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【934号】大手食品メーカーが採用を目指すスマートラベルは販促を変えられるか?

 

 

 

 

◎本日のニュース

1)見出し

Food Makers Try Higher-Tech Labels Amid Calls for Transparency

 

 

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2)要約

大手食品メーカーや日用品メーカーは、スマートラベルという技術を用いて、製品の詳しい原材料がわかる仕組みの導入を計画している。スマートラベルとは、製品パッケージに印刷されたQRコードをスマホでスキャンすることで、製品情報が掲載された公式サイトにアクセスできる。

 

この背景には、原材料やその産地などをより詳しく知りたいという消費者の強い要望がある。また、企業がスマートラベルを採用することで、原材料の使用理由などを説明できるなど、メリットもある。

 

しかし、最大の懸念事項は、GMO原材料の開示である。政府や科学者が問題ないと認めたGMO原材料でも、一部の消費者・圧力団体は環境・人体への悪影響を主張している。使用を開示することで、「買ってはいけない」と判断される恐れもある。

 

3)キーとなる英文

A group of big food makers and other consumer-goods companies plans to use smartphone scanning technology to allow shoppers to quickly get detailed information on their products, as more consumers clamor to learn more about ingredients.

 

4)キーとなる英文の和訳

大手食品メーカーやその他消費財企業からなる団体が、スマートフォンでスキャンする技術の採用を計画している。

これにより、買い物客は即座に製品の詳しい情報を得ることができる。

計画する理由は、原材料に関してより多くのことを知りたいと強く要望する消費者が増えているからである。

 

5)気になる単語・表現

clamor to V 他動詞句 ~してくれとやかましく要求する
contest 他動詞 ~に異議を唱える
crop 名詞 作物
deem 他動詞 ~だと考える
advocacy 名詞 弁護
official 名詞 職員
sustainability 名詞 持続可能性
mandate 名詞 命令;人気;為政権;選挙民の意志
compromise 名詞 妥協

 

(今回ピックアップ英単語)

【crop】

(意味)

  1. (穀物・野菜・果物などの)作物、収穫物
  2. (一季節の作物の)全収穫高;生産高;産出高
  3. (a/the ~ of+複数形で)立て続けに起こる~;~の集まり
  4. (作物・頭髪・写真・動物のしっぽなど)(の先端)を短く刈る
  5. ~に植え付ける
  6. ~を収穫する

(その他)

穀物は、grain; cereals; corn。

個人的によく間違えるので、取り上げました。

 

6)ビジネスのヒント

大手食品メーカーや日用品メーカーが、2017年までに採用を目指すスマートラベルを、今回取り上げます。一見ありそうなサービス・機能ですが、本格採用はこれからのようです。そう言えば、日本でもQRコードの付いた製品はよく見掛けますが、それが詳しい原材料情報にリンクされているものは、まだ皆無でしょう。

 

スマートラベルの概要をまとめると、次のようになります。

 

【スマートラベルの概要】

製品に印字されたQRコードを、スマホでスキャンすることで、企業サイトにアクセスでき、原材料やその産地に関するより詳しい情報を得ることができる技術

 

要は、よくあるメニューにリンクされた食品パッケージのQRコードの、原材料版。到ってシンブルなサービスです。

 

食品メーカー・日用品メーカーが、コストの掛かるスマートラベルの導入を目指すには、理由があります。

 

【スマートラベル導入の理由】

原材料やその産地、栄養情報など製品の詳しい情報を知りたいという要望が、消費者の間で強くなっているから

 

逆に言えば、それだけ消費者は製品に安心していないということでもあります。だから、有機・ローカル・サステイナブルな小規模食品メーカーの製品が売れているのでしょう。製品に対する消費者の不安感が加工食品の売上低迷の要因と考えるからこそ、大手食品メーカーは、スマートラベルの導入を急いでいるのです。企業にとっては、善行よりも収益の方が大切なのでしょう。

 

改めて、消費者にとってのスマートラベルの利点をまとめると、次のようになります。

 

【スマートラベルの利点(消費者)】

  1. 製品に興味を持ったら即座に、より詳しい製品情報を知ることができる(即時性)
  2. QRコードをスマホでスキャンするだけで簡単に製品情報にアクセスできる(簡便性)

 

即時性と簡便性により、購買意欲が高い状態でより詳しい情報を提供でき、購買につなげることができます。小売店の店員やメーカーのお客様センターに問い合わせるとなると、時間がかかり面倒です。しかも、企業にとっては、せっかく持たれた購買意欲が削がれることになり、貴重な販売機会を喪失することになります。

 

【スマートラベルの利点(企業)】

製品に対する消費者の不安感を無くすことができ、売上増につながる

 

ただし、原材料や産地を開示したからと言って、必ずしも売上増に繋がるわけではありません。課題もあるのです。

 

【スマートラベルの課題】

  1. 消費者が期待するGMO情報の開示により、購買意欲を削ぎかねない
  2. そもそもGMOの正式な規定がないため、表示の正しさを担保できず、混乱を引き起こす恐れがある
  3. 将来的に義務付けられれば、企業にとってコスト増になる
  4. スマホを経済的に持てない消費者や技術的に使えない消費者がいるので、不公平である

 

1について、政府や科学者が問題なしと認定するGMOでも、一部の消費者や圧力団体は環境・人体への悪影響を懸念しています。だから、問題なしのGMOでも使用を開示すれば、「できれば買わない方がいい」と判断される恐れがあります。これでは、コストを掛けて情報を開示する意味がありません。

 

2について、そもそも、政府の決めるGMOの正式な規定がないようです。有機やグルテンフリーという表示と同様に、民間団体が認定した証明が複数存在しています。だから、たとえ「GMO不使用」と表示できても、絶対的な信頼性を担保することができません。

 

3はそのままなので、省略。4に関しては、スマホという機器の所有・利用を前提とした技術なので、経済的に機器を持てない低所得者層・貧困層や、技術的に利用できない高齢者などは、ネット上で開示された情報にアクセスできません。この不公平さ・不十分さを解決するためにも、より明確で誰でも読めるパッケージ表示を求める声もあります。

 

課題はあるにせよ、消費者が製品のより詳しい情報を求めているのは事実であり、その解決策が、現状のパッケージ印字とは追加で提示されている点は、ニーズへの対応を一歩進めたことに違いありません。さらに、スマートラベルは、次のような可能性を秘めていると考えることができます。

 

【スマートラベルの可能性】

  1. 製品に関する質問がしにくいセルフサービスのデメリットを克服できる
  2. メーカーとエンドユーザーのコミュニケーション機会を増やす
  3. 食品など低単価商品の購入時に、スマホで調べるという習慣が定着する

 

1により、これまでパッケージに依存していた製品説明に、ネットでの情報提供を加える事ができます。この結果、より付加価値の高い製品の販売が今よりも容易になります。

 

2により、これまで小売店を経由したエンドユーザーとのコミュニケーションに加えて、直接的にコミュニケーションを取る機会が得られます。この結果、企業努力如何によって、ブランドロイヤルティの向上が可能となります。ただし、小売店のハンドリング機会縮小につながりかねないので、小売店の反発を招くかもしれません。

 

3により、ネットを通じた情報提供が、売場での商品選択により大きな影響を及ぼすことになります。ただし副作用として、売場での露出など店内販促の効果が落ちる恐れがあります。

 

スマートラベルが普及し、パッケージを通じた情報提供機会が増えれば、どのメーカーもエンドユーザーとのコミュニケーションを増やさざるを得なくなるのは間違いないでしょう。

 

 

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《今回のヒントのまとめ》

  1. 大手食品メーカーや日用品メーカーがスマートラベルの採用を進めるのは、原材料・産地などのより詳しい製品情報を強く知りたいという要望が消費者の間で強くなっているからである。
  2. 一方で、消費者に広がる原材料などへの不安で、売上が低迷している加工食品メーカーにとっては、より詳しい情報開示によって、不安の解消・収益拡大が可能となる。
  3. スマートラベルの利点は、即時性・簡便性であり、その結果、消費者の購買意欲を削ぐこと無く、販売機会の喪失を回避できる。
  4. ただし、消費者が期待するGMOの情報開示により、問題のないGMOでも使用により顧客離れを引き起こす恐れがある。さらに、GMOに正式な規定がなく、情報開示が混乱を引き起こすかもしれない。
  5. 企業にとってのコスト増にもなる。また、スマホを経済的に持てない層や技術的に使用できない層にとっては恩恵がなく、不公平さは否めない。
  6. 製品パッケージを通じてエンドユーザーとのコミュニケーションを可能にするスマートラベルが普及すれば、メーカーは真剣にコミュニケーションを収益に結びつける方法を考えざるを得なくなるだろう。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけたいいもの

コストコで買ったゆずポン酢が、最高によかった。

これまでは、ミツカンの業務用ゆずポン酢を使っていたのですが、今回は少し割高の寺岡の牡蠣だし入りゆずポン酢を購入。

割高とは言っても、さすがコストコだけあって、家庭用のゆずポン酢よりは割安ですよ。

瓶入りで高級感のあるデザインは、開封すると、ゆずの強烈な香りに襲われます。

どんだけゆず入れるねんと、思うほどで、その香りを嗅ぐだけで、幸せな気分になるほど。

水炊きの後の雑炊に少し垂らすと、別の料理になったかと思うほどの美味しさでした。

家庭用もあるようなので、ゆず好きの人は是非。

寺岡家の牡蠣だし柚子ぽんず

www.teraokake.jp/item/4964366401115/

楽天市場でも売っていますよ。

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

軽減税率が、加工食品全般にまで拡大されることになりそうです。

約1兆円の負担増ですが、どこで帳尻を合わせるのでしょうか。

もしかして、量的・質的量的緩和を継続する日銀さんに、1兆円分の赤字国債を買ってもらうなんて、ないとは思いますが・・・

いやいや、それしか方法がないとしか思えませんね。(タバコ増税とか報道されていますけど)

個人的には、低所得者層への税額控除・還付が一番公平だと思います。

まぁ、公明党案を丸飲みしたということは、橋下さんの言うように、

憲法改正を最優先したということでしょうね。

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

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