【1004号】休暇中にセルフトラッキングをするべき理由と課題

Wearable Technology

Heidi Forbes Öste

◎本日のニュース

1)見出し

For a Relaxing Vacation, Look to the Data

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2)要約

スマートフォンやウェラブル端末を使って、日常生活を記録し、自分をより効率的にしようとする人が増えている。その場合、特にセルフトラッキングを行うべきなのは、休暇中である。

というのも、休暇中こそ、本来の自分を映し出したものだからである。また記録することで、休暇をより充実したものにすることができる。

ただし、あまりに記録にこだわると、休暇中の活動が仕事のように思われ、つまらなくなる恐れがある。その場合は、画像など量的なものでない記録にすればいい。

3）キーとなる英文

Life-logging was once relegated to counting footsteps, but more people are now using personalized data to help them unwind more efficiently, setting and tracking leisure goals such as limiting computer use and optimizing relaxation while they are away.

4）キーとなる英文の和訳

ライフログは、かつて歩数の計測に格下げされていた。

しかし、今ではより効果的に緊張をほぐすのに自己のデータを活用する人が増加している。

具体的には、PCの利用を制限するなど休暇中の目標を設定・記録し、日常を離れている間よりくつろぐことである。

5）気になる単語・表現

quantify	他動詞	～の量を定める（計る）
adherent	名詞	信奉者
head off	自動詞句	真っ直ぐ進む
relegate	他動詞	～を格下げする
unwind	他動詞	～をほどく；～の緊張をほぐす
relaxation	名詞	くつろぎ、息抜き；（緊張などの）ゆるみ
away	副詞	遠征地での；離れて
intentional	形容詞	意図的な
present	形容詞	現在の
draw	他動詞	～を引く
judgment	名詞	判断力；分別；判断
interact	自動詞	相互に作用する；交流する
holiday-making	名詞	行楽
prime	他動詞	～に用意をさせる；～に前もって知らせる
let go of	他動詞句	～から手を離す
yield	他動詞	～を産出する；～を生ずる
moody	形容詞	憂鬱な
reflect	他動詞	～を映す
cranky	形容詞	気難しい、怒りっぽい
mood	名詞	心的状況
leisure	名詞	余暇；自由時間
heart-rate	名詞	心拍数
variability	名詞	変動性
coloring	名詞	着色；塗り絵
intrinsically	副詞	本質的に
extrincically	副詞	外的に
regimen	名詞	（食事などの）養生規則
lap	名詞	往復
nudge	名詞	（ひじで）軽く突くこと
primary	形容詞	第一位の；最初の
primary care	名詞	一次診療；初期手当
physician	名詞	内科医
prescribe	他動詞	～を処方する
mold	名詞	かび；鋳型
demanding	形容詞	あまりに多くを要求する；自分本位の

（今回ピックアップ英単語）

【reflect】

（意味）

（他動詞）～を（鏡などに）映す
（他動詞）（光・熱）を反射する；（音）を反響する
（他動詞）（比喩的に）～を映す、～を反映する
（他動詞）～を熟考する、よく考える
（他動詞）～と意見を述べる

（メモ）

英文作成などでも活躍する動詞。もちろん、WSJでも頻出。

6)ビジネスのヒント

ライフログ・セルフトラッキングというと、歩数や心拍数などの計測・記録が頭に浮かびますが、スマホ・ウェアラブル端末が普及している今では、その目的こそが重要視されています。つまり、計測・記録することで、日々の生活をより充実させるということです。その目的を果たすには、休暇中にこそセルフトラッキングをするべき、とこの記事は説いています。

【休暇中にセルフトラッキングを行う理由】

休暇中にこそ、本来の自分が映し出されるから
休暇の目的が自己の充電ならば、どの程度充電されたか計測する必要があるから

1について、自由に時間の使える休暇中こそ、素の自分が映し出されるもの。一方、仕事をしなければならない日常では、仕事中心で本来自分が望む生活とはかけ離れていることが多いので、なかなか目標とする生活のデータを得られません。だから、休暇中こそ、セルフトラッキングをする意味はあるのです。

2について、本来休暇とは、日常の疲れた体を休めて、エネルギーみなぎる元の姿に戻すことに使われます。よって、休暇中にセルフトラッキングすることで、どの程度エネルギーが復活したかを認識することができます。

そもそも、セルフトラッキングにより生活の量的データを計測することは、次のようなメリットがあります。

【セルフトラッキングのメリット】

取得できるデータが数値のため、受け入れやすく、目標設定しやすい
現状を知ることで、より効率的に目標に近づくことができる

1の数値化できるという点が一番大きなメリットです。数字は誰が見ても同じであり、意図的に評価できないもの。よって、目標設定もしやすくなります。そして、2のように、目標と現状の差が簡単に計測され、より効率的に目標に近づくことができるのです。

記事では、休暇中に行うセルフトラッキングの方法（ティップス）が提示されています。

【セルフトラッキング手法】

興味あることや目標を明確化する
その計測方法を決める
数値化されたデータが示す現状の自分を知る

一番重要なことは、データ取得が目的ではないということです。数値化することで、現状の自分と目標の差を認識し、より目標に近づくことができます。

ただし、休暇中のセルフトラッキングには、欠点・課題があります。それは、数値化することで、本来好きで行っている活動自体がつまらなくなる恐れがあるということです。

【休暇中に行うセルフトラッキングの欠点・課題】

数値化されることで、本来楽しい活動がつまらなくなる恐れがあること

特に、読書や塗り絵・ウォーキングなどは、計測することで仕事のように感じられることが多いようです。本来本質的な動機付けで行う活動が、データ取得という外的な動機付けに変わることで、楽しさが半減するのです。

この対処方法は、数値化しないトラッキングに切り替えるということです。例えば、健康的に食事を摂るのが目的ならば、カロリーを記録するのではなく、料理の画像を撮り、色や大きさをメモすればいいのです。何度も画像を見ることで、自分の食事習慣を反省・改善できるようになります。

休暇中のセルフトラッキングには、もう一つメリットがあります。それは、休暇中の有意義さが数値で明確化され、その数値を見ることでより楽しくなるということです。

【休暇中のセルフトラッキングのメリット】

有意義な時間が数値化されることで、より楽しめる

例えば、記事で紹介されているセルフトラッキングサービスでは、ムードスコープ（心理状態を計測するサイト）・レスキュータイム（時間管理ソフト）・HRV4トレーニング（スポーツトレーニングアプリ）を使うことで、休暇中の有意義な活動が明確化され、活動自体がより楽しくなります。

【注目点】

セルフトラッキングがより毎日を楽しくさせてくる。より充実した時間を送る自分を誇れる
セルフトラッキングは、人間番IoT。病気予防などに寄与できれば、新たなビジネスチャンスを生み出せる？

1について、セルフトラッキングはそれ自体が目的ではないもの、行うことで対象となる活動がより楽しいものとなりえます。それは、その充実感が数値化されることで、明確になるからです。というのも、そういう充実した時間を過ごす自分が誇らしく思えるからです。優越感が得たいというのは、本来人間が持つ欲望なのかもしれません。

2について、IoTの対象が機械なら、セルフトラッキングの対象は人間。ならば、IoTにより故障などのトラブル回避ができるように、セルフトラッキングにより病気予防が可能になるかもしれません。そうなれば、新たなビジネスチャンスが生まれそうです。

この記事を読むまで、ウェラブル端末を使ったセルフトラッキングは、スポーツ好きなど特別な人向けの娯楽というイメージがありました。しかし、目的を明確にしてセルフトラッキングをすることで、無駄な時間消費を最小化できるなど、日常生活をより充実化することが可能になり、より一般人向けのサービスになります。上手くセルフトラッキングを動機付けすることで、より多くの人の日常データを取得できれば、新たな商機が生まれます。セルフトラッキングから、ポイントカードのようなビジネスが生まれるかもしれません。

【記事で紹介されたセルフトラッキングソフト・アプリ】

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《今回のヒントのまとめ》

休暇中にセルフトラッキングをすることが効果的なのは、休暇中こそ本来の自分が映し出されるからである。また、日常に疲弊した自分をどの程度リカバリーできたかも計測できるというメリットがある。さらに、より充実した休暇の過ごし方が数値化されれば、それ自体楽しめることができる。
セルフトラッキングの利点は、数値化されている点である。数値化されているために、意図的な理解・解釈は不要となり、現状と目標との差が明確化される。
休暇中の上手なセルフトラッキング手法は、興味のあることや目標の明確化、その計測手法の決定、数値データが示す現状の確認である。データ取得自体が目的ではない。
ただし、セルフトラッキングにより活動が数値化されることで、休暇中に行う活動の楽しさが半減する恐れがある。この対処方法は、画像撮影など数値化されない記録方法を採用することである。
記録すること自体により、対象の活動をより楽しめる。また、セルフトラッキングが人間版IoTと考えれば、病気予防など新たなビジネスに発展する可能性を有する。

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