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【1089号】家電量販店のベストバイ、不振の小売業界で復活した理由とは?

オレンジ色のベストバイ

 

 

◎本日のニュース

1)見出し

Best Buy Defies Retail Doldrums, Posting Higher Sales

 

 

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2)要約

ネット通販市場の拡大で構造的不振に直面する小売業界にあって、ベストバイの業績が回復している。5年前まではショールーミングの悪影響で苦戦していたが、今ではコストとされた店舗を資産として活用しているからだ。

 

ベストバイは、巨大な店舗網をネット通販の配送拠点として活用。さらに、商品を確認できる場所として、ニーズの高まるコト消費にも対応している。今後も、ネット通販専業にはできないサービス強化で、差別化を進める。

 

3)キーとなる英文

Best Buy Co., the electronics giant left for dead a few years ago, is bucking America’s retail slump by turning its cavernous stores from a potential drag on its business into a way to fend off Amazon.com Inc.

 

4)キーとなる英文の和訳

家電量販大手のベストバイ社は、5年前は瀕死の状態だったが、今では不振の続くアメリカ小売業界とは違い様相である。

というのも、巨大な店舗を、潜在的な障害からアマゾンドットコム社に対抗できる手段に転換しているからである。

 

5)気になる単語・表現

defy 他動詞 ~に挑戦する;(権威者など)を無視する
doldrum 名詞 憂鬱;(商売などの)停滞状態
buck 他動詞 ~に反対(反抗)する
cavernous 形容詞 (大きくて暗い)洞窟のような
slump 名詞 不振;不調
brace for 自動詞句 ~に備えて気を引き締める
dwindle 自動詞 だんだん小さくなる
fend off 他動詞句 ~をうまくかわす

 

(特に覚えておきたい単語)

【adaptと adopt】

【buckとback】

(buck)

(馬が)はねて(乗り手)を振り落とす;~に反対する、~に反抗する

(back)

(人・計画など)を支援する、~を支持する;(乗り物など)を後退させる;(競走馬など)に賭ける

(コメント)

似ているくせに、意味は真逆に近い。

 

6)ビジネスのヒント

ショールーミングで急激に業績を悪化させていたベストバイ社が、復活しています。その要因をまとめると、次のようになります。

 

【ベストバイが業績回復できた理由】

  1. コストとされてきた巨大店舗を資産として活用できたから
  2. 競争力の弱い売場をテナントへの賃貸スペースに転換したから
  3. メイン商材を利益率の高い家電にシフトしたから
  4. 携帯電話・ゲームなどヒット商品の特需があったから

 

1について、従来型小売企業が抱える店舗は、コスト・障害とされてきました。というのも、ネット通販専業には負担のない大きな固定費が発生するからです。しかし、ベストバイはそれを収益を産む資産に転換することに成功しました。具体的には、ネット通販の搬送拠点と商品を体験できるスペースへの転換です。

 

【ベストバイが成功した巨大店舗の役割転換】

  1. ネット通販の配送拠点として活用
  2. ネット通販専業にはできない商品を体験できるスペースとして活用

 

いずれも、ネット専業にはない強みです。ちなみに、配送拠点としての活用は、ベストバイだけではなく、ターゲットやウォルマートも行っています。実店舗型小売企業にとっては、定石のようです。

 

体験できるスペースとは、少し大げさですが、商品を手に取って確かめることができる場所という意味です。通販サイトだけでは、価格・スペックはわかっても、実際の商品の使い勝手・イメージはわかりにくいもの。この不満を、実店舗の売場が解消します。また、売場は、商品の新たな使い方など体験の場でもあります。この結果、価格重視ではない収益性の高い優良顧客を集客することが可能になります。

 

2のテナント転換ですが、ベストバイが売場を切り替えたのは、DVDなどメディア売場。このような商品は、スペックと価格だけで選ばれる傾向が強く、固定費の低いネット通販に分があります。そこで、ベストバイはメディア売場など価格競争に巻き込まれやすい売場を、テナント賃貸スペースに転換。具体的には、サムスン・ベライゾン・マイクロソフトなどのブランドに貸し出しています。この結果もたらされるのは、賃貸収入だけではありません。各ブランドから専門性の高いスタッフが投入されることで、価格競争に巻き込まれにくいサービス重視の売場が出来上がります。集客数を増やしてくれます。

 

3について、利益率の高い家電にシフトしたのは、価格競争ではネット通販専業に敵わないからです。実店舗型小売の強みである接客を活用すれば、値下げせずとも高単価商品の販売は可能。売上よりも利益重視の体質に転換したのかもしれません。

 

4について、これは全くの外部要因。ベストバイだけではなく、他の家電を扱う小売チェーンにも発生しています。具体的には、ベライズン・AT&Tが提供を始めたデータ無制限プランにより、携帯電話(スマホ)の販売が急増。また、販売数量を制限したニンテンドースイッチは、集客増に寄与してくれました。

 

今後も、ベストバイは、価格競争とは一線を画す方針。技術サポート・修理サービス・購入前アドバイスなどサービスを強化する方針です。これにより、ヒット商品への依存度を下げることも可能になります。

 

【注目点】

 

  1. 実店舗型小売店は、価格よりもサービスで勝負すべき。
  2. 人気ブランドへのテナント賃貸は、賃料収入のみならず、質の高い集客増にも寄与する。

 

1について、価格だけではネット専業には勝てないのが現実。一方で、実店舗型小売企業には、接客できるスタッフと売場という強みがあります。これらを活用すれば、価格弾力性の低い「儲かる」顧客を獲得できるのです。実店舗型小売は、売上よりも利益を重視した方がよさそうです。

 

2について、自社で活用できないスペースがあれば、不動産業になればいいのです。人気ブランドに賃貸できれば、従来集客できなかった消費者を集客できるという効果が期待できます。

 

1人の消費者の中で、価格で選ぶ商品と品質・イメージで選ぶ商品との区別があるのかもしれません。スペックだけで選ばれるデジタル家電はどは、前者に入る確率は高いでしょう。記事には明記されていませんが、ベストバイはデジタル家電の割合を下げて、品質・イメージで選ばれやすい白物家電の売場を増やしたのかもしれません。

 

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《今回のヒントのまとめ》

  1. ベストバイが復活したのは、これまでコストとされた巨大な店舗を資産として活用できたから。配送拠点・商品体験拠点として、実店舗はネット通販時代に対応している。
  2. さらに、メイン商材を利益率重視に転換したことも大きい。スペックで選ばれる商品は価格競争に陥りやすい一方、品質・イメージで選ばれる商品は高くても売れる。ベストバイは後者主体に転換した。
  3. 携帯電話・ゲームの特需も復活に寄与した。データ無制限プランとニンテンドースイッチは、集客増をもたらした。
  4. 今後は、ヒット商品への依存度を下げるために、サービスを強化する。技術サポート・修理サービス・購入前アドバイスなど、ネット専業にはできないサービスである。
  5. 売場のテナント賃貸は、賃貸収入をもたらすだけはない。人気ブランドに貸し出せば、集客増をもたしてくれる。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけた気になるもの

またまたふるさと納税ネタ・小正醸造ネタです。

 

ふるさと納税で頂いた3升の焼酎が、予想以上に美味しかった。

フルーティーな黄猿しかまだ飲んでいませんが、あまりの美味しさにもったいなく感じ、ちびちび飲むほどです。

ここまでフルーティーな芋焼酎を飲んだことはありません。

さらに、ワイン酵母で仕込んだ麦焼酎の白猿は、飲むのが楽しみで仕方がありません。

今年もいただこうかと思います。

日置市さん・小正醸造さん、ありがとうございます。

 

【ふるさと納税】赤猿・黄猿・白猿の1升瓶3本セット 小正醸造

 

 

もちろん、楽天市場で販売もありますよ。

いいもの作るなぁ、小正醸造さんは。

goo.gl/j7ZdTc

 

編集後記

ユニクロの感動パンツ、ついに買いました。

なかなか履きやすいですが、まだ季節は早いかも。

少し肌寒く感じます。

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

 

 

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