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【478号】ウォールマートも注目するローカル農産物とそのベネフィット

ファーマーズマーケット

(From Flickr

◎本日のニュース

1)見出し
‘Local’ Grows on Wal-Mart

【出典】
goo.gl/H8rmQ

2)要約
ウォールマートストアーズ社やスーパーバリュー社など、
アメリカの大手スーパーチェーンが、
地元で栽培された生鮮野菜と果物(ローカル農産物)の販売を
強化している。

この変化の一番大きな要因は、コスト削減である。
店舗の近くの農家より仕入れることにより、
輸送距離が短くなり、高騰するガソリンコストを削減できる。
また、採れたての生鮮品を店頭に並べることで、
廃棄ロスを減らすこともできる。

また、顧客ニーズへの対応という理由もある。
野菜の直売所やホールフーズマーケットなどの
ハイエンドスーパーを支持する消費者が増えており、
より新鮮な食材が求められている。

ただし、「ローカル」という言葉に正式な定義がなく、
各社それぞれ違った意味合いで使っているので、
中小農家や有機野菜支持者から批判を招いている。
また、害虫や気候の制約のあるローカル農産物では、
年中需要のある農産物を賄えないという問題もある。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
While some retailers, such as Wal-Mart and
Kroger Co., say that buying locally yields
savings, most of the chains say their main
objective is to satisfy changing consumer
preferences.

4)キーとなる英文の和訳
ウォールマートやクローガー社のような小売企業は、
地元農産物を購買することでコスト削減につながると主張するが、
一方、ほとんどのチェーンでは、その主要な目的は、
変化する消費者の嗜好を満たすためとしている。

5)気になる単語・表現
yield   他動詞     ~を生ずる、もたらす

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
ウォールマート(Wal-Mart Stores Inc.)を代表とする
アメリカの大手スーパーは、
ホールフーズ(Whole Foods Market Inc.)を除いて、
世界中で低価格の商品を大量に調達し、
それを低価格で販売することで、消費者の支持を得ていた。
賞味期限の短い農産物の場合は、世界で調達できなくとも、
低コストで栽培できるアメリカの農家から大量に調達していた。
しかし、それらの企業が今後、
地元で栽培されるローカル農産物を強化するので、
これは大きな変化と言える。

各社のローカル農産物に関する方針・状況は以下の通りである。
◯ウォールマート:2015年までにアメリカの店舗で販売する
ローカル農産物を2倍に増やし、農産物全体の9%を目指す。
◯スーパーバリュー(Supervalu Inc.):現在1100店舗以上で、
25~40%の割合でローカル農産物を取り扱っている。
◯セーフウェイ(Safeway Inc.):今後5年間で、
ローカル農産物の取扱いを増やす。

この変化の理由として、

調達コストの削減を挙げる企業もあるものの、
ほとんどの企業は、消費者ニーズへ対応するために、
ローカル農産物の取扱いを強化している。
この消費者ニーズは、野菜の直売所(ファーマーズマーケット)や
ホールフーズの人気に表れている。
これらのお店で消費者が買うのは、新鮮な野菜や果物。
このニーズをすくいとるために、
新鮮なローカル農産物の取扱いを強化している。しかし、このローカル野菜には正式な定義がないため、
消費者を欺くことになりかねない。各社の定義は、
◯ウォールマート:販売店舗と同じ州で収穫された農産物を
ローカルとして表示。
◯セーフウェイ:販売店舗から車で8時間以内の場所で収穫された
農産物をローカルとして表示。
◯クローガー(Kroger Co.):販売店舗と同じ州か同じ地域で収穫された
農産物をローカルとして表示。
◯スーパーバリュー:店舗によって異なる。隣接する州で収穫された
農産物までローカルとして表示する販売店舗もある。
で、各社様々である。直売所で購入していた消費者が、
ローカルという表示にひかれてスーパーで購入したものの、
直売所ほど新鮮ではなかったという事態になりかねない。

これを防ぐためには、ローカル農産物の消費者ベネフィットを考える必要がある。
消費者は、何かしらのベネフィットを感じているからこそ、
ローカル農産物を購入している。そのベネフィットを、
ローカルという曖昧な表現ではなく、
より具体的なわかりやすく表現すれば、
曖昧なローカル表示の中で差別化できる。

ローカル農産物の一番のベネフィットは、新鮮さだろう。
この新鮮さを単に「新鮮」という表現ではなく、
より具体的に説明すればこのようになるだろうか。
「◯◯産のため、通常のキャベツよりも◯◯日長く
美味しく食べることができます。」
「◯◯産のため、通常のキャベツよりも甘味があるので、
生で食べるのに適しています。」
消費者がローカル農産物の購入後に行うことは、
「保管」「調理」「食べる」という3つの行為である。
この3つの行為において、ローカル野菜は
どのようなベネフィットを消費者に提供できるのか。
このベネフィットをより具体的に伝えることができれば、
ローカル野菜の支持は強まるだろう。
少なくとも、その定義の曖昧さによる
ローカル野菜離れを防ぐことができる。

ローカル農産物というと、地消地産という大義名分で
売れているという印象がある。
ただ、その大義名分は脆いものであり、
ローカル農産物を購入するベネフィットがわからなければ、
長続きしない。ローカル農産物にも、
そのベネフィットを伝える努力が必要とされる。

***************************
《今回のヒントのまとめ》

1)ウォールマート・スーパーバリューなど
アメリカのスーパー大手は、
ローカル農産物の販売を強化している。
その理由は、調達コストの削減にもあるが、
ほとんどの企業は、消費者ニーズへ対応するために、
ローカル農産物を重要視している。

2)ただ、ローカルという表現には正式な定義はなく、
各社各様でローカルという言葉を使っている。
今後、この曖昧な表現によって、消費者の離反を招く可能性がある。

3)これを防ぐためは、ローカル農産物のベネフィットを、
より具体的にわかりやすく消費者に伝える必要がある。

4)地産地消という大義名分のもと購入している消費者も多いので、
ローカル農産物のベネフィットがわからなければ、
この人気も一過性のブームに終わり、長続きしないだろう。

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編集後記
こんばんは、高尾です。
携帯電話のSMS(ショートメッセージサービス)が
異なるキャリア間でも送受信できるようになって初めて、
ソフトバンクの友人からSMSを受け取りました。
(SMSとは、携帯電話の番号でメールが送れるサービス。)
これは便利ですね。
3月にソフトバンクからAUにMNPしたのですが、
変更後のメールアドレスは伝えていませんでした。
伝えればいいのですが、この作業は大変面倒。
この面倒さが、MNPの大きなハードルだったのでしょう。
しかし、今後は、電話番号さえわかれば、
キャリアが違ってもSMSでメールを送ることができます。
e-mailよりもSMSは送信費用が高いですが、
これで友人と連絡が取れると思えば安いもの。
SMSの自由化で、MNPが増えるような気がします。

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