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【1090号】大手ホテルチェーンがネット旅行代理店と敵対する理由とは?

Expedia Hawaii Promo

 

※火曜日は簡易版に変更しました。

◎本日のニュース

1)見出し

For Hotels, There’s No Room Left for Online Travel Agencies

 

 

 

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2)ビジネスのヒント

高い集客力が魅力のネット旅行代理店と大手ホテルチェーンの蜜月が、終わろうとしているようです。この場合のネット旅行代理店とは、エクスペディア社やプライスライングループ社など、旅行予約サイト。大手ホテルチェーンとは、マリオット・インターナショナル社や、ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングス社、インターコンチネンタル・ホテルス・グループ社を差します。

 

これまでは、お互い集客と販売のパートナー関係でした。特に、9・11のテロ以降など旅行不振の時には、ネット旅行代理店はホテル側にとって集客の重要な役割を果たしていたのです。

 

関係が悪化した理由をまとめると、次のようになります。

 

【大手ホテルチェーンとネット旅行代理店の関係が悪化した理由】

  1. ネット旅行代理店が設定する手数料率が高く、ホテル側の利益を圧迫するから。
  2. ネット旅行代理店への依存度が高くなると、ホテルのブランドロイヤルティが確立しにくくなるから。

 

1について、一番は手数料負担が大きいからです。記事によると、10~30%ほど掛かるとのこと。全米ホテル業界が直近一年間で負担した金額は、なんと45億ドル(推定)にも上るのですから、この負担の重さはかなりのものです。

 

1が短期的理由とすれば、2は長期的理由です。ネット旅行代理店の集客力の高さに依存しすぎると、顧客にホテルのブランドロイヤルティが確立しにくくなります。顧客(エンドユーザー)は、エクスペディアなどネット旅行代理店への愛着は強めるものの、実際に泊まるホテルへの愛着はなかなか高まりません。次に予約する時も、エクスペディアで検索して、条件に合致した安いホテルを選ぶことになるでしょう。これでは、ホテルと顧客の関係が深まることは難しいでしょう。

 

ネット旅行代理店の集約力の高さには、もちろん理由があります。消費者がネット旅行代理店を使用する理由は以下の通りです。

 

【消費者がネット旅行代理店を使用する理由】

  1. スマホを使えば、どこでも好きな時間に予約でき、便利だから。
  2. 選択肢が多く、自分の条件に合うホテルが見つけやすいから。
  3. 直接ホテルのサイトで予約するよりも、宿泊費用が安くつくから。

 

1について、これはホテル独自の予約サイトでも当てはまりますが、代理店サイトのようが使い勝手がいいのでしょう。この利便性の高さに慣れれば、なかなか元に戻れません。

 

2について、数が限られた航空会社とは異なり、ホテルの軒数は星の数ほどあります。だから、ホテル独自の予約サイトで調べるよりも代理店サイトで検索する方が、より自分の条件に合致したホテルを見つけやすいのです。これも、1同様に利便性の高さになります。

 

3について、これは経済面ですが、ネット旅行代理店の販売力の高さゆえ、代理店は安く客室を仕入れることができます。これはそのまま宿泊料金に反映されるため、ホテル独自のサイトで予約するよりも、代理店サイトで予約する方が安くなるのです。代理店サイトを利用する理由で、この割安さが一番の理由でしょう。

 

若者ほどネット旅行代理店を使うようです。今後の消費の主体になるミレニアル世代獲得を目指すホテルとしては、頭が痛いに違いありません。だから、ある意味焦りも感じます。

 

実際、全米のネット旅行代理店経由のホテル予約売上は、3140億ドルに達し、統計を取り始めた1998年以来、初めてホテルサイトからの予約売上を上回ったようです。このままでは利益を吸い取られる、と大手ホテルが考えても不思議ではありません。

 

では、大手ホテルチェーンは、ネット旅行代理店から顧客を奪還するために、どのような策を打っているのか。

 

【大手ホテルチェーンによる顧客奪還策】

  1. 直接ホテルサイトから予約した個人客に、出張客同様の特典を付ける。
  2. 直接ホテルサイトからの予約で溜まる自社ポイントの使い勝手を改善する。(ヒルトン・チョイスホテルズ)
  3. 直接ホテルサイトから予約した顧客に対し、無料サービスを提供する。(wifiや客室のアップグレードなど)

 

ホテルが優遇するのは、ネット旅行代理店経由ではなく、直接ホテルサイトから予約した顧客のみ。興味深いのは2で、ポイントの利便性を高めたことです。例えば、ヒルトンでは、自社ポイントをアマゾンでも使えるようにしました。また、チョイスホテルズでは、自社ポイントをスターバックスカードとの交換やガスの割引に使えるようにしました。いずれも、自社ポイントの魅力を高める施策です。

 

このような独自策に対し、ネット旅行代理店は次のような反論をしています。

 

【ネット旅行代理店の反論】

  1. そもそも宿泊先を決めていなかったユーザーを集客しているので、代理店経由で予約を獲得したホテルはプラスのはず。
  2. ユーザーに本当に合ったプランを提供しているので、自社の収益のみ考えるホテルよりも中立的なサービスを提供している。

 

集客力の高さゆえでしょうか、ネット旅行代理店の反論は到って冷静。実際、エクスペディとプライスラインのグローバルの売上・販促金額は85億ドル以上にも上り、全世界のホテル市場とほぼ同額のようです。それだけ、ネット旅行代理店のパワーは強いのです。

 

ネット仲介者が強くなったのは、ホテル予約だけのことではありません。動画・音楽も同様で、コンテンツ制作側よりも集客・販売側の仲介者の方が強いのです。それだけ、集客・販売が難しいということでもあります。

 

【注目点】

  1. 集客力があってこその仲介サービス。
  2. プレーヤーの多い市場では、バリューチェーン上仲介者のパワーが強くなる。

 

興味深いのは2でしょうか。マッチングサービスが美味しいのは、プレイヤーの多い商材。さらに、強いブランドの少ない分野は、仲介者のパワーはさらに高まります。記事での紹介されていましたが、だからこそ、同じネット旅行代理店経由で予約されても、数の少ない航空会社は、ホテルほどこの問題は深刻ではないのです。

 

 

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《今回のヒントのまとめ》

プレーヤーの数の多い市場では、仲介者のパワーは強くなる。

だからこそ、大手ホテルチェーンは、集客力・手数料率の高いネット旅行代理店と敵対する。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけた気になるもの

最近夜遅くまで仕事をする機会が多いので、夜食用に買ったのがこちら。

カロリーメイトのようなデザインですが、本家よりも美味しく、しかも腹持ちもします。

しかも、安い。(確か200円しなかったような。)

「トーストココナッツ」というネーミングも、食欲をそそります。

小腹がすいた時に、ぴったりですね。

次はどのフレーバーにしようかな。

 

BALANCE POWER トーストココナッツ

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◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、7年経ちました。

この7年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

ユニクロの感動パンツ、よかったですよ。

かなり涼しく、今の季節では少し寒く感じるほどです。

夏に活躍してくれそうです。

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

 

 

 

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