【874号】対面交流支援のミートアップの会員が2500万人を突破する理由
◎本日のニュース
1)見出し
Meetup Aims to ‘Get People Off the Internet’
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2)要約
ミートアップ社が提供するオフ会専用SNSの会員が、今年全世界で2500万人を突破するという。創業者によると、このサービスの目的は、人をネットから開放し、対面コミュニケーションを促進することという。
このビジネスアイデアが生まれたのは、9・11テロ後で、人心を一つにする手助けをしたいという気持ちが動機であった。収益モデルは、毎月の組織運営費収入で、各グループ10~20ドル課金している。一日に世界で2万イベントも行われ、昨年の売上は2000万ドルに達した。
課題は、スマホの普及で、より優れた競合サービスが生まれやすくなったということ。これに対し創業者は、スマホの普及により逆に利便性が高まり、成長が加速すると答えている。
3)キーとなる英文
Mr. Heiferman, a 1994 University of Iowa graduate, says his goal is to get people to leave their computer screens, to engage with friends, neighbors or complete strangers over shared interests—at a time when growing numbers of people are spending more time socializing on smartphone apps, rather than in person.
4)キーとなる英文の和訳
1994年アイオワ大学卒業のハイファーマン氏によれば、彼の目標は、人をコンピューターのスクリーンから遠ざけ、友人・隣人、もしくは共通の趣味を持った完全な他人と交流させることである。
それを、対面よりもスマホアプリで交流時間を増やす人が増加する時代に行いたいという。
5)気になる単語・表現
nimble | 形容詞 | 動きの早い |
come up with | 自動詞句 | (考えなど)を思いつく;~を発見する;~を持ち出す、提案する |
facilitate | 他動詞 | ~を容易にする |
even so | 副詞句 | それでも |
serve | 他動詞 | ~に奉公する |
epidemic | 形容詞 | 流行している;はやりの、広まっている |
spontaneity | 名詞 | 自然さ;自発性;自然発生 |
spontaneously | 形容詞 | 自発的に |
(今回ピックアップ英単語)
【facilitate】
(英英)to make an action or process possible or easier
(類義語)simplify, enable
(説明)「~を容易にする」というのは、英会話・英文で結構使う表現だと思います。特に、ビジネスでは、業務改善にもつながる表現であり、知っているととても便利。英英辞典にもあるように、要は「より簡単にする」ということです。それが転じて、「~を促進する」という意味でも使われます。
6)ビジネスのヒント
起業・中小企業面のインタビュー記事です。ミートアップ社という、オフ会促進SNSを運営する会社の共同創業者(恐らくCEO)ハイファーマン氏が、答えています。
まず、ミートアップというサービスから。育児・健康・フィットネス・芸術・独身から、意味の薄いことまで、一つのテーマで集まるオフ会をマッチングするサービス。オフ会専用のSNSと考えてもらっていいと思います。このサービスは、ネットを通じて全世界で提供され、今年会員数が2500万人を突破するそうです。すこぶる人気があるようです。
そのビジネスモデルをまとめると、次のようになります。
【ミートアップのビジネスモデル】
[収益]毎月組織運営費としてグループ毎に10~20ドルを課金、広告収入に頼らず
この手のSNSのビジネスモデルは、ユーザー数を最大化させることで、媒体価値を高め、広告収入を得るというモデル。しかし、ミートアップ社は、このモデルを真っ向から否定しており、売上はグループ毎の課金から得ています。10~20ドルと幅があるのは、グループの規模の違いから。詳しくは書かれてありませんが、グループ構成員が増えれば、金額は高くなるのでしょう。
インタビュー内容をまとめると、次のようになりまうs.
【ハイファーマン氏インタビューまとめ】
- 広告収入を得ない理由→顧客がお金を払ってくれるだけの優れた商品を提供しようと、創業時に決めたから。だから、プラットフォームの改善だけに、100%のエネルギーを注いでいる。広告収入を得るために、広告主へ奉公すれば、エネルギーが分散し、顧客のためにならない。
- 大都市ならわかるが、地方都市でもニーズがあるのか?→都市の規模はニーズに関係ない。地方の小都市でも、家に閉じこもってネットフリックスやフェイスブックしかしていない人はいる。
- 最も重要な経営指標は何か?→ミートアップのオフ会に実際に参加した人数。できれば、ミートアップに参加したことで、仕事が見つかった人、出資者が見つかった人、友人が出来た人、マラソンを走るようになった人の数を数えてみたい。
- スマホ・モバイル技術の発展は、経営にどう影響するか?→インターネットは、人のネットワークであって、コンピューターをつなぐものではない。モバイルの登場で、利便性が高まり、より自発的にミートアップに参加する人が増えるのではないか。それは、ミートアップ社の成長につながる。
ハイファーマン氏のインタビュー記事を読むと、結構宗教チックな人だとわかります。記事タイトルにもあるように、
ミートアップの目的は、人をインターネットから遠ざけるため
とあり、さらに
世界をより良い場所にする手助けがしたい
とハイファーマン氏は述べています。彼のこの信念に賛同する人が多いからこそ、有料でも2500万人ものユーザーを獲得できたのでしょう。
あらためて、ミートアップが人気を博している理由を考えてみました。
【ミートアップのユーザー数が2500万人を超えるほど人気な理由】
- 広告なしで見やすいから
- 有料会員制なので、グループの質が保たれやすいから
- ミートアップ社の努力により利便性が高いから
- 創業者の信念に共感したから
- SNSが普及するほど、対面交流ニーズが高まるから
1・3は、ミートアップ社の方針・努力によるもの。2について、逆に有料だから、変な人は参加しないだろうという安心感があります。グループごとに課金されるので、恐らくオフ会参加費用を会員に徴収しているはず。この有料というハードルが、グループの質を担保してくれるのです。比較的単価の高いスタバがいいのも、それなりの人しか利用しないというのと同じ理屈です。
4は、先述したとおり、これこそミートアップ社の大きな特徴。この考えに賛同する人がいるからこそ、有料でも利用してくれるのでしょう。
5について、ネットが普及すればするほど、リアルなモノの価値が高まるという考えです。ネット通販専門企業が、実店舗を開設するのはこの理屈に沿ったもの。(日本での最新事例は、通販アパレルのドゥクラッセ。)また、リアルな旅(とくに体験型旅行)が人気なのも、毎日のネット利用が多くなっているからかもしれません。やはり、人との交流は面白いですから。
ミートアップの一番の課題は、スマホ・モバイル技術の向上により、競合サービスが生まれやすいこと。これについては、よっぽど自社サービスの利便性に自信があるのか、逆にミートアップを利用するハードルが低くなり、対面の交流を促進してくれると、ハイファーマン氏は答えています。
では、日本でも同様のサービスは成り立つのか?なかなか難しいのではないでしょうか。そう考える一番の理由は、知らない人とコミュニケーションが苦手な国民性だからです。例えば、エレベーターの中で全く知らない人と会話する人はほとんどないでしょう。会釈すらしないのが大多数です。ただし、最近近所付き合いが減ったことに不満・不安を持つ人が増えているなど、緩い対面のつながりへのニーズが高まっているのも事実。そのニーズがある以上、利用方法・課金方法などサービス内容を工夫することで、ビジネスとして成り立つかもしれません。
それにしても、ハイファーマン氏の信念はすごい。こういう人こそ、アントレプレナーと呼ぶのでしょうね。
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《今回のヒントのまとめ》
- オフ会支援SNSのミートアップは、広告収入ではなく、グループ毎に課金することで収益を上げている。それは、広告主への対応が不要になることで、サービス改善に専念できるからである。
- ミートアップが人気なのは、広告無しで見やすいから、有料会員制ゆえ質が担保されるから、使い勝手が良いから、創業者の信念に共感するから、SNS普及により逆に対面交流ニーズが高まっているからだろう。
- モバイル技術の向上により、競合サービスが生まれやすいという課題はあるが、逆にミートアップの利便性が増し、対面交流を促進するという効果も期待できる。
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7)おすすめ商品・サービス
◎最近見つけたいいもの
芋焼酎の海童を初めて買いました。
比較的価格はお手頃なのですが、芋の旨みは十分感じられます。
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公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、
作っています。
編集後記
今年のタイガースが開幕三連勝したことが、嘘のようでなりません。
どうなったのでしょうか。
それより不思議なのは、四番・主力がいないジャイアンツはなぜ首位なのでしょうか。
高尾亮太朗のツイッター⇒ twitter.com/ryotarotakao
高尾亮太朗の公式サイト⇒ ryotarotakao.com
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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
感謝・感謝・感謝です!
メルマガ相互紹介を希望されるメルマガ執筆者様は、ご連絡お願いします。
私もごく少ない部数の時に、
いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、
今回は私が恩返しします!
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