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【832号】アマゾン・ウォルマートを不要にさせる、中国ネット通販の脅威とは?

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1)見出し
Who Needs Amazon or Wal-Mart? China Cuts Out the Middleman

 

 

 

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2)要約

アマゾン・ウォルマートと言えば、中国製の安価な量販商品を販売する小売チェーン。このような小売チェーンが今後不要になる可能性がある。というのは、中国の供給業者と最終消費者との直接取引が可能だからである。

 

世界のネット通販市場は約8500億ドルで、そのうち海外取引は700億ドルを占める。この海外取引は、世界のGDPの約7倍のスピードで成長している。この高い成長率を物語るのが、中国のネット企業・アリババの時価総額であり、2680億ドルにも及ぶ。また、米物流企業のUPSは、今後の海外取引増を見越して、海外取引支援をする会社を買収した。

 

ただし、中国の製造者から直接購入できると言っても、名も知らない異国の企業と直接取引することの不安は大きい。また、中国の製造者と最終消費者を橋渡しするライト・インザ・ボックスの収益は、依然大きな赤字のままである。

 

◎キーセンンスとその翻訳

3)キーとなる英文

In the same way Chinese companies took over the production of goods, they are now increasingly capable of merchandizing those goods, using the Web and modern freight transport.

 

4)キーとなる英文の和訳

中国企業が財の製造を支配したのと同じように、今ではその財の売買まで可能な企業が増えている。

その際活用するのが、ウェブと最新の航空輸送である。

 

5)気になる単語・表現

take over 他動詞句 ~を引き継ぐ;~の支配権を持つ
merchandise 他動詞 ~を売買する
modern 形容詞 最新式の、現代的な;現代の、近頃の

 

◎記事から読み取った今日のヒント

6)ビジネスのヒント

今回テーマになっているのは、中国の供給業者と最終消費者との直接取引。供給業者は、製造企業と読み取ってもいいかと思います。この新型流通と従来型流通を比較すると、次のようになります。

 

【新型流通と従来型流通の比較】

[新型]ネット通販を通じて、中国の供給業者と最終消費者が直接取引をする

[従来]中国の供給業者から仕入れた欧米の小売企業と最終消費者が直接取引する

 

従来型が新型に移行すれば、アマゾンやウォルマートといった欧米の小売企業が不要となります。この新型流通は、すでにアメリカでは可能となり、この仲介を行うのが、ネット企業のライト・インザ・ボックスです。ライト・インザ・ボックスについて、まとめると次のようになります。

 

【ネット企業のライト・インザ・ボックスの概要】

  1. サイトは27ヶ国語が利用可能で、全世界の消費者に販売
  2. 今年9月までの年間取扱流通額は3億4900万ドルで、昨対比25%増加
  3. 売上の60%は欧州、20%は北米。コンバージョン率が一番高いのはグリーンランド。
  4. 製造工場に近い立地なので、少ない在庫で対応可能
  5. 営業損益・最終損益とも依然大きな赤字
  6. 祖業はウェディングドレスの通販

 

6にあるように、もともと中国製のウェディングドレスを販売していました。その理由は、中国の卸値が100ドル未満である一方、欧米の小売価格は数千ドルであり、このギャップにビジネスチャンスを見出したからです。今では、他カテゴリーにも進出し、低価格販売が特徴のウォルマートよりも、よりデザイン性が高いターゲットに近いようです。(CEO談)

 

注目すべきは1であり、27ヶ国語に対応し、世界市場を対象にしている点。単に、ネット上で多言語に対応するだけではなく、電話・メールなどの顧客サービスでも27ヶ国語で対応できるようです。

 

また、多言語対応の従業員は、中国ではなく全世界で採用。だからこそ、27個もの言語に対応できたのでしょう。従業員教育や電話・メールにウェブを活用することで、コストを削減しています。

 

コスト削減に関しては、4の立地も寄与しています。製造工場に近いので、販売頻度の低い商品でも48時間以内に出荷可能になります。コスト削減のみならず、早く手にしたいという消費者ニーズにも合致しています。

 

 

ライト・インザ・ボックスが担うネット通販の海外取引は、急増傾向にあります。米物流企業のUPS社によると、世界のネット通販市場は約8500億ドルあり、そのうち海外取引は700億ドル。まだ10分の1未満ですが、世界のGDP成長率の7倍ものスピードで拡大しています。

 

ネット通販の海外取引は急成長市場だからこそ、中国のネット企業・アリババの時価総額が2680億ドルにも及んでいるのであり、UPS社が海外取引の支援を行うアイ・パーセル(i-parcel)を買収したのです。ちなみに、ネット通販の海外取引が急増している要因として、

 

  • スマホの普及→購入手段の獲得
  • 新興国の所得向上→購買力の高まり

 

を挙げることができます。

 

今ところ、中国の供給業者と最終消費者との取引商品は、卸値と小売価格の差が大きな低価格の量産品です。例えば、WSJ記事筆者が購入した60ドル足らずのジャケットなどのアパレル製品は、この代表例でしょう。ただし、今後、中国などの新興国の技術・デザインレベルが向上すれば、少量生産品やカスタマイズ品にまで対応できるようになるかもしれません。そうなれば、あらゆるモノの販売において、供給業者と最終消費者との直接取引が増える可能性があります。

 

これらの結果起こるのは、製造・卸・小売の垣根を超えたグローバル競争です。単にモノを販売するだけならば、中間コストのより低い直販に分があります。この不利な状況を考えれば、小売業は物販業からの進化を余儀なくされるのではないでしょうか。それは、製造も担うSPA化に留まらず、モノを通じてブランドのライフスタイル・思想を売ることのように思えます。

 

LightInTheBox(日本語サイト)

i-parcel

 

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《今回のヒントのまとめ》

  • 中国の供給業者と最終消費者との直接取引が可能になれば、アマゾン・ウォルマートのような欧米小売業は不要になるかもしれない。
  • この直接取引を仲介するのが、中国ネット企業のライト・インザ・ボックスである。27ヶ国語対応の通販サイトを通じて、中国製のモノを安価に世界の最終消費者に販売する。
  • ネット通販の海外取引は、世界GDP成長率の7倍のスピードで拡大している。それを象徴するのがアリババの時価総額であり、この動きを見越してUPS社は海外取引支援企業を買収した。
  • 今は新興国製造の低価格量産品が直接取引の対象だが、今後新興国の製造・デザインレベルが向上すれば、少量生産品・カスタマイズ品まで直接取引の対象になるかもしれない。
  • そうなれば、物販業としての小売業はコスト面で不利になる。物販業から脱皮し、ブランドの思想・ライフスタイルを売ることが必要になるのではないか。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけたいいもの

セブンのドーナツを初めて買ってみました。

ネット上では賛否両論あるようですが、やはりその品質はミスドには敵いません。

セブンのことですから、きっと改良するので、今はそちらに興味があります。

ただ、小腹が空いた時の選択肢として、100円のドーナツは魅力的ですね。

十分アリだと思います。

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

年末の大掃除に、年賀状作成。

忙しい季節になりました。

 

高尾亮太朗のツイッター⇒ twitter.com/ryotarotakao

高尾亮太朗の公式サイト⇒ ryotarotakao.com

高尾亮太朗のTubmlr⇒ ryotarotakao.tumblr.com

高尾亮太朗のGoogle+⇒ gplus.to/ryotarotakao

高尾亮太朗のPinterest⇒ pinterest.com/ryotarotakao/

今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

 

 

 

 

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