【748号】アメリカ食品メーカーがコスト削減に力を注ぐ理由とは?
by courtesy of Clive Darra
◎本日のニュース
1)見出し
Food Industry Prepares for Gloomy News
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2)要約
アメリカ食品業界は、暗いニュースで包まれている。業績が芳しくなく、コスト削減を余儀なくされているからである。その背景には、世界で広がる弱々しい個人消費と競争激化がある。
また、投資ファンドによるH.J.ハインツ社の買収も、食品業界に衝撃を与えた。というのも、元々低コスト体質で業績もいいハインツを、コスト削減を得意とする3Gキャピタルが買収したからである。これにより、他食品メーカーにも、買収を恐れたコスト削減が広がったと言ってもいい。
◎キーセンンスとその翻訳
3)キーとなる英文
But for some of the food companies attending an annual consumer-industry conference in the Florida resort city, the good times will be overshadowed by a recent run of gloomy news.
4)キーとなる英文の和訳
毎年恒例の消費者向け業界の会議がフロリダのリゾート都市で行われたが、その会議に参加した食品企業の中で、最近続く暗いニュースのために楽しい時間が台無しになる企業もあるだろう。
5)気になる単語・表現
attend |
他動詞 |
~に参加する、参列する |
conference |
名詞 |
会議、協議会 |
overshadow |
他動詞 |
~に暗雲を投げかける;~を暗くする |
run |
名詞 |
(状態・事などの)連続、続き |
gloomy |
形容詞 |
薄暗い、憂鬱な、悲観的な |
◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
アメリカの食品メーカーでコスト削減に力を入れる企業が増えています。その一番の理由は、外部環境の変化による業績低迷です。
【アメリカ食品メーカーの業績低迷要因】
[1] 世界で広がる個人消費の低迷
[2] 競争激化
今回取り上げたいのは、グローバルでビジネスを行う消費者向けアメリカ食品メーカー。よって、影響を与えるのはアメリカだけでなく世界のマクロ経済になります。1の個人商品の低迷も、世界でのこと。記事にも詳しく書かれてありませんでしたが、成長が期待された新興国で思ったほど個人消費が盛り上がらないことが、一番の要因でしょうか。年始から世界マーケットを激震した新興国不安が、食品メーカーにはすでに出ていたのかもしれません。
一方の2は、どちらかと言うと先進国で起こっていることかもしれません。業界内の価格競争が激しくなり、売上が伸びないばかりか利益率も毀損され、収益悪化を招くことになります。
これら2つの要因によりなかなか売上が伸びにくくなったため、コスト削減による収益向上が目指されることになります。ただし、それ以外の要因も存在します。それは、投資ファンドによる圧力です。
顕著になったのは、投資会社のバークシャー・ハサウェイと3Gキャピタルによる、H.J.ハインツ社の買収。何故かというと、元々低コスト体質で業績も良かったハインツを、コスト削減を得意とする3Gキャピタルが買収したからです。つまり、投資家は、他業界と比べて食品業界のコスト削減余地は大きいと判断したことになります。このままでは、投資ファンドによる買収の標的にされてしまう。この恐怖感が、食品メーカーをコスト削減に駆り立てたのです。
アメリカ食品メーカーが特異なのは、新たなブランドの創出や新市場への進出に力を注ぐのではなく、工場閉鎖や不採算ブランドの売却・管理部門の縮小など、どちらかというと後ろ向きのコスト削減に着目している点。今後中間層の増加により市場が拡大する新興国で投資を拡大させるであろうグローバル企業が、コスト削減に一番力を入れているというのは、いささか不思議です。
しかし、逆に言えばそうせざるを得ないほど、業界内の競争が激しく、資本市場からの突き上げが強いとも言えます。それだけ、消費者が価格に敏感になったと捉えることもできるでしょう。従来ならば、好きなブランドならば少々高くても買っていた消費者が、より価格にシビアになれば、価格競争は激しくなります。
今後グローバル経済が上向けば、個人消費も再度盛り上がり、食品メーカーの業績も向上するかもしれません。しかし、競争激化や資本市場からの要求という流れは今後も続くと考えられるので、多くの食品メーカーは、強いコスト削減圧力から逃れることはできないでしょう。
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《今回のヒントのまとめ》
(1) アメリカ食品企業がコスト削減に力を注ぐのは、世界の個人消費が弱々しく、また業界内での競争が激しいからである。
(2) また、他業界と比べたコスト削減余地に着目する投資ファンドからの買収リスクも、コスト削減に駆り立てている。
(3) それだけ、消費者が価格に敏感なった表れかもしれない。その結果、従来なら高くても売れていたブランドが価格競争に陥り、収益悪化に導く。
(4) 今後世界経済が好転しても、この消費者の変化が続くとすれば、コスト削減圧力から逃れることはできないだろう。
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7)おすすめ商品・サービス
◎最近見つけたいいもの
ついにノートパソコンを新調しました。
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それにしても、OSのサポートによりPCを強制的に買い換えなければならないのは、腑に落ちないですね。
かと言って、OSが無料でアップグレードできるマックでは不便ですし。
TOSHIBA dynabook kira V634 K274
◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語
WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。
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読む上で知っておくべき単語さえわかれば、
大まかな内容はわかるということ。
備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。
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◎Winecarte 簡単ワインの選び方
ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、
ワインの情報を探すのが大変ということ。
公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、
作っています。
編集後記
先日、日経新聞で消費増税に関する日本と海外の違いを知りました。
海外は租税もコストの一部と考えるために、一律の価格転嫁はしないそうです。
だから、駆け込み需要も起こりません。
駆け込み需要は日本特有のものだそうです。
みなさんも、駆け込み需要始めてますか?
高尾亮太朗のツイッター⇒ twitter.com/ryotarotakao
高尾亮太朗の公式サイト⇒ ryotarotakao.com
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高尾亮太朗のPinterest⇒ pinterest.com/ryotarotakao/
今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
感謝・感謝・感謝です!
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