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【801号】米電力会社が、コストを顧客に押し付けてまで電気自動車充電ステーションの建設を急ぐ理由とは?

electric car

 

 

◎本日のニュース

1)見出し
U.S. Utilities Push the Electric Car

 

【出典】

 

 

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2)要約

電力会社が電気自動車普及の旗振り役となり、充電ステーションの増設に動いている。この背景には、省エネ家電の普及により、電力売上が低迷していることがある。ただし、建設コストは全顧客の月ごと請求にプラスしており、顧客から反発が起きている。

 

電気自動車の売上は急増しているが、まだ全新車販売の0,5%にも満たない。その理由として、充電ステーションの少なさが挙げられる。電力会社はこの障壁を打破すれば、電気自動車が普及し、電力販売増につながると考える。

 

ただし、運転距離の短さや充電時間の長さ、車体価格の高さなど、充電ステーション以外にも売れない要因は存在している。

 

◎キーセンンスとその翻訳

3)キーとなる英文

As utilities across the U.S. grapple with stagnant electricity sales, many see opportunity in the fledgling need for electric-car charging stations.

 

4)キーとなる英文の和訳

全米の電力会社は、低迷する電力販売という課題に取り組むため、多くの事業主は、電気自動車用充電ステーションの潜在ニーズにビジネスチャンスを見出している。

 

5)気になる単語・表現

utility 名詞 公益事業
grapple with 自動詞句 ~に取り組む;~をつかみ合う
stagnant 形容詞 停滞した、不景気な;流れない、よどんだ
fledgling 形容詞 駆け出しの、未熟な

 

◎記事から読み取った今日のヒント

6)ビジネスのヒント

普及しそうで普及しない電気自動車。しかしながら、その販売数量は急増しています。昨年アメリカで売れた個人用電気自動車は、約46000台。数字自体は小さいものの、2012年の3倍にまで増加。ただし、たった46000台でもあるのです。全新車販売台数の0.5%にも満たない規模なのです。

 

電気自動車が思ったほど普及しない要因をまとめると、次のようになります。

 

【電気自動車が普及しない要因】

[1]   運転距離は短い一方、補給時間は長く、使い勝手が悪いから

[2]   燃料コストは低いものの、車体価格が高いから

[3]   ガソリン車の燃費向上が今後も続く予定だから

[4]   充電ステーションが少なく、不便だから

 

1について、一回の充電で掛かる時間は8時間。なのに走れる距離は100マイル未満。これほど使い勝手が悪ければ、燃料コストの低さというメリットが消えてなくなります。

 

2について、例えばフォードのフォーカスでは、電気自動車は35000ドルし、ガソリンタイプよりも11000ドル高いそうです。これだけ高いと、燃料コストが低くても、相当長い距離走らないと元が取れません。ただし、長距離を走ろうにも、一回の充電で100マイル未満しか走らないとなると、そう簡単に長距離運転ができるわけでもありません。

 

3について、競合するガソリン車の燃費が、省エネ規制によりさらに高まれば、燃料コストの低さをウリにする電気自動車のメリットが薄れることになります。ちなみに、今は1ガロン35マイルしか走りませんが、2025年までに53マイル走ることになっています。

 

4について、電力会社はここに注目しました。充電ステーションが少ないから、電気自動車は売れないと。充電ステーションさえ増えれば、燃料コストが低く、大気汚染もない電気自動車を買いたい人は多く現れると。そこで、次のような施策を使って、充電スーションの増設に動いています。

 

【電力会社の充電ステーション増設例】

[1]   ドラッグストアやスーパーなど便利な場所への建設

[2]   自宅に充電設備を導入すれば、50%割引

[3]   会社で5人以上電気自動車を所有していれば、充電設備を会社に供与

 

大盤振る舞いをしてでも、電力会社は充電ステーションの増設を急いでいることがわかります。ただし、その費用を負担するのは、電力会社の全顧客。つまり、家庭用電力を使い、毎月電気代を支払っている全顧客であって、充電ステーション利用者だけではないのです。そもそも、車体価格の高い電気自動車を所有するのは少数であり、たいてい金持ちなので、もちろん、顧客の反発が起こります。

 

では、なぜ電力会社は自腹で作らないで、顧客にコストを転嫁するのでしょうか。それは、電力販売が低迷し、余裕がないからです。そもそも、充電ステーションの増設に動いたのも、電気自動車が普及すれば、燃料元がガソリンから電力にシフトし、電力売上が増えると見越したからに他なりません。そのための投資余力が自らないために、顧客にささやかな負担をお願いしているのです。

 

ちなみに、電力請求で上乗せしているのは、月40セントほど。日本円でたったの40円ですが、それでもアメリカの消費者は値上げには敏感なようです。どれほどの強い反発かはわかりませんが、アメリカ消費者の弱さを物語っているのかもしれません。

 

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《今回のヒントのまとめ》

(1)電気自動車が思ったほど普及しないのは、短い運転距離に反して長い補給時間など使い勝手が悪いからであり、車体価格の高さやガソリン車の燃費向上も影響している。

(2)電力会社が注目したのは、充電ステーションの少なさが電気自動車の普及の障害になっている点。そこで、充電ステーションの増設に動いている。

(3)ただし、そのコストは、自腹ではなく、契約する全顧客に上乗せしており、電気自動車を持たない顧客から不満の声が上がっている。

(4)電気会社が顧客に負担を求めるのは、電力販売が低迷し余裕がないからである。そもそも、電気自動車の普及を後押しするのも、電力販売の増加を期待してのこと。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけたいいもの

いいものというよりも、期待よりもマシだったという程度でしょうか。

いや、本当の評価はこれからかもしれません。

先日、近くのダイエーで買ったのが、こちらの純米酒。

地元の灘の酒であり、価格が手頃だったというので買ったのですが、意外に口に合いました。

特別な感動があったわけではなかったですが、800円以下で飲める純米酒にしてはよかった。

そう辛くはなく、飲みやすい方で、スイスイ飲んでしまう危険性がありますがね。

普段飲みとしては、十分選択肢に入る銘柄ですね。

(追加レビュー)

開栓後、冷蔵庫に冷やして飲んでいるのですが、少し甘く感じます。

純米酒からでしょうか、それとも沢鶴さんのだからでしょうか。

スイスイとは行けないほど、私には甘く感じます。

酒度+3なんですがね…

沢の鶴 純米酒山田錦

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

日本でも電気自動車はまだ少なく、たまに日産・リーフを見るぐらい。

充電ステーションもあまりありませんね。

それよりも、水素自動車の方が普及早かったりして。

気になるテクノロジーです。

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

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