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【1099号】ジャンクフードをメイン売場から外したドラッグストア大手のCVS,その理由とリスクとは?

CVS Pharmacy

◎本日のニュース

1)見出し

Why Your Local CVS Is Hiding the Candy and Tanning Oil

 

 

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2)要約

ドラッグストア大手のCVSヘルス社は、タバコの販売を中止し、「ヘルス」という単語を社名につけてから、更なるヘルシーな改革に挑む。それは、ジャンクフードを店頭売場から外し、低い紫外線プロテクトの日焼け止めローションの販売を中止し、人口トランス脂肪を含む食品の販売をやめることである。

 

一方、競合するウォルグリーン・ブーツ・アライアンス社は、来店客の悪い習慣をやめさせるのではなく、選択肢を増やす方針を採用する。例えば、タバコも販売するが、禁煙支援も行う。

 

CVS社のやり方は、健康を重視する消費者の支持を受ける反面、来店動機が薄れるという逆効果も否定できない。

 

3)キーとなる英文

Three years after eliminating tobacco products from its shelves and adding “health” to its name, the company is taking more steps and moving most junk food away from the storefront, banning sales of low-protection sunscreens and eliminating foods containing artificial trans-fats.

 

4)キーとなる英文の和訳

タバコ製品を棚から外し、社名に「ヘルス」を加えた3年後、さらにその方針を拡大する。

店頭から大部分のジャンクフードを撤去し、紫外線保護の低い日焼け止めローションの販売を取りやめ、人口トランス脂肪酸を含み販売を売場から外す。

 

5)気になる単語・表現

stymie 他動詞 ~を妨害する;~を困った目に合わせる
licorice 名詞 甘草
tanning 名詞 日焼け
vice 名詞 悪い行い;悪習
cessation 名詞 停止
subtle 形容詞 微妙な
munchies 名詞 スナック菓子
candy 名詞 スイーツ
indulgent 形容詞 甘い;気ままにさせる
nudge 自動詞 (ひじで)軽く突くこと
deter 他動詞 ~に思いとどまらせる

 

(特に覚えておきたい単語)

【vice】

(意味)「犯罪;(道徳上の)悪い行い;(道徳・宗教上の)悪、邪悪」

(反対語) virtue 「美徳、徳、善;道徳的美点;長所」

(コメント)

viceとvirtueは、高校時代に学んだ記憶があります。

 

6)ビジネスのヒント

アメリカのドラッグストアは、かなり進んでいます。というのも、品揃えに健康志向の商品を増やすだけではなく、不健康にしかかねない商品を外すからです。入り口の目立つ場所にポテトチップスやチョコレートなどが並ぶ日本のドラッグストアからは、少し考えにくいことです。

 

そんなドラッグストアの進化系を目指すのが、ドラッグストア大手のCVSヘルス社。ノンヘルシーな商品を売場から外す理由は、以下の通りです。

 

【CVS社が不健康を促しかねない商品を売場から外す理由】

  1. 健康になりたいから来店する顧客にとって、健康に寄与する品揃えの方が有益だから
  2. ドラッグストアは、ヘルスケア促進に大きな役割を果たす小売業態だから
  3. 競合チェーンと差別化するため

 

1について、健康になりたから顧客はCVS店舗に来店すると考えれば、健康に寄与する商品を販売する必要があります。不健康を促しかねない商品を販売すれば、顧客の来店目的にそぐわないからです。

 

2について、調剤機能が大きなアメリカのドラッグストアは、アメリカのヘルスケア促進に大きな役割を果たしています。そんなドラッグストアが、ジャンクフードやら皮膚がん防止にあまり寄与しない低プロテクトの日焼け止めローションを販売すれば、ヘルスケア促進どころか、不健康を促しかねません。

 

3について、競合がそこまで徹底しないからこそ、CVS社は不健康懸念の商品の販売をメインでは取りやめるのです。差別化を狙ってのことです。

 

具体的には、CVSは次のような施策を行います。

 

【CVSの店舗ヘルシー作戦】

  1. ジャンクフードを目立つ売場から外す。
  2. 低紫外線プロテクトの日焼け止めローションの販売中止
  3. 人口トランス脂肪酸を含む食品の販売を中止

 

1・2は不健康促進懸念のある商品の販売の縮小・中止、2はガン予防の効果の低い商品の販売中止を意味します。

 

このようにヘルシー路線を爆進するCVS社ですが、この”過激”な変化にはリスクも存在します。

 

【CVS社の過激なヘルシー路線に潜むリスク】

  1. ヘルシー路線を徹底できないと、その徹底した思想が伝わりにくくなる。
  2. 急激な変化により、店舗の面白みが少なくなり、来店動機が薄まりかねない。

 

1について、例えばメイン売場でスイーツの販売を取りやめても、レジ前で一部キャンディーバーを販売すれば、その考えに一貫性が無くなります。顧客にとっては、生ぬるい”思想”に映る恐れがあり、ブランドロイヤルティ低下につながりかねません。

 

2について、何か面白いモノがあるかと来店した顧客に対し、健康色の濃い商品しか販売していなければ、いずれ飽きが来かねません。さらに、その強い「ヘルシー思想」に、押し付けがましさを感じる恐れもあります。その結果起こることは、客離れです。

 

これらのリスク・批判に対し、CVS社は次のように反論しています。

 

【CVS社のリスク・批判への反論】

  1. 大目に見る商品と販売を中止する有害になりかねない商品を区別している。
  2. 少しずつ「超ヘルシー型」店舗を増やし、客離れのリスクは最小化している。

 

1について、スイーツは大目に見る商品だから、メインの売場から外しても、レジ前では販売するのです。一方、皮膚がん予防に効果が低い低プロテクトの日焼け止めローションは、有害な商品だから販売を中止するのです。CVS社は、この区別は行っていると主張しています。

 

2について、不健康促進商品を売場から外した「超ヘルシー型」店舗は、少しずつ増やす方針です。具体的には、2018年までに約9700店舗のうち数百店舗までしか導入しません。このようにゆっくり展開することで、客離れのリスクを最小化しています。

 

このようなCVS社に対し、競合するウォルグリーン・ブーツ・アライアンス社は、次のような方針を採用しています。

 

【競合するウォルグリーン社の方針】

  1. 有害になりかねない商品も選択肢として販売。サービスでより健康的な習慣定着を促進。
  2. ロイヤルティプログラムを通じて、より健康的な生活を促進。

1は、例えばタバコの販売を継続するものの、禁煙支援サービスにより、顧客の禁煙を促すというやり方です。2は、より健康的な生活・習慣を持つ顧客に対しては、付与ポイントを増やすという方法です。両者に共通するのは、品揃え・モノでは選択肢を提供しつつ、サービス・ソフト面でより健康的な生活促進を目指しているということです。

 

ウォルグリーンのこのようなやり方の根っこには、消費者に不健康な習慣をやめさせるのは、小売の仕事ではないという考えがあります。小売がやるべきことは、健康な商品を購入できる選択肢を提供することであり、さらにインセンティブにより健康的な生活を促すことである。

 

ただし、両企業には次のような共通点もあります。

 

【CVS社・ウォルグリーン社の共通点】

  1. 全売上の小売構成比が低下
  2. 調剤・ヘルスビジネスの構成比が拡大

 

1・2について、小売よりも調剤・サービスの売上が拡大しているからこそ、品揃えでも健ヘルスケアを促そうという発想が生まれるのかもしれません。さらに言えることは、品揃え改革でたとえ小売の売上が減少しても、調剤・サービスで賄えると考えているのかもしれません。

 

【注目点】

  1. 売らないという品揃えも有る
  2. 急激な変更は、顧客に混乱を与え、客離れを促しかねない。
  3. 日本でも、ドラッグストアはヘルスケアビジネスの中核になるかもしれない。

 

2について、ビジネスではとかくスピードが重視されますが、ブランドイメージに対しては逆効果を及ぼしかねません。勘定よりも感情が優先されるからです。

 

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《今回のヒントのまとめ》

  1. CVS社がジャンクフードなど不健康を促しかねない商品を売場から外すのは、品揃えからも健康になりたいという顧客ニーズに答えたいからである。
  2. また、ドラッグストア業態自体が、ヘルスケアの大きな役割を果たしていることも、影響している。
  3. ただし、徹底できないと、その思想が伝わりにくい恐れがある。
  4. また、急速な売場変更により、売場がつまらなくなり、来店動機が薄まり兼ねない。
  5. CVS社がこのような超ヘルシー売場を作る背景には、小売よりも調剤・ヘルスケアビジネスで稼ぐビジネスモデルが存在する。小売で失敗しても、サービスで挽回できるからである。

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【第(2)類医薬品】【あす楽17時まで】ゼリア新薬工業株式会社 新ウィズワン 84包<植物性便秘薬>【ドラッグピュア楽天市場店】
by カエレバ

 

 

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけた気になるもの

酒類規制の強化により、ビールの店頭価格が上昇しています。

値上げ後から買ったことがありませんが、第三でもケースで2500円前後はなかなか見当たらないみたい。

これでは、ますます焼酎シフトが自分の中で進みそうです。

 

そんな中で見つけたのが、ビールのふるさと納税。

こちらも規制が強化されましたが、まだまだ1万円で1ケースの記念品(?)は残っているようです。

 

泉佐野市さんは、ビール以外でも充実しているから、注目です。

 

 

編集後記

スマホは、シャープのSH-04Mにほぼ決定しました。

後は、いいディールがあるかどうか。

さて、カカクコムの出番です。

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

 

 

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