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【938号】アマゾンが航空貨物の自社配送を目指す理由とは?

Shipments from Amazon

 

◎本日のニュース

1)見出し

Amazon Seeks Cargo Planes for Air Freight Operation

 

 

 

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2)要約

ネット通販最大手のアマゾン・ドット・コム社は、航空機のリースと自社運営について、航空貨物企業と話し合いを行っている。目的は、既存の物流企業への依存を減らることで、コストダウンと運送キャリア起因の遅延の回避を目指している。

 

所謂ラストワンマイルの宅配輸送に関しては、既に自社での運行も開始している。空港貨物に関しては、通常中古の旅客機を衣替えして利用する関係上、本格スタートまで数ヶ月掛かるとされている。

 

3)キーとなる英文

Amazon.com Inc. has held discussions with air-cargo companies to lease airplanes and establish its own freight operation, with the goal of reducing its reliance on traditional carriers, according to people familiar with the matter.

 

4)キーとなる英文の和訳

アマゾン・ドット・コム社は、航空貨物企業と、航空機のリースと独自の貨物輸送オペレーションの確立について、話し合いを行っている。

関係者によると、その目的は既存の運送業者への依存を減らすことである。

 

5)気になる単語・表現

 

air-cargo 名詞 航空貨物
freight 名詞 貨物輸送
reliance 名詞 信頼、信用
ship 自動詞 (列車・トラック・航空機などにより)輸送する
courier 名詞 宅配便の業者、クーリエ;得し、急使
phase 他動詞 (計画など)を段階的に計画する

(今回ピックアップ英単語)

【reliance】

(意味)

「(~への)依存;~に対する信頼、信用(on,upon)」「頼りになる物・人」

(英英)

the state of needing somebody/something in order to survive, be successful, etc; the fact of being able to rely on somebody/something

(専門用語)

依存(ビジネス・英語)、確実性(生命)、信用(ビジネス・経済)、信頼(ビジネス・経済)、信頼性(生命)

(動詞)

rely

「頼る、依存する(on,upon)」

(その他)

rely onとセットで覚える。

 

6)ビジネスのヒント

今回もIT面の記事で、アマゾンに関するもの。アマゾンは投資家注目の企業とあって、WSJで取り上げられることが多いという印象です。赤字を厭わぬ投資意欲は、投資家にとって気になる企業ということでしょうか。

 

そのアマゾンが、自社による航空貨物への実施を目指しているとのこと。その目的は以下の通り。

 

【アマゾンが自社で航空貨物を実施する目的】

  1. コストダウン
  2. 輸送業者起因の遅延回避

 

一言で言えば、現在契約している既存輸送業者への依存を減らすことになるでしょう。これにより、1・2の実現を目指しているのです。1・2の考察については、記事には詳しく書かれてないですが、1・2を目指す理由は、容易に理解できます。

 

1について、送料無料がネット通販で普通になる一方で、物流コストが上昇しているのでしょう。このためには、自社で輸送までコントロールすることによりコストダウンを目指す必要があります。その対象は、航空貨物だけではありません。長距離のトラック輸送もラストワンマイルの宅配も含まれます。トラック輸送も一部自社運営を行っているので、今回の記事は、自社運営の範囲を航空貨物にまで拡大したということになります。

 

2について、遅延が起きやすいには、書き入れ時の年末商戦。実際に、2013年にUPSとフェデックスでクリスマス当日にプレゼントが届かない事態が起こり、大変大きな問題に発展しました。一方で、ユーザーは、輸送トラブルを被ったネット通販サービスの利用を差し控える傾向があります。アマゾンは、遅延による顧客離れを一番恐れているのでしょう。しかも、アマゾンは有料の翌日配送サービスであるアマゾンプライムを提供している以上、遅延はあってはならないこと。自社のコントロール外で起こった遅延でも、ユーザーにとっては関係なし。だから、コントロール内に置こうと、航空貨物の自社運営を始めるのです。

 

輸送機能を持つということは、初期投資のみならず運営コストも大きく、販売だけのネット通販の収益モデルを崩しかねません。それにもかかわらず、アマゾンが輸送機能まで自社に取り込もうとしているのは、自社のビジネスモデルにとって輸送機能の重要性が増したということではないでしょうか。そう考える理由は、以下のとおり。

 

【アマゾンが投資・運営に大きなコストを掛けてまで輸送機能を取り込む理由】

  1. 将来的に輸送機能がネット通販の成長の足かせにある恐れがあるから
  2. クラウドサービス同様、輸送機能を拡充できれば、新規事業に成長する可能性があるから

 

1について、ネット通販と物流に関して、日経グループの記事で読んだことがあるのですが、ネット通販がここまで普及すると、今後物流が逼迫し、期待される物量をこなせなくなる恐れがあるようです。人手不足が著しい日本でのことですが、送料無料にユーザーが慣れる一方で、物流コストが上昇するアメリカでも同じことが言えるでしょう。これ以上に、ネット通販の物流が増えれば、指定日の配送が制限される恐れがあります。そうなれば、ネット通販の成長性の低下は避けられません。ネット通販市場の拡大で成長してきたアマゾンにとって、この事態はビジネスモデルの根底を覆すことになりかねません。だから、自社で輸送機能を取り込むことで、物流能力を確保しようとしているわけです。

 

2について、今後アマゾン独自の物流機能が拡充すれば、UPSやフェデックスよりもネット通販に特化した配送サービスを提供できるかもしれません。ネット通販の拡大により確立したクラウドサービスを他社に提供したように、アマゾン独自の物流サービスの外販も可能になります。新規事業に育つかもしれません。

 

ネット通販は今後も拡大が予想されていますが、物流がそのボトルネックになるかもしれません。アマゾンをそれを見越して、航空貨物まで自社運営を目指しているのではないでしょうか。

 

 

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《今回のヒントのまとめ》

  1. アマゾンは、航空機のリースと航空貨物の自社運営を目指している。その目的は、輸送コストの削減と配送遅延の回避である。送料無料の拡大で輸送コストが嵩む一方で、配送遅延は顧客離れを起こしかねない。
  2. これは、アマゾンの物流機能取り込みの一部であり、トラックによる長距離輸送やラストワンマイル輸送も一部自社で行っている。
  3. 輸送業務の自社運営は、初期投資のみならず運営コストも大きく嵩む。ネット通販という販売に特化した収益モデルを崩しかねない。それにでも輸送業務を自社に取り込むには、危機感があるからだろう。
  4. それは、物流の制約がネット通販拡大の足かせになりかねないという懸念である。ネット通販の拡大を基盤に成長してきたアマゾンにとっては、どうしても避けなくてはならない事態である。
  5. アマゾンのネット通販専用の物流機能が拡充されれば、将来的にクラウドサービスのように外販されるかもしれない。そうなれば、新規事業となり、新たな収益源を確保できる。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけたいいもの

コストコで買ったゆずポン酢が、最高によかった。

これまでは、ミツカンの業務用ゆずポン酢を使っていたのですが、今回は少し割高の寺岡の牡蠣だし入りゆずポン酢を購入。

割高とは言っても、さすがコストコだけあって、家庭用のゆずポン酢よりは割安ですよ。

瓶入りで高級感のあるデザインは、開封すると、ゆずの強烈な香りに襲われます。

どんだけゆず入れるねんと、思うほどで、その香りを嗅ぐだけで、幸せな気分になるほど。

水炊きの後の雑炊に少し垂らすと、別の料理になったかと思うほどの美味しさでした。

家庭用もあるようなので、ゆず好きの人は是非。

寺岡家の牡蠣だし柚子ぽんず

楽天市場でも売っていますよ。

 

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

年賀状はもう出しましたか?

私はこれから。

今年は手書きを少し多めにしようと目論んでいます。

でも時間がない・・・

 

高尾亮太朗のツイッター⇒ twitter.com/ryotarotakao

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

 

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