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【1009号】アメリカのクラフトビールが英国輸出に力を入れる理由とは?

craft beer brewery

 

 

 

◎本日のニュース

1)見出し

American Craft Beers Hop Across the Atlantic to Meet Growing British Demand

 

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2)要約

アメリカでクラフトビールブームが盛り上がるにつれて、輸出も伸びている。特に英国は、長年アメリカビールにとって大きな市場だっただけに、英国輸出には力を入れている。

 

英国輸出が増えているのは、英国内でアメリカビールの特徴であるホップの強い匂いが見直されてきたからである。さらに、輸入ビールの価格が割高になりやすいので、輸入した米国産ホップを使ったビールの醸造も進んでいる。

 

ただし、ビール市場全体は、ヘルシー志向の高まりや規制強化、ワイン・スピリッツとの競争激化により、販売数量が減少している。また、アメリカのクラフトビールも、成長率が鈍化している。

 

3)キーとなる英文

The vegetarian dinner, designed to showcase the versatility of U.S. craft beer, was one of several events the Brewers Association has organized in the U.K. in recent years as it seeks to accelerate rising demand for American beer here.

 

4)キーとなる英文の和訳

ベジタリアンディナーは、アメリカ産クラフトビールの多様性を披露するために企画されたものであり、ビール協会が英国ないで近年主催したイベントの1つである。

狙いは、アメリカ産ビール需要の高まりを加速することである。

 

5)気になる単語・表現

showcase 他動詞 ~を展示する、~を披露する
versatility 名詞 多才;使途の広さ
appreciation 名詞 正しい理解;値上がり;(好意的な)批評
citrus 名詞 かんきつ類
note 名詞 調子;特徴
earthy 形容詞 土の;(特に性・身体についての言葉・ユーモアなどが)あけすけな、粗野な
palate 名詞 味覚;口蓋
claw 他動詞 ~をつめでつかむ;~をつめでひっかく
excise duty 名詞 国内消費税
proposition 名詞 主張;申し込み
subpar 形容詞 伝統的基準で測れない
equate A to B 他動詞句 AをBと等しくする

 

(今回ピックアップ英単語)

【appreciate】

(意味)

  1. ~を正しく理解する;~を鑑賞する= recognize the good qualities of somebody/something
  2. (正しい判断・分析などによって)~の価値を認める、~を正しく評価する= understand that something is true
  3. ~をありがたく思う;~することを感謝する(doing)= be grateful for something that somebody has done
  4. ~の価格(相場)を上げる= increase in value over a period of time(反対はdepreciate)

 

(コメント)

大変よく見かける単語だが、意味がなかなか覚えられないために今回ピックアップ。

 

6)ビジネスのヒント

アメリカ産クラフトビールの輸出が伸びているようです。まずは、データから。

 

【急増するアメリカ産クラフトビールの輸出】

(2011年)110,045→(2015年)446,151=約4倍に拡大

※単位は31ガロンバレル

 

輸出量が約4倍に拡大した背景には、アメリカ国内での中小クラフトビール醸造所の急増があります。そのため、アメリカ国内ではクラフトビールブームが到来。その勢いで、輸出を伸ばしているようです。

 

輸出先でも、特に英国が増加しています。

 

【クラフトビールの英国輸出が増加】

  1. (2011年)23,109→(2015年)42,384=約83%増
  2. 輸出全体のうち英国向けは5%

 

英国向け輸出が伸びた背景には、英国がアメリカ産ビールの巨大市場だったことが挙げられます。元々アメリカ産ビールが受け入れられやすかっただけに、中小クラフトビールメーカーは、国際展開の第一歩として英国を選んだのです。

 

しかし、このようなプラスの背景だけではありません。

 

【米クラフトビールメーカーが英国を目指すもう一つの理由】

  1. 世界的なビール市場の縮小のため新規開拓が必要だから
  2. アメリカでのクラフトビールブームの弱まりのため

 

1について、実はビール市場は世界的に縮小しているのです。その要因として、ヘルシー志向の高まり、アルコール規制の強化、ワイン・スピリッツとの競争激化があります。パイ全体が縮んでいるだけに、クラフトビールも新規市場の開拓が必要になったのです。

 

2について、アメリカのクラフトビール人気は有名ですが、そのブームにも終焉の兆しがあります。実際、今年前半(2016年1月~6月)の売上成長率が、前年16%増に対し8 %増に鈍化。そこで、クラフトビールメーカーの中で輸出への興味が高まっているのです。

 

輸出先の英国でも、アメリカ産クラフトビールを受け入れる素地が広がっています。アメリカ産クラフトビールの特徴である、ホップの強いビールへの人気が高まっているようです。ホップが強いとは、つまり匂いが強いということ。アメリカのクラフトビールに使われるアメリカ産ホップは、レモンやグレープフルーツ、トロピカルフルーツなどの柑橘系など、香りに特徴のあるものが増えています。これが英国人にウケているからこそ、輸出が増えているのです。

 

さらに、輸送費や国内消費税によりアメリカ産ビールが英国に輸出されると割高になることから、米国産ホップを輸入して英国内で醸造する事例も増えています。英国内で加工することにより、輸入品よりも割安に早く市場に投入できるようになります。

 

このようにアメリカ産クラフトビール人気は米国産ホップの輸入にまで広がりましたが、過去にも英国に米国産ホップが輸入されていたことがありました。ただし、その頃は価格の低さが要因。一方で今回の主要因は、フレーバーが魅力的だから。よって、更なる米国産ホップの輸入の拡大、アメリカ産クラフトビール人気の高まりが予想されています。

 

【注目点】

  1. 輸出拡大の先には現地生産がある
  2. 健康志向の高まり・高齢化は、量よりも質へのシフトを加速させる

 

1について、輸出は市場開拓にはうってつけなものの、結局は輸送費や関税など諸経費が掛かるため、現地価格は割高にならざるを得ません。だから、市場拡大を目指すならば、最終的には、現地生産に踏み切るしかないのではないでしょうか。アメリカ産クラフトビールも、米国産ホップの輸出により、英国でのさらなる市場拡大が可能になるように思えます。

 

2について、ビール全体では、健康志向の高まりなどにより市場は縮小しています。つまり、物量ベースで市場は縮小しているのです。一方でクラフトビールが伸びているのは、香りの強いホップを消費者が求めているから。つまり、質へのニーズが高まっているのです。量では縮小する一方で、質へのニーズが高まっている背景の1つには、高齢化もあるでしょう。健康志向・高齢化が今後より進むと考えれば、量から質へのシフトも加速すると予想できます。

 

日本でのクラフトビール人気について、最近あまり耳にしませんが、人口減少が進むだけに、今後は輸出に力を入れるのは必至でしょう。

 

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《今回のヒントのまとめ》

  1. アメリカ産クラフトビールの英国輸出が増えているのは、英国はアメリカ産ビールにとって主要市場であり、受け入れられやすいからである。
  2. 一方で、ビール市場の世界的縮小により、クラフトビールも市場拡大を迫られている。また、アメリカでのクラフトビール人気も鈍化していることも、新市場開拓のための輸出を目指す一因となっている。
  3. 英国でアメリカ産クラフトビールが人気なのは、香りの強いホップへのニーズが高まっているからである。そのため、米国産ホップを輸出して英国内で生産する事例も増えている。輸入品よりも割安に販売でき、市場に早く投入できるというメリットがある。
  4. 輸出は市場開拓にはうってつけなものの、販売価格が割高なのがネック。最終的には、現地生産による市場拡大が期待される。
  5. ビール全体が縮小する中で、クラフトビールに人気が出るのは、量から質へのシフトが起こっているからである。この背景のは、健康志向の高まり・高齢化が考えられる。

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編集後記

最近睡眠時間を削らざるを得ない状況なので、当分火曜日のメルマガは縮小版での発行になります。

1000号を超え、マンネリ化しているのも事実。

 

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

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