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【813号】活用の増えるビッグデータ、その価値はおいくら?

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Roy

 

 

◎本日のニュース

1)見出し
The Big Mystery: What’s Big Data Really Worth?

 

 

 

 

毎週火曜・土曜の18時、メルマガにて配信。

(サイトへの掲載は、翌日以降です。)

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2)要約

個人の購入履歴やSNS上の投稿、GPS利用方法などのデータは、ビジネス全体への影響力を増している。その一方で、その価値測定方法に公式なやり方はない。

 

会計当局が苦労するのは、その計算方法に前例がなく、逆に制定しても企業の事務負担が大きく増し、批判を招く恐れがあるからである。個人データなど、データの価値が毀損しやすいことも、計算方法の難しさの要因である。

 

特許・商標などの無形資産の価値は、80兆ドル以上とされ、ドイツ・フランス・イタリアの名目GDPの合計に等しいとされる。ビッグデータが無形資産として測定されれば、その価値はさらに増すことになる。

 

◎キーセンンスとその翻訳

3)キーとなる英文

As more companies traffic in information and use big-data analytic tools to find ways to generate revenue, the lack of standards for valuing data leaves a widening gap in our understanding of the modern business world.

 

4)キーとなる英文の和訳

より多くの企業が情報の不正取引をし、ビッグデータ分析ツールを使って収益を上げる方法を見つけるほど、データの価値測定基準がないことが、次のような結果を招くことになる。

それは、現在のビジネス界の評価の違いが、大きくなるということである。

 

5)気になる単語・表現

traffic in 自動詞句 ~の不正取引をする

 

◎記事から読み取った今日のヒント

6)ビジネスのヒント

その価値が、80兆円にも昇る無形資産は、IT企業の宝とされています。そのため、特許目当てにM&Aが行われるほど。しかし、ビッグデータに目を移すと、その重要性はIT企業だけに留まりません。例えば、スーパーマーケット運営のクローガー社。クローガーは、2600店以上でPOSデータと約5500万人のカード会員の購入履歴を記録しています。これは、ビッグデータそのものです。クローガーは、このビッグデータを自社の売上トレンドの掌握に使うだけではなく、仕入れ業者への販売も行っています。この売上は、年間1億ドル以上。

 

クローガーのように、データが収益と直結すれば、その価値を測定するのは難しくありません。しかし実際は、クローガーのような例は稀で、ビッグデータの生み出す価値を測定するのは相当難しいのです。公式な測定方法もありません。

 

会計当局のFASBでは、ビッグデータと知的財産の影響力が増すことに対応しようと、情報の価値測定ルールを作ろうとしていますが、大変苦労しています。その理由をまとめると、次のようになります。

 

【ビッグデータの価値測定が難しい理由】

  • データ収集作業を費用とするか投資とするか、定かではないから
  • データの寿命・将来価値の測定は難しいばかりではなく、膨大な事務作業を発生させ、批判を招くから

 

1について、データ収集に従業員が費やした時間が費用ならば、販売管理費に計上されます。一方投資ならば資産として計上されます。この違いによって、データの価値は大きく変わることになります。

 

2について、個人情報は時間経過とともに減価する特徴があります。それは、引っ越しや嗜好の変化があるからです。これを見越して、データの寿命・将来価値を測定し、その価値に変化があれば、即座に反映させる必要があります。これにより、膨大な事務作業が発生することになります。

 

上場企業ならば、無形資産の価値を株価から測定することが可能です。具体的には、時価総額から負債を引き、その金額から無形資産以外の資産金額を引くという方法です。しかし、バブルの発生などにより株価が適正化ではない危険性があります。

 

M&Aの価値測定(デューデリジェンス)でも、測定価格は人によってマチマチで、もめやすいのが実情です。今後、ビッグデータ活用技術が向上し、ビッグデータの収益力が増すと、ビッグデータを含む無形資産の価値が向上するかもしれません。そうなれば逆に、事業の将来性が低くなった場合、これまで以上の特別損失が生まれやすくなり、株価変動がより大きくなります。

 

ビッグデータが資産として公式に測定できるようになれば、ビッグデータ収集・活用に積極的に取り組む企業が更に増えるかもしれません。

 

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《今回のヒントのまとめ》

  • ビッグデータの公式な測定手法は、未だ存在しない。よって、その価値は測定する人によって異なる。
  • 公式な方法が出来ない要因は、データ収集が費用なのか投資なのか定めにくく、データの寿命・将来価値の測定に膨大な手間が掛かるからである。
  • 株価やM&A価格から推定することも可能だが、株価はバブルの可能性があり、M&A価格は測定者によってマチマチというデメリットがある。
  • ビッグデータが資産として公式に測定できるようになれば、ビッグデータ活用を積極的に進める企業が更に増えるかもしれない。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけたいいもの

菊正宗の超特選大吟醸を、開栓後数日経過してから飲みましたが、辛さがさらに味わえ、個人的にはとてもよかったです。

今のところ、灘の大吟醸ランキングでは、菊正宗がトップです。

菊正宗 超特選大吟醸

 

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

クライマックスファーストステージで、オリックスが敗れました。

最後までもつれた首位争いの疲れが出たのでしょうか。

それとも、極度の緊張に襲われたのでしょうか。

一方勝った日本ハムは、のびのびと試合を楽しんでいたように感じました。

余裕が大切。

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

 

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