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【926号】オムニチャネル戦略は本当に儲かるのか?

seven eleven outlet

 

 

◎本日のニュース

1)見出し

Retailers Struggle Getting E-Commerce Goods to Customers, Study Says

 

 

 

 

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2)要約

「ネットで注文、店頭で受取」という戦略を採用する小売企業が、増えている。しかし、思ったほど効果が出ているとは思えない。

 

そもそも、高騰する運送コスト削減のために、小売企業は店頭受取サービスを始めた。しかし、実際には店頭での業務が増えることになり、コストが加わっただけではなく、クレームも増えている。

 

消費者が店頭受取サービスを選ぶのは、送料が掛らないから。だから、店頭で増えた業務コストを課金することも難しい。

 

3)キーとなる英文

“Buy online, pickup in store” has become an increasingly popular strategy for retailers looking to reduce delivery costs. But a new study reveals it isn’t working as well as the store owners hope.

 

4)キーとなる英文の和訳

「ネットで購入、店頭で受取り」という戦略が、小売業界で益々広がっている。

その目的は、配送コストの削減である。

しかし、新たな調査によると、店舗オーナーが期待するほど機能していない。

 

5)気になる単語・表現

popular 形容詞 人気のある;広く普及した
blunder 名詞 誤り、不手際
unforgiving 形容詞 (他人を)許さない;厳しい、容赦のない

 

(今回ピックアップ英単語)

【forgive】

(英英)(1)to stop feeling angry with somebody who has done something to harm, annoy, upset you; to stop feeling angry with yourself

(2) to say that somebody does not need to pay back money that they have borrowed

(意味)~を許す;(借金など)を免除する

(ビジネス)forgive interest payment

「金利を免除する」

forgive loans

「債券を放棄する」

(その他)

ビジネス系のWSJでは、「~を免除する」という意味が圧倒的に多い。

ちなみに、forgoは、「(楽しみなど)を差し控える;~なしで済ませる」という意味。

 

6)ビジネスのヒント

今回は、「ネットで注文、店頭で受取り」というオムニチャネル戦略に関する記事。小売企業がオムニチャネル戦略を採用する理由は、次の通り。

 

【実店舗を持つ小売企業がオムニチャネル戦略を採用する理由】

  1. ネット通販専業にはない強みだから
  2. 高騰する配送コストを削減したいから

 

1は、ネット専業小売にはない利便性を利用者に提供できるから。実店舗があることで、単に手渡しするだけではなく、商品を手にとって確認・試すことができます。

 

2こそ、この記事が注目する理由。配送コストの上昇は、粗利を大きく圧迫しているようです。ネット通販の高い成長率は一見ビジネスチャンスに見えますが、利益を確保しながら、ネット通販を拡大するのはとても難しいのです。実際、ネット通販で利益を上げているのは、16%の企業にすぎないとか。売上は伸びるものの、それ以上にコストの上昇は早いのが現実なのです。

 

そこで編み出されたのが、オムニチャネル戦略。倉庫で梱包して宅配するよりは、店頭で渡した方がコストはあまり掛らなそうだから。しかし、それは幻想のようです。実際は、店頭受渡しは、配送コストの圧縮には寄与していないばかりか、顧客離れさえ起こしかねないのです。

 

【オムニチャネル戦略の問題点】

  1. 店頭受渡しは配送コストの圧縮に寄与していない
  2. 店頭での受渡しミスなどにより、顧客が離反する恐れがある

 

1に関して、ネットでの注文品を店頭で受渡すということは、新たな店頭業務に過ぎません。さらに、ネット注文・宅配ではなかった接客などが必要となり、結局宅配コスト以上のコストが掛かるようです。

 

2に関して、オムニチャネル戦略で店頭が混乱すれば、受渡しミスなどが起こり兼ねません。その結果、トラブルに巻き込まれた顧客は、そのチェーンを二度と利用しない恐れがあります。実際、過去に配送トラブルがあった小売チェーンを年末商戦で利用しないと回答した消費者は、半数に上るようです。

 

オムニチャネル戦略でも利益率向上に苦心するネット通販。今年の年末商戦では、高い成長率に惹かれて売上拡大を目指すチェーンがある一方で、利益重視の方針に転換した企業もあります。

 

【各チェーンの年末商戦におけるネット通販の取り組み】

  1. ターゲット・ベストバイ:送料無料→売上重視
  2. ウォルマート・ストアーズ:総額50ドル未満は送料を課金→利益重視

 

ウォルマート・ストアーズは、今年から送料を基本有料に転換しました。もちろん、ネット通販部門の利益率を向上させるため。恐らく、昨年の年末商戦での通販サイトで、大部分の顧客が総額50ドル以上支払ったのでしょう。しかし、送料が無料のサイトと有料のサイトでは、前者で優先的に買い物をする消費者は多いので、送料の有料化が、どの程度ウォルマートの通販サイトの客数に影響するかは興味深いところです。

 

これだけ儲からなくなったネット通販ですが、大手がサービス削減どころか拡充しているのが現状です。例えば、アマゾン・ドット・コムは、一部の地域に限定されるものの、即日配達を無料で提供しています。このような”過剰”サービスによって、消費者がネット通販に求めるサービスレベルが高まっているのは間違いありません。

 

ネット通販のサービス競争が激しくなる一方で、その利益率は低くなるばかり。ネット通販は、いずれ他部門で儲けるための集客サービスになるかもしれません。

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《今回のヒントのまとめ》

  1. 実店舗を持つ小売企業が、「ネットで注文、店舗で受取り」というオムニチャネル戦略を採用するのは、ネット専業にはない実店舗という強みを活かすためであり、また高騰する配送コストを削減するためである。
  2. しかし、実際には、店舗で受渡しすることに関する業務が増えることになり、店舗の運営コストは上昇している。もちろん、そのコスト上昇分を課金することはできない。
  3. さらに、店舗業務が増えることで、クレームが起こりやすくなり、客離れの恐れが生じている。一度配送トラブルを経験すると、そのサイトで購入しないという消費者は半数いる。
  4. 今年の年末商戦では、引き続き送料無料で売上拡大を狙うチェーンが多い一方で、ウォルマート・ストアーズは、送料を有料化することで利益重視に転換した。
  5. アマゾンの即日配達無料化など、ネット通販のサービス拡充により、消費者の期待値が上昇しているのも、ネット通販の利益率が下がる大きな要因と言える。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけたいいもの

ビール系飲料は、メインブランドの派生商品が最近随分増えています。

恐らく、知名度の高いブランドを使うことにより、成功確率が高まるとともに、宣伝広告費などの販売コストの削減を狙っているのでしょう。

その中で、最近飲んだのが、「麦とホップ The gold 絹のコク。」

これが、実にコクがあり美味しい。

苦味が好きな人には物足りないかもしれませんが、それ以外はビールと間違うほど。

試しに一本買って飲んだのですが、次は24本入を買おうかと思っています。

麦とホップ The gold 絹のコク

楽天市場でも売っています。

 

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

めっきり寒くなりましたが、今年のユニクロのダウンは結構高くなりましたねぇ。

2万円近くするから、SCに入るアパレルブランドとさほど変わらなくなりました。

ユニクロの値上げは、売上の大きな秋冬商戦で既存店売上にどの程度影響するか気になるところです。

ユニクロも将来的にはオムニチャネルを実施するようですね。

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

 

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