【1092号】職場外での業務が増え続ける理由とは?
◎本日のニュース
1)見出し
Why Remote Work Can’t Be Stopped
【出典】
www.wsj.com/articles/why-remote-work-cant-be-stopped-1496577602
ウォール・ストリート・ジャーナルの最新情報をいち早く知りたい人は、
2)ビジネスのヒント
職場外での業務と言っても、営業のことではありません。所謂リモートワーク・テレワークというものです。ワークフロムホーム(work from home)ともいうかもしれません。つまり、パソコンなどIT端末を使って、職場外で職場にいるのと同じ環境で仕事をするということです。
IBM社は、このリモートワークを奨励から禁止に転換しました。その理由は、思ったほど費用対効果が上がらなかったから。つまりは、コスト削減が想定以下だったからです。結局、本社を含めた営業所の1つで業務を開始することを義務付けました。これを拒絶する人には、会社を去るよう命じただけに、IBM社の強い意志が感じられます。IBM社に続けとばかりに、ヤフー社、バンク・オブ・アメリカ社、アエトナ社などがリモートワーク縮小に転じています。
ただし、これらが大々的に報じられているのは、世間のトレンドと反するから。データからは、リモートワークの拡大が読み取れます。
【リモートワーク拡大を示すデータ】
- デル社の11万人従業員調査によると、17%しか好きな職場で業務を行うことが許可されていないにも関わらず、58%が週一日以上社外で仕事をしている。
- 一部またはすべての業務を自宅で行うアメリカ人の割合:39%→43%
- 社外でしか仕事をしないアメリカ人の割合:15%→20%
※2・3は、2012年→2016年の変化
リモートワークが増える要因は以下の通りです。
【リモートワークが増える要因】
- ITツールの発展により、職場外でも不便なく仕事ができるようになったから。
- 全員参加型のITツールを活用すれば、意思決定の透明性が増し、モラルが向上しやすいから。
- オフィス賃料を節約できるから。
- 従業員の満足度が増し、人材獲得が容易になるから。
1について、当たり前ですが、職場外でも職場と同じ環境で仕事ができるようになったからこそ、リモートワークをする人が増えたのです。これを実現させたのが、パソコン・スマホなどのITツールです。
2について、この記事の主題がこれです。スラックなどのチャットサービスは、全員参加型。このようなITツールを使えば、何が問題で、誰がその問題解決のためにどのような意思決定をしたかを、参加者全員がわかります。透明性が増すことで、仕事のやる気(モラル)が向上するのです。
3について、IBM社では効果はなかったものの、通常はオフィスで仕事をする人が減れば、その分オフィス面積を縮小できます。これは、オフィス賃料を低減させてくれます。
4について、好きな場所で仕事ができれば、従業員満足度が増すのは当然。その結果、人材確保が容易になります。
ただし、リモートワークに向く仕事・向かない仕事があるようです。
【リモートワークに向く仕事・向かない仕事】
(向く仕事)人材採用・教育、法務、マーケティング、分析、データサイエンス、その他社内サポート業務
(向かない仕事)エンジニア、管理職、研究開発、販売、顧客サポート
ただし、ITツールの進化により、この区分に変化が起きているのも事実です。
IBM社などリモートワークを縮小・禁止する企業は、オフィスで一緒に働くメリットを再認識したのでしょう。
【オフィスで一緒に働くメリット】
自然に協力・競合が生まれやすくなること
このメリットをより大きくするために、従業員の導線がより重なる・交差するようにオフィスを設計する例もあるほどです。1つのビルの中で、日常的に従業員が動く導線が100フィート重なれば、協力する確率が17%向上するようです。さらに、プロジェクトの場合、資金調達の成功する確率は20%も増加するようです。人が交差することで、これだけ業務への好影響が生まれるのです。
有名な話では、スティーブ・ジョブズは、ピクサーのトイレをビルフロアの中央に配置しました。一日に何度も人が交差することを期待してのことです。
しかし、このオフィスの効果も、スラックなどITコミュニケーションツールにより、リモートワークでも成立します。参加者全員がすべてのコミュニケーションにアクセスできることが、人の交差と同じ効果をもたらすからです。
さらに、ITツールを使えば、重要な情報や意思決定を見逃すことがなくなります。いつでもどこでも、検索すればアクセスできるからです。この点は、オフィスでの業務よりも勝っています。だからこそ、リモートワークはなかなか無くならず、逆に増える傾向にあるのです。
【注目点】
- ITの進化は、働く場所・学ぶ場所を変えるだろう。
- 働く場所が変われば、消費行動も変わる。
- 職種によって、1つの場所で働く必要のある仕事とリモートワークできる仕事に分かれる。
1について、リモートワークが可能になったように、学びの場もリモート化する可能性は高いでしょう。実際に、日本のN高校はネットで講義を受講できるようです。ただし、ずっと1人ではモチベーションの維持が難しくなるので、たまに集まって仕事・勉強できるコワーキングスペースのような場も重要になると思われます。
2について、職場に行く必要がなくなれば、仕事中・仕事後に買い物することが無くなります。前回のメルマガで紹介した、職場に近接する消費施設そのものが成立しにくくなります。
3について、ただし、職種によってリモートが可能な仕事かどうかは違ってきます。例えば、前回メルマガのような産業団地で働くような仕事の場合は、リモートはほぼ不可能。だから、職場近接の消費施設は成立します。リモート可能な仕事かどうかで、働き方そのものが変わってきます。仕事にも二極化が起きていると言えるでしょうか。
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《今回のヒントのまとめ》
グループチャットなどITツールの進展により、職場で一緒に働く以上の効果が、リモートワークで可能になる。
だからこそ、リモートワークはなかなか無くならず、逆に増える要素が強い。
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7)おすすめ商品・サービス
◎最近見つけた気になるもの
最近夜遅くまで仕事をする機会が多いので、夜食用に買ったのがこちら。
カロリーメイトのようなデザインですが、本家よりも美味しく、しかも腹持ちもします。
しかも、安い。(確か200円しなかったような。)
「トーストココナッツ」というネーミングも、食欲をそそります。
小腹がすいた時に、ぴったりですね。
次はどのフレーバーにしようかな。
BALANCE POWER トーストココナッツ
◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語
WSJメルマガを始めてから、7年経ちました。
この7年間でわかったことがあります。
読む上で知っておくべき単語さえわかれば、
大まかな内容はわかるということ。
備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。
今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。
◎Winecarte 簡単ワインの選び方
ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、
ワインの情報を探すのが大変ということ。
公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、
作っています。
編集後記
スマホがそろそろ買い換えになりそうです。
あまり酷使していないにもかかわらず、電池の無くなり様が早いから。
でも、欲しい機種なかなか無いのですよね。
3万円以上の高額商品だけに、妥協はしたくないもの。
モバイルバッテリーで延命するのもありです。
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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
感謝・感謝・感謝です!
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