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【815号】スマホ時代でもペン・鉛筆の売上が伸びている理由とは?

pencil

 

 

◎本日のニュース

1)見出し
Pencil Makers Go Back to Drawing Board

 

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2)要約

スマホが普及するなか、ペン・鉛筆メーカーは新たな販売戦略に取り組んでいる。その一つは、デジタル需要を獲得するためのデジタル対応である。具体的には、タッチパネル対応のペンやデジタルデータに変換できるペンを販売に力を注ぐ。

 

さらに、需要拡大が見込める新興国市場への進出も増えている。中間層の拡大や識字率の向上など、新興国にはペン・鉛筆の需要拡大が期待できる。実際、その売上成長率は世界全体よりも高い。先進国では、高付加価値品へのシフトが進む。また、削りたての鉛筆に新鮮さを感じる人の購入も増えている。

 

デジタル化が進むにもかかわらず、世界のペン・鉛筆売上は増加している。少なくとも5年以上は成長するとされ、デジタル化と共存している。

 

◎キーセンンスとその翻訳

3)キーとなる英文

Pen and pencil makers are going back to school, learning to sell writing implements in the age of smartphones, tablets and laptops.

 

4)キーとなる英文の和訳

ペン・鉛筆メーカーは、改めて学校に注目している。

その目的は、スマートフォン・タブレット・ノートパソコンの時代に筆記用具をどう売るかを知るためである。

 

5)気になる単語・表現

learn to 他動詞句 ~できるようになる;(自然と)~できるようになる
implement 名詞 道具;~を実行する

 

◎記事から読み取った今日のヒント

6)ビジネスのヒント

デジタル化が進む中、さぞペン・鉛筆の売上は縮小していると思いきや、実は増加しています。

 

【世界のペン・鉛筆の売上】

[ペン]今年4.9%増、約85億ドル

[鉛筆]今年4%増、約27億ドル

 

とは言うものの、先進国での売上数量減に直面し、ペン・鉛筆メーカーはデジタル対応を進めています。各社のデジタル対応は、2つのパターンに分類することができます。

 

【ペン・鉛筆メーカーのデジタル対応】

  • タッチパネル対応商品の開発・販売→クレヨーラ社(Crayola、米)、ビック社(Bic,仏)、スワン・スタビロ社(Schwan-Stabilo、独)
  • デジタルデータ変換商品の開発・販売→ステッドラー社(Staedtler、独)

 

世界最古の鉛筆メーカーのフェイバー・キャステル社(Faber-Castel、独)も、今月デジタル対応商品を発売。ただし、フェイバー社は、木で出来た普通の鉛筆(非デジタル対応品)が売上の1/3を占めており、この維持に努めています。

 

デジタル時代に非デジタル対応の普通のペン・鉛筆の売上を伸ばす方法として、3つのパターンがあります。

 

【ペン・鉛筆の売上を伸ばす3つの方法】

[新興国市場]先進国老舗ブランドとして品質をアピール、先行投資で市場シェア獲得し地場の低価格メーカーに対抗

[先進国市場1]高付加価値品の販売

[先進国市場2]削りたての鉛筆の新鮮さをアピール

 

経済成長の見込める新興国市場は、ペン・鉛筆メーカーにとっても有望な市場。というのも、購買力を持つ中間層の増加と識字率の向上が期待できるからです。特に、アジア・ラテンアメリカ市場は、世界全体の売上増加率よりも高く、各社注目しています。

 

【アジア・ラテンアメリカの鉛筆市場】

[アジア]今年5.4%増、約10億ドル

[ラテンアメリカ]今年7%増、約5億2600万ドル

※世界全体では、今年4%増で約27億ドル

 

ただし、現地では地場の低価格を武器とするメーカーと競合するので、先進国・老舗ブランドをアピールしたり、先行して参入することによりブランド認知度を高めたりして、価格競争の回避に努めています。

 

先進国では、高付加価値品へのシフトが進んでいます。実際、売上数量は減少するものの、売上金額は増加。例えば、戦術のフェイバー社は、削り機能・消しゴム機能付きのプラチナ製鉛筆を200ユーロ(253ドル)で、そのダイヤモンド版を1万ユーロで販売しています。

 

また、スマホ時代だからこそ、削りたての木の鉛筆にはなんとも言えない新鮮さ・ぬくもりを感じるもの。こういう感情面に訴えかけたマーケティングも効果的なようです。実際、スマホが普及すればするほど、スマホと離れたいというニーズは高まります。このニーズをすくい取れば、先進国でもペン・鉛筆の売上を伸ばすことはできます。

 

最後に、WSJ記事で一番気になったのが、キーセンテンスでも取り上げた文章。販路としての学校回帰が述べられていますが、記事の他の部分で学校や児童・子供に関する言及は全くありません。私の推測に過ぎませんが、ペン・鉛筆メーカーの一番危惧していることは、

 

子供がペン・鉛筆をほとんど使わずに育つ

 

ということではないでしょうか。そうなれば、スマホから離れたい時にペン・鉛筆を使おうという気すら起きません。また、高付加価値のペン・鉛筆を高いお金を支払ってまで買わないでしょう。だから、学校でペン・鉛筆を使ってもらうことに力を注いでいるのではないでしょうか。学校で使ってもらえれば、今後スマホを使うようになってペン・鉛筆の利用機会が減ったとしても、将来また使ってもらえる可能性は十分あります。

 

高付加価値品やマインドに訴えかける販促で、先進国においてアナログ商品の売上を伸ばすことは可能です。しかし、その製品を全くしらない層が増えれば、この販売戦略は全く機能しません。そういう意味で、短期的な売上増につながらなくても、子供への販促・提案を行うことはかなり重要なのです。

 

Crayola

Staedtler

Faber-Castell 

Bic

Schwan-Stabilo 

 

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《今回のヒントのまとめ》

  • スマホ普及に対して、ペン・鉛筆メーカーはデジタル需要を獲得すべく、デジタル対応品を販売している。その2つのパターンは、タッチパネル対応品の販売とデジタルデータ変換品の販売である。
  • しかしながら、世界的にペン・鉛筆の売上は伸びている。それを支えているのは、新興国市場である。
  • 地場の低価格メーカーと競合する新興国市場では、先進国・老舗ブランドをアピールしたり、早期参入によるブランド認知度を高めることで、価格競争を回避している。
  • また、デジタル化が進む先進国では、高付加価値品へのシフトやマインドに訴えかける販促により、売上数量よりも売上金額の拡大を目指している。
  • 学校への販売に再度注力するのは、子供にペン・鉛筆を使ってもらえれば、将来、高付加価値品の需要やスマホから離れたい時の需要につながるからである。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけたいいもの

またまた、西友ドットコムで買った日本酒ですが、今回は白鹿さんの純米吟醸。

開封後すぐは少し甘目に感じ、菊正宗さんの方に軍配が上がりましたが、翌日以降の飲むと、いい感じにまろやかになっていました。

菊正宗の大吟醸を抜いたかもしれません。

デザインも秀逸で、外国人向けのお土産にピッタリではないでしょうか。

黒松白鹿 純米吟醸

菊正宗 超特選大吟醸

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

タイガース、日本シリーズ出場バンザイ。

もちろん日本一になってほしいですが、野球ファンとしては7試合やって欲しいですね。

野球がないと少し寂しい。

高尾亮太朗のツイッター⇒ twitter.com/ryotarotakao

高尾亮太朗の公式サイト⇒ ryotarotakao.com

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高尾亮太朗のPinterest⇒ pinterest.com/ryotarotakao/

今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

 

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