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【1066号】米・スーパー大手が食品通販サービスを拡充する理由とは?

Kroger

 

 

 

※火曜日は簡易版に変更しました。

◎本日のニュース

1)見出し

Grocery Heavyweights Expand Delivery Services

 

 

 

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2)ビジネスのヒント

アメリカのスーパー大手が、食品の通販サービスを強化しているようです。「食品の通販」とは、ネットで食品を販売し、宅配・受取りにより配送するという事業です。もちろん、この場合は競合は、食品のネット通販企業になります。

 

【スーパー大手が食品のネット通販を強化する理由】

  1. ネット専業による食品通販に顧客が奪われ、既存の実店舗販売が記事できなくなると懸念するから
  2. 消費者はより利便性の高い通販を求めているから
  3. ネット通販ユーザーが年配者にまで拡大しているから

 

1について、このネット専業とは、アマゾン・ドット・コム社に他なりません。有料会員制のアマゾンプライム会員の食品購入が増加しており、それが無視できない存在になっています。数字で示すと、ネット通販利用者の半数以上が、アマゾンプライムで食品を購入しているというデータがあります。ちなみに、ウォルマートなどスーパー大手のネット通販での食品購入は、たったの22%です。二倍以上の開きがあります。アマゾンプライムは有料会員制度だけに、会費の元を取ろうと、今後もアマゾンでの食品購入を増やすことでしょう。これでは、既存ビジネスではある実店舗の食品販売が脅かされる恐れがあります。そのため、対抗策として、食品のネット通販を強化しているのです。

 

2について、アマゾンの利用が増えるということは、それだけ消費者は利便性の高いサービスを求めている証左です。実際、時間を節約したいという声は強まっています。食品購入の場合、実店舗で購入するのに必要な時間は約1時間。一方、ネットで購入し、引取に行ったとしても20分で済みます。この差は、消費者にとって大きいのです。

 

3について、ネット通販ユーザー層自体が拡大しています。これまでネット通販を敬遠していた年配層でも、ネットで買い物をすることへの抵抗が薄れています。この将来有望な市場を無視することはできません。

 

食品のネット購入には、次のような予測もあります。

 

【食品のネット購入に関する予測】

2025年までに、ネットでの食品購入額は、1億ドル(食品市場の1/5)に達する

 

スーパーという実店舗で販売する大手スーパーにとっては、耳が痛い話でしかありません。

 

また、アマゾンも食品販売に力を注いでいます。

 

【アマゾンの食品販売への注力】

  1. 食品他店販の会費を値下げ(年会費299ドル→月会費15ドル)
  2. 食品を販売する実験店舗を出店

 

アマゾンが食品販売に力を入れるのは、市場拡大が期待できるだけではなく、購入頻度の高さゆえの集客力にもあるでしょう。たとえ粗利益率が低くても、利用機会が増えてくれれば、客数が増えるからです。

 

大手スーパーによる施策をまとめると、次のようになります。

 

【大手スーパーによる食品のネット通販強化策まとめ】

  1. ネット宅配会社との提携
  2. 受取りサービスの拡充(道路沿いの受取箇所の設置・増加)
  3. その他配送サービスの拡充

 

1について、ネット宅配企業との提携を行うのは、メイヤーとクローガー・メイヤーはシプトと提携し、デトロイト郊外・ミシガン州南東部で実験を実施しています。クローガーは、食品宅配の一部でウーバーを利用する予定であり、ノースカロライナ州ではシプトと提携しています。

 

2は、宅配ではなく店舗または道路沿いの受取箇所での受取サービス。ウォルマートは、道路沿いの受取場所を倍増する計画です。クローガーは、全店(約3000店)の五分の一以上で、道路沿いの受取場所を設置する方針です。

 

3について、ウォルマートは無料の2日後配送サービスを今年開始しています。ネット購入における送料というハードルを排除することで、よりネットで買いやすい環境を提供しています。

 

ただし、コスト高という課題もあります。従来の実店舗販売ならば、顧客は自己負担で店舗までやってきて、セルフサービスで購入してくれます。しかし、ネット通販では倉庫からの商品ピックアップから配送まで、すべて企業負担。たとえ受取サービスを利用してくれたとしても、倉庫からのピックアップから梱包までは販売企業がしなければなりません。人手も含めて、大きなコスト負担が発生します。

 

【注目点】

  1. 配送サービス拡充の裏には、価格競争の回避があるのではないか。
  2. 実店舗での購入は、消費期限の短い食品主体になるのではないか?そのため、店舗の小規模化が進むかもしれない。
  3. 競争が、価格・売場から物流・接客サービスに転換するかもしれない。

 

1について、サービス強化を目指す背景には、価格競争を避ける狙いがあるかもしれません。特に、消費者が利便性を重視しているので、少し高くても利便性の高いサービスを提供すれば、顧客の維持・拡大は可能なのです。

 

2について、食品をネットで購入する習慣が根付いたとしても、生鮮品など消費期限の短い商品は、実店舗で購入され続けます。よって、実店舗の競争領域は、消費期限の短い生鮮品になるのではないでしょうか。その一方で、店舗面積はより小型化すると予想されます。

 

3について、販売はネットで完了すれば、実店舗での売場は従来のような重要性を持たなくなります。一方でより重視されるのが、物流と接客。物流はコストに直結し、接客は顧客獲得・リピートに影響をもたらします。

 

記事では、スーパー大手による消極的な食品ネット通販強化が報じられています。ただし、本当に重要なのは、これに付随する形で起こる変化。つまり、実店舗の競争領域が生鮮品にシフトすると同時に、店舗の小型化、物流・接客の競争が、食品販売でより重要性が増すように思えてなりません。

 

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《今回のヒントのまとめ》

スーパー大手が食品のネット通販を強化するのは、アマゾンなどネット専業に顧客を奪われ、従来ビジネスが成り立たなくなる恐れがあるから。

より重要なのは、その結果、実店舗の競争領域・店舗規模に変化が起こること。そして、ネット通販では、物流・接客の重要性がより増すことである。

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ウォルマートはなぜ、世界最強企業になれたのか (グローバル企業の前衛)
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WSJメルマガを始めてから、7年経ちました。

この7年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

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◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

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編集後記

個人的なことですが、帰宅時間が遅くなりがちなので、自然とコンビニを利用する機会が増えます。

店舗面積が小さいため、買い物時間を短縮できる点もかなり嬉しいです。

もし、一般的な野菜(きゃべつ・人参など)があれば、日常使いでは事足りますね。

コンビニは、まだまだ増えるでしょうね。

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

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今回は私が恩返しします!

 

 

 

 

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