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【1036号】ブラックフライデーセールの価格が下がるのは、10代消費者のせい?

Black Friday

 

 

※火曜日は簡易版に変更しました。

◎本日のニュース

1)見出し

On Black Friday, Teens Prioritize Bargains Over Brands

 

 

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2)ビジネスのヒント

ブラックフライデーとは、感謝祭翌日の金曜日、どんな小売店でも黒字になるということから、そういう名前になったようです。経済・金融専門のWSJでは、毎年この季節になると、ブラックフライデーから始まる年末商戦の売れ行きがニュースになります。今年は、トランプさん当選という混乱があったものの、好調なアメリカ経済を反映してか、売れ行きは昨年を上回った模様。しかし、中身をよく見ると、そう喜んでもいられないようです。

 

というのも、一部ミレニアル世代に該当する10代の支出が思わしくないため。特に、アパレルへの支出は全体が伸びるなか減少に転じているようです。

 

【10代が渋るアパレル支出】

  1. 13~17歳のアパレル支出は2%減(全米では3%増)
  2. アバクロンビー&フィッチ社の直近3Q純利益81%減(!)
  3. ギャップ社、7四半期連続で売上減少(!)

※1の機関は2015年11月~2016年10月の12カ月

 

10代がアパレルへの支出を節約していることは、1が如実に表わしています。全体では伸びているものの、13~17歳の未成年に限ってはマイナスなのです。もともと稼ぐ力に乏しい年代(親の経済力に依存しているため)なので、支出金額はさほど大きくないのですが、それでも1年前との比較で減少しているので、10代にとってアパレルがさほど魅力的な商材では無くなりつつあることがわかります。

 

その影響が、2・3の企業業績。アバクロの純利益は81%に減ったのではなく、81%減少し19%になったというから驚き。ギャップも売上減少トレンドから抜け出せそうにありません。この2社からわかることは、10代のブランド離れ・価格重視ということです。

 

かと言って、アパレルへの支出を全くゼロにしているわけではありません。比較的価格の高いブランドからお手頃なブランド・ファストファッションにシフトしているというのが、事実ようです。お手頃なブランドと言っても、単に価格が低いから買っているというのではなく、SNSなどで積極的に投稿し、10代にとってより身近なブランドがアバクロやギャップの顧客を奪っているのです。このあたりは、単に低価格というわけではなく、より接触機会が多く、身近なブランドが10代の支持を獲得しているということになります。

 

ブラックフライデーに話を戻しますと、そもそもブラックフライデーやそれに続くサイバーマンデー(ブラックフライデー翌週の月曜日から始まるネット通販セール)に買物を予定する10代自体が減少しています。これは、若者に特化した調査機関によるアンケート結果ですが、ブラックフライデーのような企業が仕掛けた消費に狂う(!)よりも、家族との時間を優先したいようです。一種の反消費主義というのものが、10代に広がっているとその調査機関は結論づけています。

 

【反消費主義が広がる10代】

  1. 14~18歳の77%が、文化が消費を優先しすぎていると回答
  2. 同年齢層の89%が、消費を減らすことが世界をより良くすると回答

 

反消費主義というのは行き過ぎとしても、なぜ10代の消費者がブラックフライデーでブランドよりも価格を重視するのか。その原因をまとめると、次のようになります。

 

【10代がブランドよりも価格・反消費に傾く原因】

  1. 金融危機を通じて、両親も含めて経済的な余裕が少なくなったから
  2. SNSでシェアするために、モノよりもコトを重視するため

 

1について、10代と言えば、物心付いた時には金融危機が起こり、景気後退を認識して成長してきた世代です。アメリカ経済全体が良くなったと言っても、一部の富裕層・IT関係者だけがその恩恵を享受し、一般のアメリカ人はどちらかと言うとまだ苦しんでいるというのが現状でしょう。10代の両親も、昔ほど経済力があるわけではなく、子供が欲しい物をすべて買い与えることができません。このような環境で日々の生活を楽しむには、ブランドよりも値ごろ感を優先するしかありません。

 

2について、一方で10代が今一番ハマっているのが、SNSを通じた体験の共有でしょう。面白いことを体験した画像・動画を友人とシェアすることで、友人との仲がより深まり、生活がより楽しくなります。そのためには、モノよりもコトを重視するしかありません。たとえモノを購入するにしても、SNSで話題の商品を購入して、商品そのものではなく、商品を購入したことを友人とシェアするのです。

 

【注目点】

  1. スマホ・SNSが消費行動に変化を及ぼす
  2. 10代向けブランドにとって、ブランドロイヤルティの獲得がより難しくなった
  3. 買物自体をコト化する工夫が必要

 

1は特に説明不要でしょう。ネット通販へのシフトも含めて、スマホ・SNSの影響は無視できないレベルまで拡大しています。

 

2について、逆にブランドロイヤルティの高さで売るには、誰をターゲットするかがより重要になります。今の10代に限って言えば、ブランドスイッチしやすいので、ロイヤルティを獲得するにしても、価格対応を避けることはできません。

 

3について、モールでイベントが増えているのは、買物自体をコト化するため。実店舗が強みを発揮できる領域です。

 

ブラックフライデーを含めた年末商戦の結果は、もちろん年明けから判明します。全体では恐らくプラスで終わるのでしょうが(人口自体が増加しているため)、その内訳(特に年齢層別・商品群別)では意外な変化があるかもしれません。その細かい変化には、注目したいところです。

 

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《今回のヒントのまとめ》

10代の消費者が、ブラックフライデーでブランドよりも価格を重視するのは、親も含めた経済力が昔ほどないからであり、またモノよりもコトを重視するためである。

反消費主義に傾く10代もいるだけに、消費をいかにコト化するかが小売業における今後の競争領域かもしれない。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけた気になるもの

ビール系飲料の税率が統一されることが、ほぼ決定されたようです。

あくまで新聞報道ですが、ビールメーカーも賛同しているので、第三のビールの値上げは必至でしょう。

私にとっては悲しいニュースなのですが、店頭では様々な新商品が増えています。

今日取り上げるのは、

クリアアサヒ 初摘みの贅沢

です。

どこかの有名ブランドで見たようなデザインですが、このデザインだけでも美味しそうなイメージ。

思わず、1缶だけですがカゴに入れてしまいました。

まだ飲んでいないので何とも言えないですが、きっと売れると思いますよ。

つくづく、ビール系はイメージで売っているのだと認識しました。

飲んだ人がいれば、感想教えてください。(メルマガで紹介しますよ。)

 

楽天市場でも売っていますね。

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、7年経ちました。

この7年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

さぁ、12月になりました。

年賀状の準備をそろそろ始めたいと思いますが、まずは枚数を確定してできるだけ安く仕入れたいと思います。

 

高尾亮太朗のツイッター⇒ twitter.com/ryotarotakao

高尾亮太朗の公式サイト⇒ ryotarotakao.com

高尾亮太朗のTubmlr⇒ ryotarotakao.tumblr.com

高尾亮太朗のGoogle+⇒ gplus.to/ryotarotakao

高尾亮太朗のPinterest⇒ pinterest.com/ryotarotakao/

今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

 

メルマガ相互紹介を希望されるメルマガ執筆者様は、ご連絡お願いします。

 

私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

 

 

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