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【893号】ITベンチャーが貨物輸送フォワード市場に着目する理由

 Freight Train Rolling Through Belen, New Mexico

 

 

 

◎本日のニュース

1)見出し
Startups Compete for Freight Forwarding as They Wade Into Global Shipping

 

 

 

 

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2)要約

ITスタートアップ企業の中で、貨物輸送のフォワード業務への参入に野心を抱く企業が増えている。その目的は、ITを活用することによって、1600億ドルもの世界市場を大改革することである。その結果、中間業者が完全に排除されるようになるかもしれない。

 

ITを使うことによって、顧客に最安値の運賃と最速ルートを提示することができる。また、貨物を追跡することも可能となる。裏返せば、ネット通販などで当たり前のことが、貨物輸送のフォワード市場では定着していない。

 

その最大の理由は、大手企業もあるものの、数多くの中小業者で市場が成り立っており、その多くがネット活用のための投資ができていないからである。一方で、サプライチェーンの見える化は、ユーザーである大企業にとっては最優先事項となっている。ITベンチャーは、このギャップに着目したことになる。

 

3)キーとなる英文

Technology startups are competing to break into freight forwarding, seeking to shake up a $160 billion global business that hasn’t kept up with contemporary communications, research firm Transport Intelligence said in a new report.

 

4)キーとなる英文の和訳

リサーチ外車のトランスポート・インテリジェンスの最新リポートによると、ITスタートアップ企業は、競って貨物輸送のフォワード市場に参入している。

その目的は、1600億ドルにも及ぶものの、現代のコミュニケーション技術が活用できていない世界市場を改革することである。

 

5)気になる単語・表現

freight 名詞 貨物輸送;輸送貨物
forwarding 名詞 手配業務
shake up 他動詞句 (会社など)を大規模に再編成する;~を大改革する
contemporary 形容詞 現代の
common 形容詞 ふつうの;共通の
tarck 他動詞 ~をたどる
take hold 自動詞句 確立する;定着する
middleman 名詞 仲買者、中間業者;仲介人
quote 名詞 見積額
upstart 名詞 成り上がり者
put together 他動詞句 (部品など)を組み立てる

 

(今回ピックアップ英単語)

Put together

(例文)

Put a machine together

「機械を組み立てる」

Put a dictionary together

「辞書を編集する」

Put together a book

「本を作る」

(類義語)

「組み立てる」 construct

「作る」compose

 

6)ビジネスのヒント

貨物輸送のフォワード業務とは、手配業務。メーカーが指定した配送したい商品と配送方法と送り先の指定を受けて、一括して配送を手配する代理店のようなものです。この市場へのITベンチャーの参入が増えているようです。

 

その理由は、とてもシンプルで、

 

ITの活用により最適化する余地があるから

 

に他なりません。逆に言えば、貨物輸送のフォワード市場は、それだけITが遅れているということになります。ITを活用することで、以下のことが可能となります。

 

【ITベンチャーが進める貨物輸送のフォワード業務のIT化】

  1. 最安・最速の便を選択できる
  2. 配送貨物を追跡できる

 

1に関して、これはITが得意とする検索機能。登録された各種配送業者・ルートから、最安値や最速の業者・ルートを選べるというものです。貨物輸送のフォワード市場で、この機能がこれまでなかったというのが驚きですが、BtoB市場ではアナログな業務がそのまま温存されている事例は結構あるのでしょう。

 

2は、今では宅配業者が提供しているサービスに他なりません。伝票番号を追跡専門ページに打ち込むと、それがこれまでどこにあるか、あとどれぐらいで届くのかが、わかります。ネット通販では当たり前の機能が、貨物輸送のフォワード業務では提供されていないのです。

 

これらの、インターネットではデフォルトのサービスがフォワード市場で提供されていない要因をまとめると、次の2点になります。

 

【貨物輸送フォワード業務でIT化が進んでいない要因】

  1. フォワード企業が代理店として、その業務をブラックボックス化しているから
  2. 数多くの中小業者でフォワード市場は成り立っているため、コストの掛かるIT化が遅れているから

 

1について、フォワード企業は、手配業務を一手に引き受ける一方で、運送業者の選択やその運賃などはブラックボックス化しています。恐らく、荷主も、フォワード業務はそういうものだとして、その低いサービスを仕方なく利用しているのでしょう。

 

2について、ドイツポスト社のグローバル・フォワーディング部門など大規模なフォワード企業はあるものの、市場を占める大半は中小企業。投資体力に乏しいゆえ、IT化が進まなかったのです。

 

しかし、一方でメーカーなどの荷主にとって、サプライチェーンの見える化は最優先事項なのです。既存企業が、このニーズに応えられないからこそ、ITスタートアップ企業は、ここに商機を見出したのです。ITスタートアップ企業がフォワード市場に参入する理由をまとめると、次のようになります。

 

【ITスタートアップ企業が貨物輸送フォワード市場に参入する理由】

  1. 1600億ドルもの巨大市場だから
  2. ニーズが有る一方でIT化が進んでいないから(ビジネスチャンス)
  3. 買収してくれる大企業が存在するから(イグジット)

 

1・2は先述した通り。3について、数少ない大規模なフォワード企業は、自社の広範囲の業務を管理するために、かなりの金額と時間をITシステムの構築に費やしています。それよりも、既にITサービスを提供するスタートアップ企業を買収する方が安上がりなのです。参入するITベンチャーにとっては、企業売却というイグジットが想定できるので、参入しやすいと言えます。

 

それにしてもこの記事で思うのは、BtoB市場のIT化は意外に進んでいないんじゃないかということ。簡単な技術・機能で生産性を引き上げるとともに、コストを削減することができれば、大きな需要が見込めます。貨物輸送業界のみならず、こういうビジネスチャンス、他業界にも転がっているのではないでしょうか。インナー(業界人)しかわからない、インナーだからこそ気づかないなら、それはビジネスチャンスです。

 

(フォワード市場に参入したITスタートアップ企業)

Cargobase

Freightos

Shippabo

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《今回のヒントのまとめ》

  1. ITスタートアップ企業が貨物輸送のフォワード市場に参入するのは、IT化が遅れている一方で、荷主がサプライチェーンの見える化を求めており、ここにギャップが存在するから。
  2. また、世界の市場規模が1600億ドルもあることも、参入が増える要因である。
  3. さらに、数少ない大規模フォワード企業の買収が期待でき、イグジットが見えることも大きな要因と言える。
  4. この背景には、数多くの中小業者で成り立つフォワード市場の特製がある。投資余力に乏しい中小企業が多いからこそ、IT化がなかなか進んでいない。
  5. また、フォワード業務は、荷物引受から配送業者選択まで一手に引き受ける代理業務のため、その内情がブラックボックス化していることも、最適化・効率化が進みにくい要因と言える。

 

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけたいいもの

故郷の姫路の江戸屋って有名な和菓子屋なのでしょうか。

先日、ABCラジオでも紹介されていましたし、親からも貰いました。

冷やしぜんざいは私には少し甘かったですが、あんみつは美味しいようです。(まだ食べてません)

一番人気は、わらび餅だとか。(ABCラジオによると)

次回はぜひ、わらび餅を食べてみたいものです。

himeji-edoya.net/

なんと、楽天市場にも出店されているようです。

 

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

最近、休みの使い方がかなり拙い。

時間の使い方が下手くそというか。

やるべきリストで見える化が必要だと認識しています。

 

高尾亮太朗のツイッター⇒ twitter.com/ryotarotakao

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

 

 

 

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