【1011号】インドネシアのセブン-イレブンの商品はモノだけではない？

Seven-Eleven

Simon D

◎本日のニュース

1)見出し

In Indonesia, 7-Eleven Tries Selling Another Type of Java

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2)要約

インドネシアのセブン-イレブンの店舗は、10代の溜まり場からITスクールへと変わろうとしている。この背景には、スマホの普及によりインドネシアでIT起業ブームが起こる一方で、ITスキルを持つ人材が不足している現実がある。

若者向けのITスクールが増加する中、セブン-イレブンは、子供を持つ母親にターゲットを定めた。その理由は、もっと稼ぎたいと思うと同時に、自宅で子育てしながら働きたいというニーズがあるからである。

他国とは異なり、インドネシアのコンビニは、コミュニティのハブとして発達してきたことも関係する。

3）キーとなる英文

Millions of people across the developing world are learning to code—the architecture that runs computer software, apps and websites—as a ticket to a middle-class income.

4）キーとなる英文の和訳

新興国では、非常に多数の人がコーディングの技術を身に付けている。

コードとｈ，ソフトウェアやアプリ・ウェブサイトを動かす仕組みであり、中間所得へのチケットでもある。

5）気になる単語・表現

learn to	他動詞句	（自分の努力で）～するようになる；～できるようになる
millions of	名詞句	何百万という；非常に多数の
cottage industry	名詞	家内工業
acute	形容詞	ひどい；鋭い
underdeveloped	形容詞	十分発達していない；低開発の
incarnation	名詞	肉体化；権化
hotbed	名詞	温床；（活動の）集中する所

（今回ピックアップ英単語）

【acute】

（意味）

（強調語として）ひどい、きつい；深刻な= very serious or severe
（感覚が）鋭い(keen)、すぐに反応する；（知力などが）鋭い、鋭敏な= very sensitive and well developed
（痛みなどが）（一時的に）激しい、ひどい＝acute illness is one that has quickly become severe and dangerous
（物が）先のとがった、先端の鋭い；鋭角の= less than 90 degrees
（音が）かん高い

（コメント）

「鋭い」「ひどい」をまず覚える。

6)ビジネスのヒント

インドネシアのセブン-イレブンでは、紅茶とは異なるジャバが販売されているようです。そのジャバとは、コーディングのJAVAです。つまり、ITスキルを学ぶ場となっているのです。

この背景には、インドネシアのIT化があります。

【インドネシアのIT化】

スマホ普及により、IT起業が増加し、ITスキルを持つ人材へのニーズが高まる。
ITスキルを持つ人材が不足している

企業によるITスキルを持つ人材へのニーズが高まる一方で、そのような人材が不足しているのが、インドネシアの現実なのです。このITスキルというのは、アプリなどのソフトウェアやウェブサイトを開発するコーディング技術。コーディング技術を持つ人材の必要性は、今後さらに高まると予想されています。

このようなギャップの存在により、インドネシアでは若者向けコーディングスクールが増加しています。ただし、セブン-イレブンがITスクールでターゲットに定めたのは、若者ではなく母親なのです。

【セブン-イレブンがITスクールのターゲットに母親を定めた理由】

もっと稼ぎたいと考える女性（特に母親）が増えているから
ITスキルを持てば、子育てしながら自宅で働けるから
元々高学歴で能力の高い人もおり、自分の能力を活かせるから

1について、新興国ではITスキルは中間所得層への近道とされています。例えば、インドネシアでは、最低賃金が付き144ドルなのに対し、IT職は302ドルも稼げます。だから、もっと稼ぎたい女性は、ITスキルの習得に強い動機を持つのです。

2について、ただし母親は子育てもしたいとも考えます。この点、自宅で仕事ができるIT職は、子育てしたい女性にとってうってつけなのです。

3について、一部の母親は上位大学の学歴や、アメリカのIT先進地区であるバークレーで勉強した経験を持つ者もいるようです。IT職は、このような高い能力を活かせる機会でもあるのです。

また、インドネシアにおけるコンビニの特異性も関係しています。新興国も含めて他の国とは異なり、コミュニティのハブとして発展してきました。つまり、モノを購入する場所としてだけではなく、人が集まる場でもあるのです。だから、IT技術を学ぶスクール事業を始めやすいのでしょう。

【注目点】

中間所得への近道としてITスキルの習得が新興国で進めば、アプリ・サイト開発単価が大きく下がるかもしれない
好立地で多店舗展開するコンビニは、小売以外にも活用方法が多数ある。

1について、インドネシアのようにITスキルを持つ人材が新興国で増加すれば、アプリ・サイト開発コストが大きく下がる可能性が高まります。この結果、社会のIT化がさらに進むことになるでしょう。一方で、IT開発業界は、単価低下に直面することになります。

2について、コンビニ先進国である日本では、単に小売だけではなく、振り込みサービスやATM機能などサービス拠点としての存在感が増しています。先進国・新興国問わず、海外でもサービス拠点としてのコンビニが、今後増えるのではないでしょうか。

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《今回のヒントのまとめ》

インドネシアのセブン-イレブンが母親向けのITスクールを始めるのは、スマホの普及などによりIT人材へのニーズが高まる一方で、不足しているからである。
若者向けスクールが増加する一方で、セブン-イレブンが母親にターゲットを定めたのは、IT技術を習得すれば稼ぎがいいと同時に、子育てしながら自宅で働けるからである。
また、元々能力の高い高学歴者もおり、IT職は、自分の高い能力を活かせやすいというのも関係している。
インドネシアのように、ITスキルを持つ人材が今後増加すれば、IT開発コストが低下するかもしれない。一方で、IT開発業界にとっては、単価引き下げに直面することになる。
新興国でも、サービス拠点としてのコンビニが増えるだろう。

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