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【1051号】米スーパー・クローガーのデジタル棚は、ネット通販のリアル版?

Kroger

 

◎本日のニュース

1)見出し

Kroger Tests Sensors, Analytics In Interactive Grocery Shelves

 

 

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2)要約

アメリカ最大のスーパーマーケットのクローガー社は、売場近くにいる顧客との接触機会を増やすために、センサーによる分析のテストを行っている。具体的には、顧客のスマホに、個々の顧客に適した商品の特別価格を提示したり、スマホに記録した買い物リストの商品を、売場の小型ディスプレーに強調したりしている。

 

この「進化したデジタル棚」は、クローガー社の戦略の1つであり、買い物体験の自動化・カスタマイズを目指したものである。この戦略の背景には、急成長するネット通販市場がある。

 

ただし、ネット通販大手のアマゾン・ドット・コム社は、「アマゾンゴー」という支払い不要のコンビニやドライブスルー店舗など、さらに進歩した実店舗の開発を行う。

 

3)キーとなる英文

Kroger Co., the largest supermarket chain in the U.S., is testing sensors and analytics technology to let shelves and products interact with shoppers walking the grocery aisles.

 

4)キーとなる英文の和訳

全米最大のスーパーマーケットであるクローガー社は、センサーと分析技術のテストを実施している。

その目的は、売場近くを歩く来店客に売場と商品と相互に接触してもらうためである。

 

5)気になる単語・表現

tailor 他動詞 ~を作る;~を合わせる
relevant 形容詞 関連がある;適切な
fuse 他動詞 ~を融合させる
doable 形容詞 実行可能な、することができる

 

(特に覚えておきたい単語)

【relevant】

(和訳)(密接な)関連がある(to);適切な、妥当な;実際的な価値(重要性)を持つ

(英英)closely connected with the subject you are discussing or the situation you are thinking about; having ideas that are valuable and useful to people in their lives and work

【コメント】

WSJのブランドに関する記事でよく見る単語。最近では、マクドナルド社が顧客とrelevantな関係構築に力を入れている。この場合の意味は、英英の後者。意訳すれば、「顧客にとって価値・有益な商品の提供」になるだろう。この場合、英英の前者にあるcloselyというニュアンスもあるだろう。つまり、「顧客と密接に関わり価値を提供する」になるだろうか。今回の記事も同じ意味で利用されていた。

 

6)ビジネスのヒント

デジタル棚と言えば、価格表示をデジタルにすることが真っ先に頭に思いつきます。このメリットは、価格カード(プライスカード)を印刷・設置する必要なく、コンピューター上の変更で売場の価格も変わるという利便性の高さ。コストダウンに結びつくテクノロジーです。しかし、時代はもっと先を行っており、売上拡大・ブランドロイヤルティ向上にまで寄与するのが、今回取り上げたクローガー社の進化版デジタル棚です。

 

進化版デジタル棚について、細かく紹介されていたわけではないですが、まとめると次のようになるかと思います。

 

【クローガー社の進化版デジタル棚】

  1. 会員登録した顧客の購入履歴・お気に入り・買い物リストから、顧客の購入予定商品を推測。
  2. 顧客のスマホを通じて、その商品の顧客ごとに最適な価格提示をして、購入を促す。
  3. 売場の棚に設置された4インチディスプレーを通じて、買い物リストの商品を強調表示。

 

1は2・3の前提です。これは記事には明記されておらず、あくまで私の予想。この仕組みはネット通販では普通のことであり、購入履歴やお気に入り登録を通じて、購入確率の高い商品を「おすすめ商品」として提示することと酷似しています。ただし、クローガー社の場合、さらに進んでおり、顧客ごとに特売価格を提示することまで行います。節約志向の顧客に対しては値引率を高め、品質志向の顧客に対しては通常価格に近い価格で商品説明をより充実させるのでしょう。

 

3は、買い物リストと売場との同期に他なりません。センサーが顧客のスマホを察知して、そのスマホから買い物リストの商品を抽出して、その商品の棚を売場設置のディスプレーで強調表示をするのです。大きな点滅文字で、「おすすめ!(Your Favorite!)」と表示するのでしょうか。

 

クローガー社にとって、進化版デジタル棚は販売戦略の一部です。その戦略の目的は、「買い物体験の自動化・カスタマイズ」です。つまり、買い物の際に発生しがちなハードル(目当ての商品を探すなどを極力廃することで、買い物ストレスを解消し、より顧客のニーズにあった商品・価格を提示することです。上記の2・3はまさにこのことです。また、スマホを通じて得た提案商品の購入履歴・お気に入りリストにより、顧客の好みを把握することもできます。

 

これらは、まさにネット通販が得意とすることに他なりません。

 

【クローガー社の進化版デジタル棚とネット通販の共通点】

  1. 購入履歴・お気に入り登録から、顧客の好みを把握
  2. 買い物リスト・お気に入りリストの商品を、ディスプレーで強調

 

クローガー社がこのような販売戦略を採る背景には、ネット通販との競争激化があります。食料品のネット通販比率はまだまだ小さい(2014年で0.16%)ものの、その成長率は際立っています。ネット通販の利便性の高さに慣れた顧客が、購入先をクローガーの実店舗から通販サイトに切り替えても不思議ではないのです。だから、クローガー社は、進化版デジタル棚を通して、実店舗にネット通販の仕組みを導入しようとしているのです。

 

ただし、ネット通販専業はさらに先を行っています。その代表格は、EC最大手のアマゾン・ドット・コム社。支払い不要のコンビニ(アマゾンゴー)まで開発しています。具体的には、店舗入り口でスマホをスキャン。これにより、来店客のID(アマゾンID)を把握します。そして、売場に設置したセンサーや専用ソフトを通じて、売場での行動を記録。商品を持ち帰る時は、出口に設置したセンサーを通じてアマゾンIDに課金するのです。(出口のセンサーで購入商品を把握するかどうかは不明。あくまで推測。)進化版デジタル棚ではなく、進化版コンビニ・スーパーと言えるでしょうか。

 

これに対して、クローガー社にも、「スキャン・バッグ・ゴー」という似たシステムがあるようです。具体的には、店内専用の無線端末で商品をスキャンし、バッグ(専用?)バッグに入れたら、自動的に支払うというものです。ただし、WSJ記事に店舗導入の説明が全くないので、この仕組が実際に店舗に導入されているかは不明です。もしかしたら、開発段階のシステムかもしれません。

 

【注目点】

  1. スマホの普及により、実店舗・通販サイト双方での顧客ごとのプライシング(値付け)が増えるかもしれない
  2. 実店舗・通販サイトでの顧客行動の把握が進みすぎると、顧客の反発を招く恐れあり

 

1について、クローガー社の顧客ごとの値付けは、スマホ利用が可能にしたもの。今後スマホの普及がさらに進めば、顧客ごとの値付けが実店舗・通販サイト双方で普通になるかもしれません。単に会員かどうかではなく、購入履歴・お気に入り登録を通じて、値付けもカスタマイズされるのです。

 

2について、サイトでの行動が把握されていることは、利用者の多くが薄々気づいています。これが実店舗にまで広がれば、記録されていることを気持ち悪く感じるかもしれません。これがさらに進めば、顧客の反発に拡大し、結局顧客離れを引き起こしかねません。顧客の行動把握をどの程度で抑えるかは、結構難しいものです。

 

 

ネット会員と実店舗会員を統合し、購入(もしくは来店)した会員対してポイント付与するのは、IDに紐付けした購入履歴を記録するためです。つまり、現在でも顧客行動の把握は行われています。これがさらに進化すれば、購入履歴だけではなく、お気に入り履歴や実際に商品を手に取った履歴(ネットではクリックした商品の履歴)まで記録され、より顧客ニーズに応じた商品提案が可能になります。この実店舗のネット通販化は、今後さらに進むことでしょう。

 

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《今回のヒントのまとめ》

  1. クローガー社が進化したデジタル棚を導入するのは、買い物体験の自動化・カスタマイズを推進するためである。よりストレスなく買い物できるようにし、顧客に合った商品を顧客に合った価格で提案できるようになる。
  2. この背景には、ネット通販専業企業との競争がある。実際、ネット通販比率の低い食品市場でも、ネット通販は急成長している。
  3. ただし、ネット専業は進化したデジタル棚よりも先に行っている。アマゾンは、支払い不要のコンビニを開発している。
  4. 今後、実店舗・通販サイト双方で、顧客ニーズに合った商品を顧客に合った価格で提示されるようになるかもしれない。
  5. 一方で、顧客行動を把握されることに反発を覚える消費者が増える恐れもある。

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売場を科学する
by カエレバ

 

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけた気になるもの

年末はふるさと納税を幾つかしたのですが、この御礼品はかなりお得と思いませんか?

 

鹿児島県日置市 本格焼酎ふるさと鹿児島限定セット 小正醸造

 

 

なんと900mlの芋焼酎が6本も入っているのです。

これが1万円の寄付でもらえます。(もちろん、税額控除されるので、ある程度所得のある人ならば、2000円の負担になります。)

ふるさと納税の芋焼酎を、他の自治体でも調べましたが、1万円で1.8mlX3本が最高。この小正醸造のセットは、900mlながら総量は同じです。900mlの分だけ、注ぎやすいという利点もあります。

 

まだ飲んでいませんが、かなり楽しみです。

 

ちなみに、小正醸造の鹿児島県限定焼酎は、楽天市場でも販売されています。

 

 

7000円ほどなので、7割の還元になりますね。

スゴイコスパです。

 

編集後記

泉佐野市からふるさと納税の領収書が届きました。

随分先ですが、確定申告に間に合ってなによりです。

さて、返礼品の方ですが、少しずつ届いています。

一気に届きませんように。(笑)

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

 

 

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