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【943号】スマートホーム製品が意外に売れない理由と本当の消費者ニーズとは?

smart home

 

◎本日のニュース

1)見出し

Smart-Home Gadgets Still a Hard Sell

 

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2)要約

家庭用日常品をネットでつなぐスマートホーム製品の売れ行きが芳しくない。消費者の需要を尻目に開発競争だけが激しくなり、予想したよりも売りづらい商材と化している。

 

その大きな要因は、大部分の消費者にとって買う明確な理由がないからである。さらに、購入予定の消費者の中でも、セキュリティーやプライバシーの懸念が起こっている。

 

この懸念に対して、多くのメーカーがセキュリティー防御機能の導入を進めている。しかし、標準化・汎用性の低い機能のため、各製品毎にアプリを操作しなければならないなど、利便性は低い。

 

3)キーとなる英文

But the cascade of gadgets for the so-called smart home, which is due to accelerate at this week’s Consumer Electronics show, seems to be running well ahead of consumer desires.

 

4)キーとなる英文の和訳

所謂スマートホームの機器の数は、今週開催されるコンシューマー・エレクトロニクス・ショーで加速的に増加するとされている。

しかし、消費者の要望よりも先走っているように見える。

 

5)気になる単語・表現

cascade 名詞 小滝;直列
accelerate 自動詞 加速する
ahead of 前置詞 ~の前に;~より先に;~より進んで;~の先に(通例困難なことが控えている文脈で)
offbeat 形容詞 風変わりな

 

(今回ピックアップ英単語)

おやすみ

 

6)ビジネスのヒント

コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)で盛り上がるスマートホーム製品ですが、事業としては今のところ期待はずれのようです。つまり、期待したほど売れていないのが現実です。

 

スマートホーム製品とは、温度計や火災報知機などの家庭用日常品をネットでつなげたもの。利便性が高いだけではなく、従来不可能であった機能を搭載できるので、IT業界・家電業界の注目の的となっています。今流行のIoT(インターネットシングス)の一番身近な事例と言えるでしょう。

 

スマートホーム製品は、その定義・機能は面白いものの、実際にはさほど売れていません。その要因をまとめると、次のようになります。

 

【スマートホーム製品が期待されたほど売れていない要因】

  1. そもそも買う理由がないから
  2. セキュリティ・プライバシーの不安があるから

 

1について、利便性が高まったとは言え、お金を出してまで欲しいとは思わない。これが、大部分の消費者の本音なのです。実際、買っているのは、最新テクノロジーや新製品を誰よりも早く試したいアーリーアダプターなのです。アーリーアダプターは消費者のごく一部にすぎないために、商業ベースでスマートホーム製品は成功していないのです。

 

2について、興味のある人・購入予定の人にとっても、セキュリティ・プライバシーの不安があるのです。今後1年以内にスマートホーム製品を購入予定の人の中でも、

 

  • 大多数→使用に不安を感じる、または、購入を延期している
  • 18%→セキュリティに保証がないので、過去に使用を止めた経験がある
  • 9%→実際に今年購入を予定

 

買う明確な理由のある人でも、セキュリティ・プライバシーに不安を感じ、購入に二の足を踏んでいる状態なのです。

 

その結果、商業ベースに乗らないので、IoT自体に興味を示さないバイヤーまでいるようです。さらに、倒産するベンチャーや、大手への事業売却に踏み切ったベンチャーまで出てきています。

 

セキュリティ・プライバシーの懸念は、具体的には以下の通り。

 

【スマートホーム製品に持たれるセキュリティ・プライバシーの不安】

  1. セキュリティの不安→ハッカーに乗っ取られる懸念
  2. プライバシーの不安→企業がユーザーの行動を把握、販促に利用する懸念

 

何でもネットに繋がると便利なのはわかりますが、一方でハッキングされる恐れやプライバシー悪用の懸念が生じます。恐らく、日本人でも同じでしょう。その結果、スマートホーム製品市場では、その大半が家庭用ではなく業務用で占められているようです。

 

これらの懸念に対して、メーカーはセキュリティ対策を講じています。具体的には、専用アプリを開発することで、ハッキングに合いにくい環境を提供しています。しかし、ここでも問題が生じます。それは、

 

各社各様セキュリティ対策アプリを開発するので、複数のアプリで別々に管理する必要があるから

 

です。簡単に言えば、セキュリティ対策が面倒なため、皮肉にも決して「スマート」とは言えないのです。スマホにOSを供給しているアップルやグーグルは、メーカーにセキュリティ管理アプリの統合・共通化を要請していますが、まだ実現していません。

 

これらをまとめると、消費者がスマートホーム製品に求める本当のニーズを理解できます。

 

【消費者がスマートホーム製品に求める本当のニーズ】

  1. セキュリティ・プライバシー懸念の担保
  2. セキュリティ管理の一元化・利便性向上

 

記事には言及がなかったですが、明確な買いたい理由を生み出すためにも、次のような要素・特徴が必要とされるのではないでしょうか。

 

【スマートホーム製品に必要とされる要素・特徴=本当のニーズ】

  1. 節約・快適性などもっと得する要素
  2. もっとスマートに使えるという利便性
  3. セキュリティ・プライバシーの担保

 

上記3つの要素は、前述の本当のニーズを含有するので、これこそが消費者の本当のニーズと言えるのではないでしょうか。セキュリティ・プライバシーの危険性を受け入れてまで、今は使いたくない。これこそ、現状の売れない理屈でしょう。

 

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《今回のヒントのまとめ》

  1. 期待したほどスマートホーム製品が売れないのは、消費者に明確な買う理由がないためであり、またセキュリティ・プライバシー問題があるからである。
  2. セキュリティ問題とはハッカーによる乗っ取られるという懸念であり、プライバシー問題とは、ユーザー行動を収集したメーカーによる悪用懸念である。
  3. セキュリティ問題に対して、メーカーはセキュリティ対策アプリを開発しているが、今度は複数のアプリを操作しなければならないという利便性の問題が生じる。これでは、「スマート」とは言えない。
  4. スマートホーム製品に対する本当の消費者ニーズとは、使うことによってもっと得すること、もっとスマートに使えるという利便性の向上、セキュリティ・プライバシーの担保ではないか。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけたいいもの

スーパーの試食販売で思わず買ったものがこちら。

通常、試食はするものの滅多に買わないのですが、おいしくて便利、しかも特売価格だったので、気が付けばカゴの中に入れていました。

よりどり2個で割引になるのですが、あまりにも美味しかったので同じものを2個買ったほどです。

実際自宅で調理してみたところ、鶏肉を入れるだけなので、簡単。

きのことベーコンを追加しましたが、さらに美味しくなりました。

まるでカフェで食べているみたいでした。

スープというよりも、パスタを添えて食べたら美味しいですよ。

明治デイリーリッチ 粒マスタード仕立てチキンと野菜のクリーム煮

楽天市場には売っていませんが、「鶏肉 クリーム」で検索するとこんなのが出てきました。

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

今年は本厄です。

昨年門戸厄神(西宮)で厄払いをしてもらったのですが、体調を崩すことの多い一年でした。(入院しなかっただけ良かったとも言えますが)

今年は、少し高めの厄払いにしようかと考えています。

気持ちの問題ですよね。

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

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今回は私が恩返しします!

 

 

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