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【939号】買い物嫌いの男性が実店舗の常連になる理由とは?

 Kent Wang trunk show

◎本日のニュース

1)見出し

Why Men Are Going to Brick-and-Mortar Stores in the Digital Age

 

 

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2)要約

買い物に出歩くのを時間の無駄と考える男性が、好んで実店舗に何度も足を運ぶ。そのきっかけとなったのが、トランク・ショーやポップアップと呼ばれるイベントである。そのイベントでは、作り手と交流することが出来、気に入ればその場で購入することができる。さらに、店員と仲良くなれば、ファッションの相談相手として常連になる。

 

作り手としては、比較的高価な商品の重要な特徴を直接訴えることができる。さらに、購入者がSNSでその商品の情報を拡散してくれれば、ネット通販でも売り上げることができる。

 

これは、高尚なオーダーメイドスーツや紳士用服飾店だけの話ではない。カジュアル衣料・既製品でも、同様のイベントが集客・顧客獲得に貢献している。

 

3)キーとなる英文

This social and highly personal form of retail, often called a trunk show or a pop-up, might seem anachronistic in an industry that has seen the proliferation of online-only, direct-to-consumer brands.

4)キーとなる英文の和訳

このソーシャルで高度にパーソナルな小売形態は、よくトランク・ショーやポップアップと呼ばれる。

ネット通販限定の直販ブランドが増加している業界では、一見時代錯誤のようだ。

 

5)気になる単語・表現

solace 名詞 慰め、安堵
thigh 名詞 もも
revelation 名詞 意外な新事実
feature 他動詞 ~を呼び物にする、~を特集する
proliferate 自動詞 激増する
anachronistic 形容詞 時代錯誤の、時代遅れの
rarefied 形容詞 高尚な;お高くとまっている
haberdashery 名詞 紳士用服飾店
complement 他動詞 ~を完全にする、~を補足する
vein 名詞 傾向;静脈
finer 形容詞 高潔な
tip 他動詞 ~の先を切り取る;~の先に付ける
edification 名詞 教化;啓発
ensemble 名詞 アンサンブル;全体

 

(今回ピックアップ英単語)

おやすみ

 

6)ビジネスのヒント

記事の最初に登場するのは、買い物嫌いの投資銀行に勤める男性。買い物で歩き回ることを時間の浪費と考えているので、買い物はもっぱらネット通販。しかし、ネット通販にはなにやら寂しさを感じるようです。さらに、太ももが太い一方でウェストが細いので、体型に合う服を探すのは大変とのこと。

 

その彼(ケビン)が、メンズブティック(テイボー)のオープニングイベントに参加。そのイベントとは、食べ物・アルコールだけではなく、生演奏(ライブ)まである一種のパーティー。メインは、デザイナーと職人で、その場で財布を製造したり、カスタムベルトの注文を取ったりしていたようです。もちろん、顧客は、商品について作り手とコミュニケーションを取ることができます。そのイベントで、ケビンは財布とモノグラム柄のカバン用タグを購入。その後、そのブティックで行われた同様のイベントに三回も参加し、自分の体型に合う服選びを店員に相談するようになりました。つまり、買い物嫌いのケビンが、テイボーの常連客になったのです。

 

この手の、ソーシャルで非常にパーソナルなイベントを伴う小売業態が、増加しているようです。業界では、「トランク・ショー」とか「ポップアップ」とか呼ばれているようです。ネット通販全盛の時代に、トランク・ショーが人気なのには、もちろん理由があります。

 

【男性にトランク・ショーが人気な理由】

  1. 商品の作り手から裏話を聞けるだけではなく、深いコミュニケーションを取ることが出来、納得して買い物ができるから
  2. ネット通販よりも人間味があり、楽しいから

 

1について、トランク・ショーはまさにイベント。トラクショーを開催することで、モノの購入だけではなく、コトを体験することもできるのです。例えば、先ほどのケビンの例では、財布の製造をその場でリアルタイムで見ながら、作り手と会話することができます。だから、単価が高くても納得して購入できるのです。さらに、より個人的なコミュニケーションを取れれば、ファッションの相談員として信頼できます。

 

2について、ネット通販は時短ショッピングができる一方で、自分一人での買い物であり孤独感が強く、商品にあまりリアリティを感じることができません。逆に、トランク・ショーを伴った買い物は、人間味満載で楽しいのです。まさに、コト消費そのものと言えます。

 

トランク・ショーは、販売者にもメリットがあります。

 

【販売者が享受できるトランク・ショーのメリット】

  1. 商品の重要な特徴を直接見込み客に訴えることができ、価格競争を回避できるから
  2. 顧客がSNSで他のファッションアイテムと合わせた画像を拡散してくれるので、ネット通販の売上増が見込めるから

 

1について、そもそも高価な商品ゆえに、単に陳列しているだけではなかなか売れません。トランク・ショーを実施することで、その商品の際立った特徴を直接訴えることできるので、価値を認めてもらって販売することができます。特に、製品の裏話(バックストーリー)を伝えることは、重要なようです。

 

2について、納得して買った顧客は、その商品の良さをSNSで拡散してくれます。既に持っているファッションアイテムと合わせた画像を投稿してくれれば、さらにその商品の良さがわかりやすくなり、SNSから通販サイトに誘客でき、ネット通販での購入が期待できます。

 

面白いのは、トランク・ショーでの販売よりも、SNSを通じたネット販売の方が、よく売れるという点。ビスポークネクタイでの事例ですが、その良さがわかるのは比較的少数のようです。しかし、それがSNSに乗れば、ネット通販でトランク・ショーよりも売れるとのこと。要は、トランク・ショーは、ネット通販での売上につながる集客イベント(集客商品)でもあるのです。

 

また、トランク・ショーを通じて、高価な商品でも購入してくれる優良顧客を獲得できる点も見逃せません。人数は少数かもしれませんが、ケビンの事例のように、常連になってくれ、さらに同様の価値観を持った友人を誘ってもらえれば、その生涯価値は大きくなることが期待できます。優良顧客を獲得できるかどうかは、小売業にとって収益を左右する重要事項と言えるでしょう。

 

どこで誰がどのように作ったか、というストーリーが重要なのは、男性だけではなく女性にも言えることかもしれません。また、そのような価値を重視する消費者は、将来優良顧客に成長する見込みがあります。だから、日本でも、作り手を交えたイベントを伴った小売業態が、今後増えるよう思えます。

 

[記事で紹介されていたトランク・ショー実施企業・ブランド]

Tabor

ByGeorge

Carson Street Clothiers

Leffot

Drake’s

 

 

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《今回のヒントのまとめ》

  1. 買い物嫌いの男性が実店舗の常連になるのは、トランク・ショーという作り手と交流できるイベントがあるから。そのイベントに参加すれば、作り手から商品の裏話を聞け、納得して購入することができる。
  2. 一方で、ネット通販は時短できるが、孤独感が強くあまりリアリティがない。だから、より人間味のあるトランク・ショーを好む
  3. 売り手にとっては、商品の重要な特徴を直接訴えることができ、価格競争を回避できるメリットがある。
  4. また、トランク・ショーでの売上はさほど大きくないが、顧客のSNS投稿でネット通販の売上が見込める。
  5. さらに、トランク・ショーで納得して購入した顧客は、高単価でも買ってくれる優良顧客であり、常連になったり友人を誘ってくれたりすれば、生涯価値は大きくなる。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけたいいもの

コストコで買ったゆずポン酢が、最高によかった。

これまでは、ミツカンの業務用ゆずポン酢を使っていたのですが、今回は少し割高の寺岡の牡蠣だし入りゆずポン酢を購入。

割高とは言っても、さすがコストコだけあって、家庭用のゆずポン酢よりは割安ですよ。

瓶入りで高級感のあるデザインは、開封すると、ゆずの強烈な香りに襲われます。

どんだけゆず入れるねんと、思うほどで、その香りを嗅ぐだけで、幸せな気分になるほど。

水炊きの後の雑炊に少し垂らすと、別の料理になったかと思うほどの美味しさでした。

家庭用もあるようなので、ゆず好きの人は是非。

寺岡家の牡蠣だし柚子ぽんず

楽天市場でも売っていますよ。

 

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

トランク・ショーを実施した店舗で紹介したラフェット、実は従兄弟の旦那さんのお店でした。

両親から創業したことを聞いていたのですが、まさかWSJで取り上げられるとは。

ニューヨークに行った時は、是非一度行ってみたいですね。

少し高そうなので、もっと稼がなくては。

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

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