験はないことは、実店舗小売が消費者ニーズに合致していないことの表れです。

 

3について、実店舗小売の価格もネットに簡単に投稿できる時代。少々の値上げでも、買い物客には筒抜けです。よって、TPOによる価格差を付けることで利益を出そうとするバスケットマージンの手法は通用しなくなりつつあります。価格に関しては、店舗運営コストの高い実店舗はネット通販に比べて不利です。

 

4について、何を買うべきか実店舗内を歩きまわって決めることが、どんどん減っているようです。一方で、ネット、特にフェイスブックやピンタレスト・インスタグラムなどのSNSを介して買う物が決まることが増えつつあります。これはまさに、ウェブルーミングです。

 

これらの変化の結果起こるのが、小売店と買い物客の関係が弱体化。実店舗やネット通販は、ネットで調べて決めたモノとお金を交換する場所に地位が低下しているのです。これに対し、ネット通販は、日々少しでも売り場に変化を付けることで、消費者ニーズの変化に対応しています。一方の実店舗は、変化への対応が遅い。

 

実店舗からネット通販・SNSへのシフトは、これまではじわじわ起こっていましたが、今後急激に起こると記事にはあります。その理由は、

 

ネット通販比率の高い7300万人にも及ぶミレニアル世代が、結婚・出産をするにつれて消費の主体になるから

 

です。ちなみに、ミレニアル世代とは、18~32歳の若者。ミレニアル世代の規模の大きさは、日本とアメリカの大きな違いです。ネットを使いこなすミレニアル世代のパイが大きく、今後消費を増やす可能性が高いからこそ、実店舗は変化のスピードが今後早まることに危機感を抱くべきなのです。

 

4つの変化のうち、実店舗小売がネット通販に勝てるには、2の簡便性と楽しさ。簡便性については、いつでもどこでもスマホから買い物のできるネット通販には勝てないようにも思えますが、その場で手に入るという実店舗が持つ簡便性は、ネット通販にはない強み。また、楽しさは、売り場が目に飛び込んできて、商品を手に触れる実店舗に分があります。

 

この簡便性と楽しさとは、サービスに他なりません。日本のイトーヨカドーが接客サービスを強化し、ユニクロが接客で差別化を図ろうとしているのは、今後起こるネット通販への急激なシフトを見越したものとも言えます。ウェイフェアの経営者ではないですが、これまで以上に急激なネットシフトが起こることを、実店舗小売は肝に銘じる必要があるでしょう。

 

Wayfair

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《今回のヒントのまとめ》

  • ネット通販の利用者増により、実店舗小売は4つの変化を受けている。一つ目は、品揃えの魅力低下である。ネット通販に慣れた消費者は、品揃えが豊富なことは当然と考える。品揃えではネット通販に敵わない。
  • 2つ目は、簡便性・楽しさニーズの高まりである。ファッション・アクセサリ以外で楽しい買い物体験のできる実店舗は少ない。この部分は、ネット通販にはない強みである。
  • 3つ目は、価格の完全透明性である。実店舗の価格もネット上で完全に知れ渡っていると考えてよく、全体で利益を出すというバスケットマージンの考えは通用しなくなりつつある。運営コストの高い実店舗は、価格はネット通販には敵わない。
  • 最後は、商品選びのネットシフトである。買い物の決定が実店舗からネット、特にSNSにシフトしている。
  • ネット利用率が高く7300万人にも及ぶミレニアル世代が家庭を築くようになると、ネットシフトはより急激になる。この急激な変化に対応している実店舗小売は、まだ少ない。

 

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけたいいもの

御影のこちらで中華ランチを頂きました。

1000円以上するセットですが、味とボリュームは十分価値があります。

私が食べたのは、麻婆豆腐セット。

四川料理の専門店だけあって、汗が出るほど辛かったですよ。

思わずご飯を2回もお替わりしたほどです。

ランチセットは平日のみ。

一方、週末ランチは行列ができるほどの人気です。

中華料理 四川

 

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

衆議院選挙の選挙戦が始まりましたね。

兵庫1区は、事実上の一騎打ちなので、正直困りました。

まさか民主党が候補を出さないとは、今でも驚きです。

石井一さんあたりが出馬すれば、十分勝ち目はあると思うのですが…

(ちなみに、私は特に支持する政党はありません。候補者本人で決めます。)

 

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

 

 

 

 

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