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【953号】シリアルの売上不振に落ち込んだケロッグ社、業績回復見込みになった要因とは?

Kellogg's Eggo Thick & Fluffy Original

 

 

◎本日のニュース

1)見出し

Kellogg Says Cereal Sales Will Rise in 2016

 

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2)要約

シリアル大手のケロッグ社の全米シリアル売上が、2016年に上昇見込みであることがわかった。直近の四半期決算では、最終損失ながら損失額は縮小。減損・リストラ費用を除くと利益に転じ、アナリスト予想を上回った。

 

これまでは、高タンパク・持ち運びやすさ・ヘルシーさを好む消費者ニーズに、牛乳を掛けて食べる甘いシリアルが合っておらず、売上は減少傾向であった。しかし、シリアルバーやヘルシー原料を使った新製品を投入することで、売上が増加に転じた。

 

3)キーとなる英文

Kellogg Co. said its U.S. cereal sales will rise this year and that a cost-cutting initiative helped it post a narrower fourth-quarter loss—signs of early progress in the breakfast company’s rebuilding effort.

 

4)キーとなる英文の和訳

ケロッグ社の発表によると、全米シリアル売上が今年上昇に転じ、コスト削減計画により第4四半期の最終損失が縮小した、という。

これは、朝食関連商品を扱う企業が取り組む再建への努力が、すでに前進していることを示す。

 

5)気になる単語・表現

initiative 名詞 構想、計画、新しい試み;自発性
buck 他動詞 ~を振り落とす;~に反対する、~に反抗する
notch 他動詞 (得点)を上げる
sprout 他動詞 ~を発芽させる
portable 形容詞 持ち運びできる
shun 他動詞 ~を避ける
chewy 形容詞 よく噛む必要のある、噛みごたえのある
mark-to-market 名詞 値洗い、時価

 

(今回ピックアップ英単語)

【buckとback】

(意味)

[buck]

  1. (馬が)はねて(乗り手)を振り落とす。
  2. (物・事)に反対する、反抗する
  3. (人)により幸せをかんじさせる

[back]

  1. (人・計画など)を(経済的に・精神的に)支援する、支持する
  2. (乗り物など)を後退させる、バックさせる
  3. (競走馬・スポーツチームなど)に賭ける
  4. (本・記事など)を裏打ちする、強化する

(コメント)

いずれも他動詞での比較。

類音語であるが、全く発音が同じわけではありません。

全体的に、buckがネガテイブ、backはポジティブであり、意味は全く異なるので要注意。

ちなみに、今回の記事では、

 

bucking sharp declines in global stock markets

「世界的な急激な株安の中反発した」

 

という株価の表現で利用。

 

6)ビジネスのヒント

以前にもケロッグ社の記事を取り上げました。

 

【914号】新興国市場でもがく米シリアルメーカーから学べることとは?

【892号】大手加工食品メーカーは、新興フレッシュ・ヘルシーブランドにどう立ち向かえばいいのか?

【789号】アメリカの朝食戦争最新事情

 

 

消費者ニーズの変化や外食などの参入により、ケロッグのシリアル売上がこれまで低迷してきました。それが、直近四半期決算では、全米シリアル売上が上昇に転じ、復活が見えてきたようです。今年は通年での全米シリアル売上の増加が見込まれています。

 

ケロッグ社の全米シリアル売上が復活した理由をまとめると、次のようになります。

 

【ケロッグの全米シリアル売上が復活した理由】

  1. 消費者ニーズに合った商品を投入したから
  2. ゼロベース予算の採用で、生産性が向上したから

 

1について、この消費者ニーズとは、「高タンパク」「低炭水化物」「ヘルシー食材」「持ち運びしやすい」という性質を持つ食品を好むということ。脂肪分の高い牛乳に掛けて食べる炭水化物たっぷりのシリアルは、消費者ニーズと乖離しているために、売上が低迷してきました。しかし、ケロッグは、売上の低迷するスペシャルKブランドで、噛みごたえのあるナッツ入りシリアルバー(高タンパク・持ち運びしやすい)やキノア入りシリアル(ヘルシー食材)を投入。これが売上回復に寄与しているようです。

 

ちなみに、「ヘルシー食材」とは、消費者がヘルシーと考える食材であって、実際にどれだけ健康にいいかは問題ではないそうです。感覚・イメージで商品が選ばれていることになります。

 

2について、これは売上増というよりも、コスト削減により生産性が向上し、より売上増に寄与する活動に経営資源が投入できるようになったということです。予算作成において、前年実績にプラスマイナスする従来の方法ではなく、不要なコストは削減し、収益に寄与する支出のみ行うというゼロベースでの予算作成方法に転換しました。これにより、販売管理費が22%も減少。この結果、収益回復に寄与し、最終損益の好転につながったのです。

 

このゼロベース予算は、アメリカの食品メーカーで採用する事例が増えているようです。例えば、昨年合併したクラフト・ハインツやコングラフーズなど。食品メーカーでゼロベース予算の採用が増えるのは、成熟市場のため、収益回復にコスト削減は不可欠だから。また、ゼロベース予算の採用で収益向上に成功した企業が増えると、株主からのゼロベース予算採用圧力が強まるわけです。ケロッグ社はこのパターンで、今のところ食品メーカーでの最新事例のようです。つまり、市場での評価は、「採用が一番遅い」ということになるのかもしれません。

 

この2つの要因により、シリアル売上が回復基調になったケロッグ社。直近四半期決算の内容をまとめると、次のようになります。

 

【ケロッグ社の直近四半期決算】

  1. 売上11%減少→為替変動を除けば2%増
  2. 最終損失4400万ドル(EPS-12セント)→減損費用・リストラ費用を除けば、EPSは79セント(アナリスト予想74セントを上回る)、前年2億9300万ドルの最終損失

※EPSとは、一株あたりの損益

 

1について、全売上のうち最大の全米朝食部門は、シリアル売上により1.5%増。ただし、北米売上は8%減少で、その要因はスナック売上が振るわなかったからです。全米朝食部門は、直近四半期ではプラスですが通年ではマイナスなので、ついにシリアルの売上が回復したことを示しています。ちなみに、インターナショナル部門では、欧州・アジア太平洋ともプラスに推移しています。

 

2について、今四半期も最終損失だったのは、構造改革費用の負担があったから。それを除けば、アナリスト予想を上回る結果だっただけに、業績は上昇傾向にあると言えます。

 

ケロッグ社の業績からわかるのは、何かと嫌われる加工食品と言えども、消費者ニーズに合致すれば、売上増は見込めるということ。ただし、市場自体に大きな成長が見込めないだけに、収益向上のためには、ゼロベース予算などによるコスト削減は不可欠ということ。人口減少の続く日本では、アメリカ以上にマーケティング・コスト削減が必要とされるのは、間違いありません。

 

[食品企業のゼロベース予算採用関連記事]

クラフトハインツ

www.wsj.com/articles/from-heinz-to-kraft-zero-based-budgeting-sweeps-across-america-1427308494

コングラフーズ

ww2.cfo.com/budgeting/2015/10/conagra-embraces-zero-based-budgeting/

[ケロッグ第4四半期決算報告書]

investor.kelloggs.com/news-and-events/press-releases/2016/02-11-2016-130803873

[ケロッグの消費者ニーズに合致した新商品]

スペシャルKのバー商品

www.specialk.com/en_US/products/bars.html

スペシャルKのシリアル商品

www.specialk.com/en_US/products/cereals.html

 

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《今回のヒントのまとめ》

  1. ケロッグ社の全米シリアル売上が回復基調になったのは、消費者ニーズに合致した商品を投入したからである。また、ゼロベース予算の採用により、生産性が向上したことも要因である。
  2. これまでは、「高タンパク」「低炭水化物」「ヘルシー食材」「持ち運びやすさ」を好む消費者ニーズに乖離していたため、売上が低迷していた。
  3. 消費者にそっぽを向かれがちな加工食品でも、消費者ニーズに合致した商品を投入できれば、売上を伸ばすことができる。
  4. 加工食品という成熟市場で収益を向上させるには、ゼロベース予算の採用などコスト削減が不可欠である。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけたいいもの

久しぶりに、サッポロビールの麦とホップ(新ジャンル)を飲みました。

リニューアルした様で、「史上最大の麦芽量」をウリにしています。

問題は味ですが、まぁまぁでしょうか。

最近ビールを飲む機会が多いので、やはりビールとはコク・苦味が違います。

しかし、新ジャンルの中では、随分頑張っている方だと思います。

ただ、最近新ジャンルでも種類が増えてきましたねぇ。

近々、いろいろ試したいと思います。

サッポロビール 麦とホップ

もちろん、楽天市場でも販売しています。

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

20代にCALPOLYポモナに留学していたのですが、そのホテルレストラン学部では、ケロッグ社が寄付したレストランがありました。

今思えば、ケロッグ社の業務用商品の納入先だったのかもしれませんね。

それにしても、留学が終わった以来キャンパスに足を踏み入れていないので、また訪問してみたいです。

随分変わっているんだろうなぁ。(そういう私も随分変わりましたし…)

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

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