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【1141号】今年のブラックフライデーが小売業の収益改善に寄与した原因とは?

Black Friday

 

◎本日のニュース

1)見出し

Black Friday Kicks Off, With Upbeat Shoppers and Fewer Discounts

 

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2)要約

今年のブラックフライデーでは、経済環境の好転により売上が拡大している。さらに、小売企業にとっていいことは、在庫圧縮のため無理な値下げを回避できたことだ。

 

そうは言っても、消費者のバーゲンハンターぶりは感謝祭当日から始まっている。さらに、スマホを使って簡単に価格比較ができることにより、より大きな値下げを待つ傾向も高い。

 

しかも、従来型小売企業は、消費のネットシフト・モノからコトへの消費シフトに直面している。そのため、昨年並の値下げに頼る企業もある。

 

3)キーとなる英文

After a year of struggling to keep up with consumers’ shift to e-commerce, many retailers found themselves in unexpectedly good shape on Black Friday with pared-down inventories and less need to slash prices to lure shoppers.

 

4)キーとなる英文の和訳

消費者のネット通販シフトに追いつこうと長年苦労してきた多くの小売企業だが、ブラックフライデーでは、予想外のいい状態にある。

その要因は、在庫圧縮と集客のための値上げの必要性の低下である。

 

5)気になる単語・表現

robust 形容詞 活発な;しっかりした
underpin 他動詞 ~を下から支える
pilgrimage 名詞 巡礼
a host of 名詞句 多数の

 

(特に覚えておきたい単語)

【robust】

  • strong and healthy
  • strong; able to survive being used a lot and not likely to break
  • (of a system or an organization) strong and not likely to fail or become weak
  • strong and full of determination

 

(コメント)

strongがすべてに共通する。

 

6)ビジネスのヒント

今年のブラックフライデーは、従来型小売企業にとって好成績のようです。好成績とは、収益性が高いということ。その理由は、以下の通り。

 

【今年のブラックフライデーが収益性の改善に寄与している理由】

1)賃金上昇・失業率低下・消費者心理改善により、売上が伸びやすい環境であるため。→売上増

2)在庫圧縮を進めており、無理な値下げを回避できるから。→利益増

 

1・2はまさに、収益性を因数分解して説明したもの。要は、売上が伸びやすい外部環境であり、さらに内部環境では利益が増えやすい状態になっているということ。

 

今年の年末セールに関して、次のようなデータがあります。

 

【今年のブラックフライデー・年末セールのデータ】

  • ブラックフライデーの売上予測:330億ドル、昨対比8%増
  • 11~12月の年末商戦の売上予測:6820億ドル、昨対比4%増
  • 17カテゴリーのブラックフライデー平均値引率:45%(昨年は48%)
  • ブラックフライデーのネット売上予測:昨対比18%増
  • アマゾンの感謝祭スマホアプリ経由の受注金額:50%増

1・2は経済環境の好転により、消費が活発になっていることを物語っています。さらに、値引率は昨年よりも穏やかで、小売企業の収益改善が期待されます。それ以上にすごいのは、ネット売上。小売全体と比べても、その増加率の高さは注目です。

 

ただし、感謝祭から始まるブラックフライデーセールの激しい値引き販売は、依然行われているのも事実です。

 

【依然激しいブラックフライデーセールでの値下げ販売】

  • コーチ・ギャップの割引率は昨年と同率。
  • 多くの消費者は、感謝祭当日から値下げ品を探している。
  • より大きな値下げを待つ消費行動が定着→今後の激しい値下げの可能性大

 

在庫圧縮に成功して無理な値下げを回避できたからといっても、消費者がそれを望んていれば、しないでは済みません。大手ブランドのコーチやギャップですら、昨年並の値下げを余儀なくされています。消費者の値下げを待つ行動により、ブラックフライデーは収益改善できたものの、年末商戦全体では昨年並の割引率を余儀なくされるかもしれません。

 

また、従来型小売企業が直面する課題は、依然残っています。それは、消費のネットシフトと、モノからコトへの消費シフトです。この結果、アクセサリーやアパレルを売る実店舗型小売企業は、本当に売れなくなっています。

 

さらに、ネットシフトから思わぬトラブルも発生しています。

 

【ブラックフライデーに起こったネットシフトによるトラブル】

  • ナイキ社:サイトでエラーが発生し、一時受注できず。
  • メイシーズ社:クレジットカード支払いシステムがダウン。

ネット注文が想定以上に増えたのでしょう。ネットシフトが今後続くとなると、小売企業はIT投資を避けて通られないようです。

 

【注目点】

  • 小売企業は、予測精度が収益を左右する
  • 一度根付いた消費行動は、なかなか変わらない。(経時的メリットがなければ)

 

1について、収益性の改善に寄与した在庫圧縮がなされたのは、予測精度が高まったから。将来予測はどの企業でも重要ですが、粗利益率の低い小売企業では特に収益を左右するようです。

 

2について、経済環境が好転しても、ネットで価格を比較してより高い割引きを待つ行動は、変わりそうにありません。それは、経済的なメリットが小さいから。スマホの登場で、価格比較の手間が本当に小さくなりました。今後、より経済的なメリットがない限り、この消費行動は変わらないでしょう。

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《今回のヒントのまとめ》

  1. 今年のブラックフライデーで収益が改善しそうなのは、経済環境の好転により、売上の増える可能性が高いからである。
  2. さらに、在庫圧縮により、無理な値下げを避けて、利益の増える可能性が高いからである。
  3. ただし、消費者の価格比較・より大きな値下げを待つ行動は変わりそうもないため、ブラックフライデーから昨年並の値下げで挑む有名チェーンもある。
  4. 従来型小売企業が直面する、消費のネットシフト、消費のモノからコトへのシフトも、変わりそうにない。
  5. 経済的メリットがない限り、一度根付いた消費行動はなかなか変わらない。その中で収益性を伸ばすには、将来予測の精度を高める必要がある。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけた気になるもの

泉佐野市のふるさと納税は、本当に挑戦的です。

今度は麦とホップ2ケースを、1万円コースに追加。

まだ自宅のビール在庫はあるものの、ついついポチッとしてしまいそうです。

 

 

編集後記

思えば、先日初めて埼玉県で宿泊しました。

ホテルの近くにコンビニがないのは、本当に困りますね。

5分歩くのは結構しんどい。

 

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