【829号】クリスマスシーズンにポップアップショップが増える理由とは?
◎本日のニュース
1)見出し
Brands Get Creative with Holiday Pop Up Stores
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2)要約
このクリスマスシーズン、ニューヨークなどの大都市に期間限定店舗(ポップアップショップ)が増えている。その店舗は、単に売上増を目指したものではなく、独特の仕掛けと通常店舗ではできない体験を提供することで、ブランド認知度アップを狙う。
消費者にとっては、期間限定だが実際に商品に手に取ることができ、店舗での体験は記憶に残る。企業にとっては、記憶に残る体験を通じて、ブランドの口コミを作ることができ、新商品をアピールできる。
実店舗で製品を試せることは、ネット上の販促とは異なる効果が期待できる。それは、単にブランドを知っている段階から、ブランドで何ができるかがわかるという効果である。
◎キーセンンスとその翻訳
3)キーとなる英文
During a critical time of year to catch a shopper’s eye, many brands are using temporary storefronts to attract consumers with unique gimmicks and one-of-a-kind experiences that aren’t available in a regular brick-and-mortar shop.
4)キーとなる英文の和訳
一年の重要な期間に、買物客の目を引きつけようと、多くのブランドは期間限定の実店舗を活用している。
その目的は、通常の実店舗ではできない独特な仕掛けと一種の体験によって、消費者を魅了することである。
5)気になる単語・表現
critical | 形容詞 | 重大な;批評の;あら捜しする |
temporary | 形容詞 | 一時の;一時的な |
attract | 他動詞 | (注意など)を引く;(支持など)を得る |
gimmick | 名詞 | 気の利いた小道具;巧妙な仕掛け |
brick-and-mortar | 形容詞句 | (インターネットを使用しない)しきたり通りの、因襲的な |
◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
クリスマスシーズンのポップアップショップと言えば、何年か前にトイザらスのポップアップショップを取り上げました。
【285号】トイザラス、ホリデーシーズンに臨時店舗開設。
トイザらスの場合は、破綻した店舗の顧客獲得を目指したポップアップショップであり、新規顧客獲得・販売増がその目的でした。しかし、今のポップアップショップの目的は、短期的な販売増ではありません。ブランド認知度・好感度を上げることにより、長期的な販売増を目指したものなのです。また、ブランドのみならず、その製品で何をできるかを示すポップアップショップもあります。
記事で紹介されているポップアップショップの事例は、以下の通り。
【ポップアップショップの事例】
[ブランド認知度アップ型]
SCジョンソンのグレード→ニューヨークに初の期間限定店舗を出店。11月から12月23日まで。グレードの香りが体験できるインタラクティブエリアを設置。VRヘッドセットのオキュラスリフトのスリルライドで香りを味わえるゾーンがある。「セントラボ」では、1500種類のアロマキャンドルを壁のように積み上げ、グレードの香りを実際に嗅げる。
[製品の使い方提示型]
ベルクロ→ニューヨークのソーホー地区に初のポップアップショップ出店。粘着テープ付き面ファスナーからギフト包装用ひもまで、製品の使い方を示す。3週間の「ホリデー・ハックショップ」では、無料のギフトラッピングステーション、クリスマス用の花輪・カードの作れる手作り用テーブル、子供用のゲームエリアを開設。
上記事例は、次のようにまとめることができます。
【ポップアップショップの特徴】
- ブランドを体感できる(グレード)
- ブランドを実際に利用できる(ベルクロ)
両者に共通するのは、常設の店舗では出来ないような、豪華さやクリエーティブが体験できる点。短期的な売上増を目指さないからこそ、利便性・実用性よりも芸術性を重視するのです。
このようなブランドショップは、消費者・企業にとって次のようなメリットがあります。
【ポップアップショップの消費者・企業のとってのメリット】
[消費者]期間限定で、商品を実際に手に取り、利用・体験できる
[企業1]口コミを生み出し、新商品をアピールできる
[企業2]費用対効果が高い
[企業3]目の前の消費者に臨機応変なアクションを迅速に行える
[企業4]ブランド名だけではなく、そのブランドで何ができるかを示せる
ポップアップショップの対極となるのが、ネット販促。消費者にとっては、実際に商品を手にできないネットに対し、ポップアップショップには商品を触れるという大きなメリットがあります。また、ブランドの特徴を体験できることで、その良さがわかりやすいというメリットもあるでしょう。期間限定というポップアップショップの特徴は、来店を後押ししてくれます。消費者にとっては、この店舗体験への後押しもポップアップショップのメリットと言えるでしょう。
一方の企業にとってのメリットは、消費者よりも多く、だからこそ、長期的視点を持った投資としてポップアップショップを開設できるのです。1について、豪華でありクリエーティブな体験を提供することで、口コミが期待できます。口コミはSNSを通じて、新商品・既存品を多くの消費者にアピールできます。
2について、ニューヨークなど集客力の高い地区に出店するものの、短期間の店舗のため、費用対効果は比較的高くなります。特に、クリスマスシーズンという買物機会のポップアップショップは、より多くの買物客へ露出できます。
3について、ネットとは違い実店舗は来店客の存在が明確。その来店客の反応により、売場を変更するなどのアクションを迅速に行えます。クリスマスシーズンも期間が限られているので、消費者の反応をすぐに販促に活かすことは、企業にとっては大きなメリットです。
4について、ブランド認知度を上げるだけならネットでも可能ですが、その使い方まで知ってもらうことは難しいもの。一方のポップアップショップでは、製品を使う姿を目の前で見たり、実際に使ったりすることで、製品の使い方のみならず、製品で何ができるかまでわかります。目の前で実際に見てもらうことは、記憶に残りやすいというメリットもあります。
日本でもスイーツ店などの期間限定店舗は増えています。ただし、どちらかというと短期的な売上増を狙ったものがほとんどです。アメリカでの成功事例が増えれば、日本でも長期的視点に立ったポップアップショップが増えるかもしれません。
グレードのポップアップショップ(動画)
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《今回のヒントのまとめ》
- クリスマスシーズンに増えるポップアップショップの目的は、短期的な売上増ではなく、ブランド認知度を上げることで、長期的な顧客増を目指したものである。
- ポップアップショップのタイプは、ブランドを体感できるタイプと、製品を実際に利用できるタイプの2つある。
- 消費者にとっては、製品を実際に触り、体験できるメリットがある。期間限定のために、店舗体験へと背中を押してくれる。
- 企業にとってのメリットは、豪華さやクリエーティブさにより口コミを起こせる点、費用対効果の高さ、臨機応変なアクションが可能な点、製品で実際に何ができるかを示せる点である。
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ウォール・ストリート・ジャーナルの最新情報をいち早く知りたい人は、
7)おすすめ商品・サービス
◎最近見つけたいいもの
御影のこちらで中華ランチを頂きました。
1000円以上するセットですが、味とボリュームは十分価値があります。
私が食べたのは、麻婆豆腐セット。
四川料理の専門店だけあって、汗が出るほど辛かったですよ。
思わずご飯を2回もお替わりしたほどです。
ランチセットは平日のみ。
一方、週末ランチは行列ができるほどの人気です。
◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語
WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。
この5年間でわかったことがあります。
読む上で知っておくべき単語さえわかれば、
大まかな内容はわかるということ。
備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。
今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。
◎Winecarte 簡単ワインの選び方
ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、
ワインの情報を探すのが大変ということ。
公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、
作っています。
編集後記
無事、イベントも終了。
これで一段落しましたが、年末に向けて大掃除という一大イベントを忘れては行けません。
大晦日まで掛かりそうですね、今年は。
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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
感謝・感謝・感謝です!
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私もごく少ない部数の時に、
いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、
今回は私が恩返しします!
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