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【897号】ランボルギーニが新型SUVで希少性と収益性を両立できた方法とは?

LAMBORGHINI AVENTADOREddy Clio

 

 

◎本日のニュース

1)見出し
Will Lamborghini Fans Accept a SUV?

 

 

 

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2)要約

フォルクスワーゲン社のアルディ部門傘下のランボルギーニは、次のモデルで初の超高級SUV(コードネーム「ウルス」)を発売する。セダン・ハッチバッグからSUVへのシフトというグローバルトレンドが、高級車カテゴリーでも起きているからである。

 

ただし、現在2種しか生産しないランボルギーニが3種に増やすことは、リスクを伴う。ウリだった希少性が下がるからである。また、生産コストがそもそも高く、その割に生産量が小さく、価格も低めのSUVは、高級セダンやスポーツカーよりも利益率が低いので、収益性が落ちるリスクもある。

 

これら課題に対し、ランボルギーニは、フォルクスワーゲン・グループの他高級SUVと同じ車両プラットフォームを使うことで、コスト削減を目指す。ただし、熱烈なファンの離反を回避するために、組み立てはイタリアの本社工場で行い、メイド・イン・イタリーは維持する。

 

3)キーとなる英文

Italian super-sports car maker Lamborghini is about to test the allegiance of drivers and fans with radical changes to its product line and production methods.

 

4)キーとなる英文の和訳

イタリアのスーパーカーメーカーのランボルギーニは、製造ラインと製造方法の劇的な変化に対するドライバーとファンの忠誠心を試そうとしている。

 

5)気になる単語・表現

allegiance 名詞 忠誠;忠実さ
delicate 形容詞 細心の注意を要する;慎重な;壊れやすい
maneuver 名詞 巧みな動き;作戦
cachet 名詞 威信、名声;(品質や保証などの)印
slate 他動詞 ~を予定する;~を酷評する
tap A for B 他動詞句 AにBをねだる
merge with 自動詞句 ~を合併する
dynamics 名詞 原動力、活動力;動力学
bank on 自動詞句 (人・援助など)を頼みとする

 

(今回ピックアップ英単語)

おやすみ

 

6)ビジネスのヒント

高級スポーツカーで有名なランボルギーニが、SUV市場に進出するという記事。ランボルギーニは、98年に買収されて以来、フォルクスワーゲン社のアウディ部門傘下です。この買収が、SUV進出に大きく関係することになることは、当時誰が考えたでしょうか?

 

最初に、世界の高級車市場を見ると、大きく拡大しています。この背景には、中国やその他新興国の経済発展があり、世界の富裕層の増加が、高級車市場拡大に大きく寄与しています。ならば、スポーツカーがウリのランボルギーニがわざわざSUVに進出しなくても、と思いますが、SUV市場の拡大も目を見張るものがあります。

 

【世界のSUV市場の拡大】

2014年世界販売台数 1230万台→2010年比の約2倍

 

世界の自動車市場では、セダン・ハッチバックからSUVという大きなシフトが起こっており、この流れは高級車部門にも及んでいるのです。だから、ランボルギーニは、この成長するSUV市場に参入するのです。

 

しかし、高級車メーカーにとって、SUV市場はあまりオイシくない市場でもあります。それは、高級セダン・スポーツカーに比べて利益率が低いから。その要因は、

 

  1. 生産コストが高い
  2. 販売量が少ない
  3. 価格を高めに設定しにくい

※比較対象は高級セダン・スポーツカー

 

だから。要は、市場は拡大しているものの、儲からない車種なのです。ポルシェのような、比較的大衆的な高級車ブランドならば、販売数量の拡大によりコスト低減を図れます。しかし、ランボルギーニほどの超高級車ブランドは、その希少性がウリなだけに、数量を増やすという選択はできません。収益性を重視して、ブランド価値が毀損しては、元も子もないから。

 

そこで、編み出したのが、フォルクスワーゲン・グループの一員というメリットを活用するということです。具体的には、

 

フォルクスワーゲン・グループが生産する他の高級SUVの車両プラットフォームを共用する

 

ということです。これは、フォルクスワーゲンなど大衆向け自動車メーカーが採用するオーソドックスな手法。これを、超高級車ブランドのランボルギーニも採用するのです。

 

しかし、これでは本質的にはランボルギーニではない車両を、ランボルギーニが販売してしまい、熱烈なファンが離反する危険性が生じます。そこで、独自性を保つために、組み立てはボローニャ近郊のランボルギーニ本社で行うことにします。これで、メイド・イン・イタリーは維持できるのです。

 

ただし、それでも比較的人件費の高いイタリアでの組み立ては、収益を圧迫することになりかねません。そこで、

 

イタリア労組から好条件の労働条件を獲得

イタリア政府から補助金を獲得

 

することにより、生産コストの削減に努めています。

 

ランボルギーニまでSUV市場に参入するとは驚きですが、それだけ消費者の自動車に対するニーズが変化している証左でもあります。セダン・スポーツカーではなくSUVを選ぶのは、なぜなのか?その理由からは、隠れた消費者ニーズが見えてきそうです。また、車両プラットフォームを共用するという自動車産業のコスト低減策は、他の産業でも活用できそうですね。低コスト化は、どの産業でも大きな課題ですから。

 

 

Lamborghini

Urusの画像

 

 

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《今回のヒントのまとめ》

  1. フォルクスワーゲン社傘下のランボルギーニは、SUV市場に参入する。その理由は、セダン・ハッチバックからSUVへのシフトが世界で起こっており、SUV市場が大きく成長しているからである。
  2. ただし、高級車ブランドにとって、SUVは利益率が低く、オイシイ市場ではない。生産コストが高い割に、販売数量が低く、一方で価格を高めに設定できないからである。
  3. 販売数量の拡大によってコスト低減を計ることが主流だが、希少性がウリのランボルギーニにその選択肢はない。そこで、フォルクスワーゲン・グループの一員であるメリットを活用する。
  4. つまり、フォルクスワーゲン・グループの他高級SUVの車両プラットフォームを使用することで、希少性と収益性を両立させる。
  5. ただし、独自性を維持して、熱烈なファンの離反を防ぐために、組立はイタリアの本社で行う。その場合でも、労組からは好い労働条件、政府からは補助金を獲得して、コスト低減に努める。

 

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけたいいもの

コカ・コーラの新製品、コカコーラライフを初めて飲みました。

のどが渇いていたこともあり、美味しかったのですが、正直レギュラーコークとの差はわからず。

さほど売れていないのか、コンビニで棚落ちしている店舗もちらほら。

個人的には、より炭酸の強いダイエット・コークの方が好きかな。

そう言えば、ダイエット・コークはもう存在せず、今ではコカコーラゼロですね。

常に糖質を気にしている私ですが、たまのコークはいいものです。

 

 

 

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

昼間に外を歩いていると、頭がぼんやりする時があります。

水分補給は必須ですね。

普段は水筒を持参しているのですが、すぐに無くなってしまいます。

清涼飲料水の販売数量は、相当伸びていることでしょう。

学生の頃は、少々のどが渇いても我慢していましたが、今はつい買ってしまいます。

熱中症対策としては仕方ないのですが、我慢弱くなったのも気がかり。

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

 

 

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