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【1060号】オースチンのディパーチャー・ラウンジが示す、旅行代理店の新しいビジネスモデルとは?

The Holiday Shop, Sandown

 

※火曜日は簡易版に変更しました。

◎本日のニュース

1)見出し

No, Really, That’s a Travel Agency

 

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2)ビジネスのヒント

オースチンにディパーチャー・ラウンジという店舗型の旅行代理店があるそうです。何やら、その旅行代理店が面白いビジネスをしている模様。

 

ちなみに、実店舗を持つ旅行代理店というビジネスは、かなり下火です。ネット専業の旅行代理店やホテル・航空会社などの直販などにより、企業数は1997年のピークから15年後には半数以下にまで縮小しています。なのに、なぜディパーチャー・ラウンジは、店舗型の旅行代理店を始めたのか?しかも、なぜ店舗拡大できるのか?今回はディパーチャー・ラウンジのビジネスモデルについて、考えてみたいと思います。

 

まず、ディパーチャー・ラウンジの特徴から。

 

【ディパーチャー・ラウンジの特徴】

  1. ターゲット顧客は富裕層
  2. 立地は目立ち立ち寄りやすい繁華街や高級ショッピングセンター
  3. 平均予約単価は1万ドル以上
  4. 店舗ではイベント・パーティーなど旅行以外のサービスを提供
  5. 収入の80%は旅行代理店業から
  6. 旅行アドバイザーが顧客の持つニーズ・潜在ニーズから旅行プランを作成・販売

 

1のように富裕層を相手にすることから、3の客単価はかなり高くなっています。面白いのは4でしょう。金子哲雄さん流に言えば、集客商品はイベントの場所貸しやパーティーなどの飲食サービスなのです。一方の収益商品は、5のようにカスタマイズした旅行サービスです。だからこそ、5のように収入の8割は旅行代理業によるものになります。通常の旅行代理店とこと成るのは、6にあるように旅行アドバイザーが顧客にあった旅行プランを企画するということでしょうか。これは、ネットにはないサービス。顧客独自の顕在ニーズ・潜在ニーズに合った旅行プランを作成することで、3のように客単価を高く設定できるのです。

 

このディパーチャー・ラウンジのビジネスモデルをまとめると、次のようになります。

 

【ディパーチャー・ラウンジが示す旅行代理店の新しいビジネスモデル】

  1. 立地は広告代わり
  2. 場所や飲食サービスの提供により集客
  3. 独自の旅行プランの作成・販売により収益
  4. 付加サービスの課金は顧客ではなくサプライヤー
  5. 富裕層に多い経営者・経営幹部が満足することで、その法人への販売が可能になり、安定収入を確保できる

 

興味深いのは、4。これは保険販売と同じであり、代理店を通して購入しても、顧客はエキストラ料金を支払う必要はありません。では、代理店はどこから収益を得るのか。それは、保険で言えば保険会社であり、この場合ではホテルやツアーブローカーなど仕入れ業者になります。サプライヤーから手数料収入を得られることで、顧客は割高感を感じずにディパーチャー・ラウンジを通じて旅行プランを購入することができるのです。

 

また、5のように、富裕層相手にすることで、その経営する企業に対する販売につなげることができます。個人ではなく法人に販売することは、定期的な購入が期待できるので、経営が安定するというメリットがあります。ディパーチャー・ラウンジは、個人でもリピートの多いビジネスですが、法人販売につながることで、より安定度が増します。

 

このビジネスモデルが成立するには、次のような消費者ニーズが存在します。

 

【ディパーチャー・ラウンジのビジネスを支える消費者ニーズ】

  1. より満足する旅行をするのは面倒なので、専門的なアドバイス・サービスが欲しい
  2. ネットのレビューなど読む暇はない

 

一言で言えば、お金を掛けてでも手軽に満足度の高い旅行がしたい、ということでしょう。本当に旅行が好きな人にとっては、価格よりも内容が重要なのです。

 

最後に、実店舗でフェースツーフェースの接触ができることで、成約率が83%にもなるらしいです。一方で、メールと電話だけのコミュニケーションでは、40%まで落ちリピート率も相等下がるとか。客単価1万ドル以上のカスタマイズ旅行サービスは、実店舗・フルサービス向きなのです。

 

【注目点】

  1. 実店舗で成功するには、客単価・リピート率を引き上げる必要がある

 

価格だけでは、固定費の低いネットに負けて当然。ならば、実店舗はフルサービスで、より顧客満足度の高い商品を販売するしかありません。その結果、客単価は上がって当然であり、一方で顧客数はある程度絞られます。その制約の中で収益拡大を目指すならば、リピート率を上げるしかありません。

 

ユニクロなど低価格・広い顧客層で成功したビジネスもあるのは事実。しかし、それはアパレルというネットに向かない商材だからという、理由が大きいでしょう。さらに、資本力のある大企業というのも、実店舗で上手く行った大きな成功要因です。中小企業の実店舗で成功するには、客単価・リピート率を引き上げるのが定石ではないでしょうか。

 

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《今回のヒントのまとめ》

実店舗でネットに勝つためには、客単価・リピート率を引き上げるしかない。

ディパーチャー・ラウンジはこれに加え、場所・ 飲食サービスの提供で集客し、カスタマイズした旅行サービスで稼ぐという、旅行代理店の新しいビジネスモデルを持つ。

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図解入門業界研究最新旅行業界の動向とカラクリがよ~くわかる本[第3版] (How‐nual Industry Trend Guide Book)
by カエレバ

 

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけた気になるもの

虫歯ということもあり、持ち運び用音波歯ブラシのポケットドルツの購入を考えています。

実は、自宅では通常のドルツを使っているのですが、これで磨くと気持ちいいぐらいピカピカに。

もう通常の歯ブラシに戻れそうにありません。

ただ、ポケットドルツに関して言えば、振動が弱そうなのがネック。

また、持ち運ぶとなると、ただでさえ重い荷物がさらに重くなります。

もう少し検討した方が良さそうですが、虫歯はもう嫌なので、早めに決めたいと思います。

音波振動ハブラシ ポケットドルツ EW-DS41-K

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、7年経ちました。

この7年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

2月も終わりというのに、今年は花粉がまだ襲来していません。

少し目が痒い程度で、コンタクトレンズはまだ継続中。

楽観できないですが、花粉症のない春を過ごしてみたいものです。

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

 

 

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