About

*

【834号】高級ブランドの本当に重要な顧客は、資産のある年配女性ではない!?

japanese luxury brand

 

◎本日のニュース

1)見出し
The Average Luxury Shopper May Surprise You

【出典】

 

 

毎週火曜・土曜の18時、メルマガにて配信。

(サイトへの掲載は、翌日以降です。)

ウォール・ストリート・ジャーナルの最新情報をいち早く知りたい人は、

メルマガの登録をお願いします。(もちろん無料です。)

 

2)要約

マーケティング会社・調査コンサルティング会社の調査によると、年間を通じて高級ブランド品を購入できる経済力を持つ消費者の多くは、25~44歳で子供なし、アジアか中東の独身男性という。

 

一方で、高級ブランド企業は、総資産100万ドル以上の45歳以上の女性をメインターゲットとしてきた。このギャップのためか、高級ブランドの半数は、最上位顧客の50%を毎年失っている。

 

この「本当の贅沢品」を買う消費者は、ネット通販よりも実店舗での購入を好む。それは、店員からVIP待遇を受けられ、自分で商品を見て触れるからである。一方、高級ブランドの顧客の10~15%しか、店員と名前で呼ぶ関係を築けていない。

 

◎キーセンンスとその翻訳

3)キーとなる英文

According to a report from marketing agency Epsilon and boutique research and consulting firm Luxury Institute, a true luxury shopper — one that has the financial means to purchase high-end items frequently throughout the year  – is most likely to be an Asian or Middle Eastern single man between the ages of 25 years and 44 years old,  with no children.

 

4)キーとなる英文の和訳

マーケティング代理店のエプシロンとブティック調査コンサルティング会社のラグジュアリーインスティテュートによると、本当の贅沢品購入者、年間を通じて頻繁に高級ブランド品を購入できる経済力を持つ人は、アジアか中東の独身男性で、25~44歳の子供なしの可能性が最も高い。

 

5)気になる単語・表現

agency 名詞 代理店、取扱店;機関
means 名詞 方法;財産

 

◎記事から読み取った今日のヒント

6)ビジネスのヒント

高級ブランド品を実際に買う人は誰なのか、というのがこの記事のメインテーマ。これを調べるために、マーケティング会社と調査・コンサルティング会社が、高級ブランドの上位3万人の購入者と、総資産100万ドル以上・支払い能力200万ドル以上の富裕層とを比較しました。高級ブランド購入者とは、ブランド専門店で年間3万ドル以上買い物し、一回の購入金額が1200ドル以上になるという条件で抽出されています。

 

この調査でわかったのは、高級ブランド購入者の4つのパターン。まとめると、次のようになります。

 

【高級ブランド購入者の4パターン】

[1]「上昇志向」の購入者=高級ブランド品を少し所有したいが、日常的に購入できる経済力がないため、アウトレットやディスカウントブティックを利用する

[2]「金持ちになった瞬間」を味わいたい購入者=特定の高級品のために節約するが、頻繁には購入できない

[3]「一部に着用」する購入者=高級品を購入できるが、本当の高級ブランド購入者になる経済力はない

[4]「本当の高級ブランド」購入者=年間を通じて、頻繁に高級ブランド品を購入できる経済力を持つ

 

高級ブランドにとって最高の顧客となりえるのが、4番目の本当の高級ブランド購入者。この層の特徴は、

 

60%が男性

50%以上が独身

50万ドル以上の純資産を持つ

子供なし

 

というもの。高級ブランドが従来メインターゲットとしてきたのは、

 

45歳以上の女性

100万ドル以上の純資産を持つ

 

なので、ここにギャップが生じています。このギャップのために、

 

高級ブランドの半数は、最上位顧客の50%を毎年失う

 

という失態を犯しています。

 

この調査結果からわかることは、

 

純資産額よりも実際に使える金額が高級ブランドの購入に影響を与える

 

ということになります。純資産額でみると、従来メインターゲットとしてきた45歳以上の女性の方が多いにも関わらず、実際に高級ブランドにより多くのお金を落としてくれるのは、純資産額は少ないものの、自分に使える金額がより大きな若い独身男性だからです。

 

本当の高級ブランド購入者は、ネット通販よりも実店舗での購入を好む傾向があります。というのは、実店舗では店員からVIP待遇を受けられ、自分で実際に商品を確認できるから。この利点は、誰でもほぼ対等に扱う無人販売のネット通販にはありません。逆に、店員の失礼・無頓着な接客が、特定の高級ブランド店に再来店しない最大の理由となっています。

 

実際、本当の高級ブランド購入者は特別待遇を求めるのに対し、その10~15%しか、店員がファーストネーム(名前)で呼ぶ関係を築けていません。恐らく、45歳以上の女性をメインターゲットにしているからでしょう。だから、半数の高級ブランドが最上位顧客の半分を毎年失っているのです。逆に言えば、本当の高級ブランド購入者を定義しないし、接客を改めることで顧客喪失を回避できます。

 

単価の高い商品を販売する場合、単に商品を陳列するだけではなく、顧客ニーズに合った接客・サービスが必要とされます。高級ブランドは、このサービス面を重視してきたのでしょう。しかし、多くの高級ブランドは、本当に重要な顧客を間違って設定したため、本当の高級ブランド購入者への接客・サービスが満足度の低いものになったのです。誰が、本当に一番重要な顧客なのか?この顧客設定の重要性が、高級ブランドの事例は物語っています。

***************************

《今回のヒントのまとめ》

  • 従来、高級ブランドは純資産100万ドル以上を持つ45歳以上の女性をメインターゲットにしてきたが、本当の高級ブランド購入者は、25~44歳のアジア系独身子無し男性である。
  • 本当の高級ブランド購入者は、ネット通販よりも実店舗での購入を好む。その理由は、店員にVIP待遇され、実際に商品を見て触れるからである。
  • しかし、メイン顧客に設定されていないために、本当の高級ブランド購入者の10~15%しか、店員に名前で呼ばれる関係ではない。このギャップのために、高級ブランドの半数は、上位顧客の半数を毎年失っている。
  • 資産額がより小さな若い独身男性がより売上をもたらすということは、高級ブランドの購入は、資産額よりも実際に自由に使える金額に関係していることを示す。
  • 本当に重要な顧客は誰なのかを正しく設定できないと、本当の顧客が不満を抱くサービスを提供することになり、本当に重要な顧客を失うことになる。

*************************

 

毎週火曜・土曜の18時、メルマガにて配信。

(サイトへの掲載は、翌日以降です。)

ウォール・ストリート・ジャーナルの最新情報をいち早く知りたい人は、

メルマガの登録をお願いします。(もちろん無料です。)

 

7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけたいいもの

セブンのドーナツを初めて買ってみました。

ネット上では賛否両論あるようですが、やはりその品質はミスドには敵いません。

セブンのことですから、きっと改良するので、今はそちらに興味があります。

ただ、小腹が空いた時の選択肢として、100円のドーナツは魅力的ですね。

十分アリだと思います。

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

大晦日は大掃除の日になりました。

今年は一人で奮闘します。

 

高尾亮太朗のツイッター⇒ twitter.com/ryotarotakao

高尾亮太朗の公式サイト⇒ ryotarotakao.com

高尾亮太朗のTubmlr⇒ ryotarotakao.tumblr.com

高尾亮太朗のGoogle+⇒ gplus.to/ryotarotakao

高尾亮太朗のPinterest⇒ pinterest.com/ryotarotakao/

今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

 

メルマガ相互紹介を希望されるメルマガ執筆者様は、ご連絡お願いします。

 

私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

 

 

ad

関連記事

新着記事

コメント/トラックバック

トラックバック用URL:

この投稿のコメント・トラックバックRSS




管理人にのみ公開されます

*

ad

PAGE TOP ↑