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【853号】米アパレルのメンズウェアハウスがモバイルウォレット(電子財布)に力を入れる理由とは?

men's wearhousesameold2010

 

 

◎本日のニュース

1)見出し
Men’s Wearhouse: Data Consistency Key To Mobile Initiatives

 

 

 

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2)要約

米スーツ小売のメンズウェアハウス社は、実店舗・ネット通販・モバイル間の顧客データの一元化を進めている。その目的は、顧客のクーポン利用率を上げるためである。共通のバックエンドシステムを採用することで、顧客は、プラットフォームの違いを気にせず買い物ができる。

 

さらに、電子財布のモバイルウォレットも導入した。それは、消費者の多くが、ロイヤルティプログラムとモバイルウォレットに興味がある一方で、これら両者の統合に成功した企業がいないからである。モバイルウォレット導入により、客数・客単価の向上が期待される。

 

◎キーセンンスとその翻訳

3)キーとなる英文

Recent efforts by Men’s Wearhouse Inc. to let customers redeem coupons over a growing number of platforms is challenging the suit seller to ensure consistent and easily shareable data across its point-of-sale, e-commerce and mobile systems.

 

4)キーとなる英文の和訳

メンズウェアハウス社は最近、増えるプラットフォームを通じて、顧客のクーポン利用を促すことに力を注いでいる。

これにより、スーツ小売のメンズウェアハウスは、売場とネット通販・モバイルシステム間のデータの一貫性・共有を推し進めようとしている。

 

5)気になる単語・表現

redeem 他動詞 ~を現金に変える;(欠点など)を補う
challenge A to V 他動詞句 Aに~するように挑む、Aに~する気を促す
ensure 他動詞 ~を保証する、~を確実にする
point-of-sale 名詞 売場;販売時点

 

◎記事から読み取った今日のヒント

6)ビジネスのヒント

今回は、アパレル企業のビッグデータ活用について。メンズウェアハウスが行っているのは、実店舗・ネット通販・モバイル上の顧客データを一つにまとめるということです。これにより、売場に関わらず、顧客の好み・購入履歴に応じた販促を行う事が可能となります。これを推し進める背景には、一人の顧客が複数のプラットフォームを通じて買い物するという消費行動の変化があるのでしょう。一貫性を持たせることで、顧客データはより深くなり、確実性の高い販促を行うことができます。

 

さらに、モバイルウォレットも導入します。モバイルウォレットとは、所謂電子財布。モバイルナナコなどモバイル版電子マネーと似ています。これを既存のロイヤルティプログラムと統合することで、個別クーポンをスマホに送ることが可能となります。ここで重要なのは、個別クーポン。

 

アンケート結果によると、半数以上の消費者が、全顧客共通の販促よりも顧客によって異なる個別販促に興味を持っています。自分だけが得した優越感を得られるからでしょうか。これを可能にするのがモバイルウォレットですが、一方でモバイルウォレットとロイヤルティプログラムの統合に成功した小売企業は、ほとんどありません。メンズウェアハウスは、これに挑戦しているのです。

 

小売企業側のモバイルウォレット導入のメリットは、百貨店のコールズの事例が示しています。コールズのロイヤルティプログラムの特徴は、モバイルアプリにウォレット機能を組み込んでいること。その結果、ロイヤルティ会員の約60%がプラスチック版のプリペイドカードを持たないにも関わらず、年間で非会員よりも2回来店頻度が多く、80ドル多く買い物をしているようです。モバイルウォレットとロイヤルティプログラムの統合により、客数・客単価が向上したことがわかります。メンズウェアハウスも、モバイルウォレット導入により、客数・客単価の引き上げを目指しているのです。

 

WSJ記事では詳しく説明されていませんが、他サイトの関連記事を読むと、モバイルウォレットには、クーポン利用を促す仕組みがあるようです。クーポンが配布されるのは、メルマガなどのメールを通じて。従来はメールを印刷またはレジで提示する必要がありました。一方、モバイルウォレットの場合は、メール内の「save to wallet」ボタンをクリックすることで、モバイルウォレットに貯めることができます。主体的にクリックさせることが、この販促の肝の部分。主体的にクリックした人の利用率は、従来型のクーポンの10倍以上もあるようです。主体的にクリックすること自体、動機の強さを示し、さらにウォレットにクーポンが貯まることで、クーポンの存在を忘れにくくさせ、利用を促進させているのではないでしょうか。

 

日本では、同様の仕組みを無印良品が行っています。無印の場合は、アンケートに答えるとマイルが付与されます。これにより、無印との接触機会を増やすばかりではなく、買い物をしてマイルを貯めようとする動機をより高めています。

 

モバイルウォレットには、顧客に何かアクションを起こさせて、貯める楽しさを提供する力があるようです。そして、その結果、ブランドとの接触機会を増やし、購買意欲を高めるのです。モバイルウォレットとロイヤルティプログラムの統合は、小売業界で今後増えるのではないでしょうか。

 

Men’s Wearhouse

参考にした記事(AD WEEK)

As Mobile Payment War Grows, Men’s Wearhouse Reveals Big Marketing Stats

 

 

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《今回のヒントのまとめ》

  1. メンズウェアハウスは、プラットフォーム毎のロイヤルティプログラムの統合を進めている。さらに、これにモバイルウォレットも紐付けしている。
  2. これにより、顧客の購入履歴・属性を元に、個別のクーポンを配布でき、より緻密な販促が可能となる。消費者の多くも、優越感を得られる個別クーポンを好む。
  3. ただし、それ以上に、モバイルウォレットには大きな強みがある。主体的にクーポンを保管しなければならないモバイルウォレットは、従来型メールクーポンよりも、利用率が10倍以上高く、客数・客単価の向上に大きな効果を発揮する。
  4. 実際、モバイルウォレットとロイヤルティプログラムを統合するコールズの場合、ロイヤルティ会員は、非会員よりも年間で来店回数が2回多く、80ドル多く買い物をしている。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけたいいもの

ボックスワイン第二弾。

やまやで買ったチリのカベルネ・ソーヴィニヨンですが、イオン系輸入商社の商品のようです。

まだ一回しか飲んでいないですが、二口目から少し重く感じ、私好みに。

価格は2リットル1200円ほどで、懐にも優しい。

ボックスワインに詳しくなりそうです。

エル トキ カベルネソーヴィニョン バギンボックス 2L

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

花粉の散布量、どんどん増えていますね。

数字を実際に見ていないのですが、実感でわかります。

そろそろコンタクトからメガネに変えようかと思います。

そう言えば、駆け込み需要で新調したメガネ、ほとんど使っていないような。

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

 

 

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