【1032号】実店舗型小売店にとって店舗面積以上に必要なものとは？

Double Mint Chip Ice Cream Sandwiches

Isabelle Boucher

※火曜日は簡易版に変更しました。

◎本日のニュース

1)見出し

What’s the Deal: Ice-Cream Sandwich Shop Takes Small Place in Dumbo, Brooklyn

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2)ビジネスのヒント

今日は、ニューヨークの商業用不動産情報欄から。正直、拍子抜けするぐらい大した情報は掲載されていないのですが、1つ気になったが、マンハッタンのアイスクリームサンド店・メルトベーカリーの、ブルックリンへの出店に関して。通常ならば、マンハッタン店をコピーまたは、似た店舗作りがされるのですが、ブルックリン店は店内製造をしないみたいです。

「アイスクリームサンドだから当然だろ」という声が聞こえそうですが、メルトベーカリーの特徴は、地元食材を使った季節のフレーバーのアイスクリームサンド。当然、アイスクリームとそれを挟むクッキーは自家製なのでしょう。それがウリなのですが、新しいブルックリン店では、製造を行いません。その理由は、店舗面積が狭く、製造機器だけではなく洗い用のシンクすら置けないから。

では、なぜ出店するのか。それは、人通りの多いフロント通り沿いに面し、店舗正面が14フィートもあるからです。これだけ間口が広いと、店舗の露出が大きくなるばかりか、商品の受渡しもスムーズに行えます。

メルトベーカリーは、自社の強みのために必要な店舗面積を犠牲にしてまで、人通り・受渡しを重視したということになります。それだけ、店舗型小売店は立地や購入しやすさが重要だということでしょう。

店内製造をしないブルックリン店では、マンハッタン店で製造したものを販売するようです。今後、手作りが特徴の小売企業でさえ、立地や露出・購入しやすさをより重視するために、製造と販売の場所を分離することが一般化するかもしれません。

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《今回のヒントのまとめ》

自家製がウリのアイスクリームサンド店が、製造をしない店舗を出店するのは、店舗面積の大きさよりも、人通りの多い立地・露出の大きさ・購入しやすさをより重視するためである。

今後、製造と販売を分離する手作り系小売企業の事例が増えるかもしれない。

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