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【871号】セブン&アイグループがオムニチャネルを力強く推進する理由

saks fifth avenue

 

 

◎本日のニュース

1)見出し
Physical Stores Benefit from Digital-First Strategy

 

 

 

 

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2)要約

多くの実店舗型小売企業が、消費者のネット利用が拡大するにつれ、実店舗収益を維持するのに苦労している。ただし、消費者のネットシフトが進むからと言って、実店舗の収益が必ずしも下がるというわけではない。技術と分析をうまく活用できれば、両方の収益を拡大できる。

 

と いうのも、ネットで情報検索してから実店舗に来店した顧客の方が、店内滞在時間は2~4倍長く、購入確率は高くなるからである。また、ネット上で自動的に 推薦されるレコメンド情報の方が、実店舗内での店員による直接のオススメよりも、売上に結びつきやすいという。だから、オムニチャネルは、全体の収益に大 きく貢献する。

 

ただし、実店舗売上が減るリスクのあるオムニチャネルに、実店舗従業員をどう動機付けするかは、大きな問題となる。

 

3)キーとなる英文

The two outlets can feed sales to each other if the technology and analytics are done right. But such retail symbiosis requires systems that carefully track what shoppers do on their devices before they visit stores, said Michael Burgess, president of HBC Digital, the digital technology unit of Hudson’s Bay Co.

 

4)キーとなる英文の和訳

ITと分析をうまく活用できれば、両方の販売チャネルの売上を相互に増やすことは可能である。

しかし、そのように小売を両立させるには、実店舗への来店前に買い物客が自身の端末で何をしたかを注意深く記録する仕組みが必要となる、とハドソンズベイ社のデジタルIT部門である、HBCデジタル社長のマイケル・バーゲス氏は述べた。

 

5)気になる単語・表現

symbiosis 名詞 共存
feed 他動詞 ~を与える;~にえさを与える
incentive 名詞 動機

※記事全体から、重要単語をピックアップしました。

 

6)ビジネスのヒント

スマホが登場して、消費者とネットとの距離がとても短くなりました。その結果、消費のネットシフトが起こっています。消費のネットシフトとは、買い物を実店舗からネット通販に変えること。ただし、消費のネットシフトは、購入先が変わるだけではないのです。

 

消費のネットシフトは、実店舗での購入でも起こっています。つまり、来店前に、気になる商品の商品説明・口コミ・売れ行きを、ネットで調べるという消費者が増加しているのです。

 

しかも、次のような、ネットシフトが実店舗売上にもプラスに働くデータも存在します。

 

【消費のネットシフトが実店舗売上にもプラスに働くというデータ】

  1. 来店前にネットにアクセスした顧客は、しない顧客の2~4倍の時間を店内に滞在する(サックスドットコム)
  2. ネットで調べてから来店した顧客は、調べてこなかった顧客よりも実店舗の店員との会話が多い
  3. ネット上のリアルタイム自動リコメンド商品の方が、店員が店内で直接薦めた商品よりも売れる

※すべて、ハドソンズベイ社のデータ

 

ハ ドソンズベイ社とは、サックス・フィフス・アベニューや、ロード&テイラー、ハドソンズベイという商号の百貨店を運営している企業。1・2のように、事前 に商品情報を検索してきた顧客の方が、店内滞在時間が長くなり、また店員とのコミュニケーションもうまく進み、売上に貢献するとのこと。消費のネットシフ トは、実店舗売上にもプラスに働くことがデータとして証明されています。

 

3について、これは店員によるオススメよ りも、アルゴリズムによるオススメの方が効果は高いのです。店員という人のプレッシャーがない分、素直に推奨商品を吟味できるということかもしれません。 また、実店舗で顧客に商品を薦める際も、店員が選ぶ商品よりアルゴリズムによって選ばれた商品の方がいいということになります。

 

こ のように、消費者のネット利用が増えるほど、ネット通販ばかりか実店舗の売上にもプラスに働くのです。ただし、ここで問題が生じます。顧客のネット利用を 薦めることに対し、実店舗での売上に応じて給与が決まる実店舗従業員は動機が生まれにくいという問題です。例えば、会社全体で見れば、通販サイトを利用し てもらうことは、通販売上・実店舗売上にもプラスになりますが、とある店舗で働く従業員にとっては、その店舗の売上にならない可能性が高いために、通販サ イトの利用を薦める気が起こらないのです。

 

この問題に対し、次のような処方箋が提示されています。

 

【実店舗従業員に顧客のネット利用を薦める動機付け案】

  1. 商圏内の顧客の売上の一部を、その実店舗の販売実績とする
  2. レジで獲得したメルマガ用の新規メールアドレス数を、その実店舗の販売実績とする

1・2とも、ネット通販売上への貢献として、売上金額や獲得会員数に対し、コミッションが生まれることで、実店舗従業員にネットシフトへの行動を動機付けしています。

 

ち なみに、2のメール会員の獲得に力を入れる背景には、メール会員へのメール1通あたりの売上が、バナー広告のクリックあたりの売上よりもずっと大きいとい うデータがあるようです。つまり、ネット上で広告を打つよりも、すでにブランドを認知し、購入履歴のある顧客へメルマガを送る方が、商品の売れる確率は高 いのです。

 

このように、ネット通販と実店舗売上は、両立しないように見えて、実際には両立することがわかります。だからこそ、セブン&アイグループは、ネット通販と実店舗販売をシームレスにつなげるオムニチャネルに力を注いでいるのです。

 

セブンがオムニチャネルに力を入れることで、次のような効果が期待できます。

 

【セブン&アイグループが進めるオムニチャネルの効果】

  1. セブン-イレブンへの来店を促すことができる
  2. メール会員を増やすことができる

 

セ ブンのオムニチャネルとは、ざっくり言うと、セブン&アイグループのネット通販で購入した商品が、最寄りのセブン-イレブン店舗で受け取れるとい うもの。この便利なサービスを利用するには、セブン-イレブンの店舗を訪れる必要があります。その結果、1のように来店を促すことができ、セブン-イレブ ンでのついで買いが期待できるのです。また、他のコンビニチェーンよりも、便利に使えるセブン-イレブンが選ばれる動機付けにもなります。いずれにして も、オムニチャネルを進めることで、セブン-イレブンの売上増が期待できます。

 

2に関して、実店舗ではなかなか獲 得できない顧客のメールアドレスを、オムニチャネルを推進することで、獲得できるというメリットがあります。その結果、メール会員としてメルマが送信する ことが可能となり、将来の売上につなげることができます。また、定期的なメルマガを通じて、ブランドとの接触機会を増やし、ブランド・ロイヤルティを高め ることができます。

 

セブン&アイグループがオムニチャネルを強力に進めるのは、来店を促すばかりか、実店舗だけではできなかった顧客とのコミュニケーションを図れるからではないでしょうか。その先には、もちろん収益増が付いています。

 

Hudson’s Bay

Saks Fifth Avenue

Lord & Taylor

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《今回のヒントのまとめ》

  1. 消費のネットシフトは、ネット通販だけではなく実店舗へもプラスに働く。というのは、事前にネット調査してから来店した顧客は、滞在時間が長く、店員とのコミュニケーションが多いからである。
  2. また、ネットで自動的に表示されるおすすめ商品は、店員が直接進める商品よりも売れる確率が高い。商品販促は、アルゴリズムの方が効率は高い。
  3. ただし、ネット通販に流れる恐れのあるネットシフトを実店舗に動機づけするのは難しい。その解決策として、商圏内のネット通販売上の一部をその実店舗に付けることや、レジで得たメール会員用の新規メールアドレス数を、実店舗の実績として付けることが、考えられる。
  4. セブン&アイグループがネット注文品をセブン-イレブン実店舗で受け取れるオムニチャネルを進めるのは、実店舗への来店を促すことができ、またメール会員を獲得できることで、より効果の高いメール販促ができるからだろう。

 

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけたいいもの

ペットボトルのミネラルウォーターから卒業しました。

卒業というよりも、コスト削減が目的なのですが。

先日、浄水器のブリタを買ったのですが、これが実に便利。

浄水後の水が残っていても、追加ですぐに浄水できます。

しかも、カートリッジ代だけでボトルを買えたので、ボトルはほぼタダ。(今も同じ価格かは知りませんが。)

是非一度、楽天のエディオンを調べてください。

ブリタのお陰で、ペットボトルのゴミも減って、幸せです。

 

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

GW後半から体調があまりに悪いので、今日はこのあたりで。

 

高尾亮太朗のツイッター⇒ twitter.com/ryotarotakao

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

 

 

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