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【537号】アメリカで4大ネットワークが人気を取り戻している理由とは?

◎本日のニュース

1)見出し
Over-the-Air TV Catches Second Wind, Aided by Web
【出典】
goo.gl/gk2GL

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2)要約
アメリカで、

無線電波で発信される4大テレビネットワークの人気が、
復活している。これまでは、ケーブルテレビや衛星放送の後塵を拝していた。その理由は、ネットで動画を配信するサービスが充実し、
ネット動画サービスと4大ネットワークでテレビを見れば、
4大ネットワークが見られるケーブルテレビや衛星放送と
契約するよりも安く付くからである。その影響で、
ケーブル・衛星放送の契約者が減少する一法で、
無線でテレビ放送を見るアンテナの売上が急増している。

この変化は4大ネットワークの収益にも影響を与えている。
ケーブル放送は、視聴者から高額な月会費を徴収できるため、
エンターテイメント業界の中でも最も収益の上がる部門である。
その会費収入の一部は、ケーブルを介して放送されるテレビ局
にも支払われていた。しかし、従来は売上のごく一部に
過ぎなかった無線配信局からの収入が、アンテナを介して
テレビ放送を見る消費者の増加により、増加に転じている。

4大ネットワークは、現在のケーブルテレビを介して配信する
モデルを保持したいとされている。それは、4大ネットワーク自体が
ケーブルチャンネルを保有しており、また、ネットを介した広告収入を、
従来のテレビ放送と同額に保つ方法がわからないからである。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
With an increased array of online-video programming
now drawing viewers’ attention, companies are starting
to pitch consumers on complementing online video streamed
from the Web with broadcast-TV signals as a way
to save money on cable subscriptions.

4)キーとなる英文の和訳
多彩になるネット動画番組が視聴者の注目を引くにつれて、
消費者にウェブ上で流れるオンライン動画を無線の
テレビネットワークで補完してもおうと、企業は動き始めている。
そうすることによって、ケーブルテレビの視聴料金を
節約することができる。

5)気になる単語・表現
array名詞整列、配列;~の勢ぞろい
pitch他動詞~を投げる
broadcast名詞放送
signal名詞信号
subscription名詞購読料

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
4大ネットワークの人気が復活しているという。
その結果、あるアンテナ製造企業では、
アンテナの売上が2011年には60万台に増加したという。
2010年が40万台の売上だから、1.5倍に増えたことになる。
そして、2012年は、昨対比で2倍の増加を見込んでいる。

ちなみに、4大ネットワークとは、ABC・NBC・CBS・FOXの
テレビ局で、電波を介して配信される。その点、
ケーブルテレビや衛星放送とは、配信方法が異なる。
ただし、ケーブルテレビや衛星放送と契約すれば、
ケーブルや衛星を通じて4大ネットワークを見ることができる。

フールー(Hulu)やネットフリックス(Netflix)など、
オンライン動画サービスが充実するのに、
なぜ4大ネットワークの人気が復活するのか。
一見、矛盾しそうであるが、実際には矛盾しない。
それは、ケーブルテレビや衛星放送の代替品として、
オンライン動画サービス+4大ネットワークを利用する
消費者が増えているからである。

ケーブルテレビ・衛星放送とオンライン動画サービス+4大ネットワークを
比較すると、下記のようになる。
1.ケーブル・衛星:視聴料金が高い、収益モデルは視聴者への課金
2.オンライン動画サービス+4大ネットワーク:視聴料金が安い、
収益モデルは視聴者課金と広告収入

従来は、無線で視聴困難な地域でもテレビを視聴でき、
さらに多チャンネルを楽しめるケービルテレビや衛星放送が、
人気を博していた。しかし、ケーブル・衛星を見るには、
ブロードバンドサービス込みで月に平均91.44ドルかかる。
一方、オンライン動画サービスと4大ネットワークに切り替えると、
48ドル以下で済む。一ヶ月のコストが約半分になるので、
内容に大差ないなら、後者のサービスに移行してもおかしくない。
ただ、4大ネットワークを見るには、電波を受信するアンテナを
取り付ける必要がある。この費用が50ドル~150ドルかかるが、
これは一度きりの費用。ネット+アンテナに切り替えれば、
相当な節約になる。景気低迷による消費者の節約志向が
進んでいることを考えると、この切り替えをする消費者が
増えるのも納得できるし、アンテナの売上が急増しているのも理解できる。

この消費行動の変化が起こったのは、
代替物の出現
による。この場合の代替物とは、低価格のオンライン動画サービス。
このオンライン動画サービスのコンテンツが充実したために、
ケーブルテレビや衛星放送のコンテンツ≒オンライン動画サービスのコンテンツ
が起こり、ケーブルや衛星の契約を解除する消費者が増えることになった。
ちなみに、オンライン動画サービスでは、オンデマンド放送が多いため、
リアルタイムの情報が不足することになる。このリアルタイムの情報を、
4大ネットワークが補うことになる。
だから、オンライン動画サービスだけでケーブルや
衛星の代替物になることはできず、4大ネットワークの存在が必要になる。

企業に影響を与えるのは、代替物だけではなく、その他に4つある。
これらはファイブフォースと呼ばれる。
1.競合
2.供給業者
3.顧客
4.代替物
5新規参入
これらが企業に影響を与えるので、事業を進めるにあたり
常に注意をしなければならない。

オンライン動画サービスという代替物の出現により、
変化を余儀なくされたのは4大ネットワーク。消費者が、
ケーブルや衛星放送からオンライン動画と4大ネットワークに
移行することにより、ケーブル・衛星事業者から得ていた
収益が減少することになる。その一方で、
4大ネットワークの番組を配信する放送局(恐らく地方局)から
配信収入を得ることができるが、その額はケーブルテレビから
得られる収入と比べると微々たるものである。

さらに、消費者は、オンライン動画サービスが見られる
ネットにつながった端末で、4大ネットワークの番組を見ることになる。
消費者の視聴方法が変化することで、ケーブル・衛星放送や
無線時代のテレビで見る場合と比べて、広告収入に影響ができることは必至。
ケーブル・衛星からの収益減と広告からの収入減という、
ダブルパンチを受けることになる。この減少をどうやって補うか。
代替物が引き起こした変化へ、どのように対応するのかが注目される。

Hulu  www.hulu.com/
NetFlix signup.netflix.com/
Antenna Direct(アンテナ販売) www.antennasdirect.com/

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《今回のヒントのまとめ》
1)アメリカで、4大ネットワークの人気が復活する一方で、
ケーブルテレビや衛星放送の解約が増えている。

2)この原因は、オンライン動画サービスが充実したためで、
この代替物の出現により、月額視聴料金の高いケーブルや衛星が敬遠され、
より低価格のオンライン動画サービスと4大ネットワークの
組み合わせが選好されるようになった。

3)この代替物に出現により変化を余儀なくされたのが、
4大ネットワーク。ケーブルテレビや衛星放送から得ていた
大きな収益が見込まれなくなるからである。
一方、4大ネットワークの配信局からの収益が増えることになるが、
その額は、ケーブルや衛星からの収益には及ばない。

4)さらに、オンライン動画サービスと一緒に見る消費者の
視聴スタイルの変化により、広告収入にも影響が出るのは必至である。

5)これらの変化はすべて、代替物の出現による。
代替物を含めファイブフォースは、事業経営に大きな影響を与えるのが、
注意が必要である。

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
感謝・感謝・感謝です!

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