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【1059号】クレジットカード大手・ビザがIoTを使って目指すものとは?

visa

 

 

◎本日のニュース

1)見出し

Visa Wants Your Car to Pay for Gas at the Pump

 

 

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2)要約

クレジットカード大手のビザは、人々が思いもしない端末に支払い機能を追加しようとしている。例えば、自動車や洗濯機、フィットネス用ブレスレットで、そのテクノロジーの背景には、IoTがある。

 

その狙いは、取引機会・取引金額の拡大である。IoTにより支払い機能をいろんなモノに組み込むことで、自社のネットワークを通じた取引を拡大し、収益拡大を狙う。そのために、IoTのプラットフォームを持つIBMと提携する。

 

好業績のビザがITへの投資を続けるのは、スマホ決済などIT企業による決済サービスの参入が増えているからである。IoTに投資することで、自社の優位性の維持を目指す。

 

3)キーとなる英文

Visa is adding payment capabilities to gadgets most people would never think about shopping on: cars, washing machines and fitness bracelets to name a few.

 

4)キーとなる英文の和訳

ビザが支払い機能を追加しようとしているのは、大部分の人が買い物の際に思いも寄らなかった機械である。二三の例をあげると、それは自動車であり、洗濯機であり、フィットネス用のブレスレットである。

 

5)気になる単語・表現

to name but a few 副詞句 ほんの2・3の例をあげると
dominance 名詞 優越、優勢
scrimp on 自動詞句 ~をけちけちする、~を節約する

 

(特に覚えておきたい単語)

【dominance】

(派生語)

dominant

1)(~に対して)支配的な;最も有力な(over, to)

2)(山などが)群を抜いて高い、そびえ立つ

(コメント)

小売業で一定地域に集中的に出店するドミナント戦略は、この単語。

 

6)ビジネスのヒント

携帯のお財布携帯の利便性に恐れ入っている私ですが、世界のビザはその先を見据えているようです。その利便性を支えるのは、今話題のIoT。

 

簡単に言えば、クレジットカード大手のビザが、カードの利用自体にこだわっていないということでしょうか。つまり、カードを使うストレス自体を排除し、より手軽にクレジット決済ができるサービスの提供を目指しているということです。

 

【ビザの目指すIoT活用決済事例】

  • 自動車:車に乗ったままガソリン代を支払える。部品交換の通知が車自体から行われ、車に乗ったまま、部品の購入・決済が行える。
  • 洗濯機
  • フィットネス用ブレスレット:スニーカーの買い替え時期を通知してくれる。

 

2の洗濯機の事例は記事に説明されていませんが、恐らく、洗剤の使用量を記録し、買い替え時期を教えてくれるなどでしょう。3つの事例からわかるのは、カード以外の自動車・洗濯機・ブレスレットに通信機能が組み込まれ、支払いサービスを提供してくれることです。クレジットカードはそれ自体通信機能を持たないので、モノにカード決済端末の機能が追加されたとも言えるでしょうか。

 

ビザがIoT活用のために提携したのが、IBM社。というのも、IBMにはワトソンというIoTのプラットフォームがあり、そのワトソンは6000以上の企業に提供されているからです。ワトソンを通じた流通機能を持つIBMと提携することで、ビザはIoTを通じた新たな決済サービスを広げようとしているのです。銀行を通じてクレジットカードを普及させたのと、同じやりかたです

 

では、ビザがIoTによる決済サービスで目指すものは何なのか?

 

【ビザがIoTの決済サービスを提供する目的】

  • 新商品を既存市場に投入することによる顧客数・利用機会の拡大
  • その結果としての自社の優位性の維持

 

1について、IoTを通じたクレジットサービスとは、ビザのみならずクレジット業界にとっての新商品。それを、現在サービスを提供している既存市場に投入することで、新たな顧客獲得を目指しています。さらに、カードだけではなく、日常的に利用するものにクレジット機能が加われば、利用機会も増えるもの。つまり、客数増による、収益拡大を目指しているのです。

 

これは、成熟市場でよくある、競合から顧客を奪うことではありません。また、既存商品を海外など新たな市場に投入するというものでもありません。既存市場から新たなニーズを組み上げ、新たな市場を作り出そうという試みなのです。

 

2について、ビザは既存ビジネスでも最大手であり、優位性を持っています。さらに、新サービスを提供することで、その優位性の維持を目指しているのです。というのも、アップルやサムスンなどのIT企業による決済サービスの参入など、異業種による新規参入が増加し、業界最大手のビザと言えども、今後その優位性が維持できる保証はないからです。フィンテックのスタートアップが筍のように増えているのも、ビザにとっては大きなプレッシャーなのでしょう。

 

一方、ビザの直近四半期の業績を見れば、好調そのもの。取引金額・取引件数・海外での取引金額とも大幅に増加しています。それでも、IoTの活用による新たな市場開拓のための投資を続けるのは、IT企業の参入によりクレジット業界の市場地図が塗り替えられる恐れがあると考えているからでしょうか。

 

また、クレジットカード決済は、カードを財布から取り出して渡すという手間(?)が必ず発生します。この障壁が、スマホ決済という新規サービスを生み出したとも言えるでしょう。今度は、モノにクレジット機能を追加することで、ビザ自体がカードを否定し、自社のクレジットネットワークの利便性向上を目指しているのです。

 

【注目点】

  • シェトップの最大手と言えども、IT化に晒される業界は進化せざるをえない。
  • IoTは、支払い手段を通じて、消費者の身近な存在になるかもしれない。

1について、IT化は業界地図を変える威力があります。だからこそ、業界最大手のビザでさえ、IT投資を続けるのです。

 

2について、マスコミでIoTが取り上げられることが増えておりますが、まだピンと来ないのが現実です。しかし、モノにクレジット機能が追加されれば、IoTがより身近な存在になるかもしれません。

 

モノにクレジット機能が加えられれば、モノのビジネスモデルが売り切りから手数料モデルに切り替わるかもしれませんね。

 

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《今回のヒントのまとめ》

  1. ビザが進めているのは、モノにクレジット機能を追加することで、新たな顧客を獲得するとともに、自社のクレジットネットワークの利用機会を拡大することである。
  2. これは、既存市場に新商品を投入することであり、成熟市場でありがちな、競合から顧客を奪うことではない。
  3. 好業績のビザがIT投資を継続するのは、スマホ決済などフィンテック市場の拡大のより、自社の優位性が蝕まれる恐れがあると考えているからである。
  4. IoTは、モノに支払い機能が追加されることで、より身近な存在になるかもしれない。

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UXの時代――IoTとシェアリングは産業をどう変えるのか
by カエレバ

 

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけた気になるもの

年末はふるさと納税を幾つかしたのですが、この御礼品はかなりお得と思いませんか?

 

鹿児島県日置市 本格焼酎ふるさと鹿児島限定セット 小正醸造

 

 

なんと900mlの芋焼酎が6本も入っているのです。

これが1万円の寄付でもらえます。(もちろん、税額控除されるので、ある程度所得のある人ならば、2000円の負担になります。)

ふるさと納税の芋焼酎を、他の自治体でも調べましたが、1万円で1.8mlX3本が最高。この小正醸造のセットは、900mlながら総量は同じです。900mlの分だけ、注ぎやすいという利点もあります。

 

まだ飲んでいませんが、かなり楽しみです。

 

ちなみに、小正醸造の鹿児島県限定焼酎は、楽天市場でも販売されています。

 

7000円ほどなので、7割の還元になりますね。

スゴイコスパです。

 

編集後記

今日も、新幹線の中から。

久しぶりにひかりに乗りましたが、比較的空いていて、外国人観光客が多いという印象です。

隣に座る確率がかなり低いので、PC系の作業をするのにはぴったりですね。

のぞみで素早くいくのもいいですが、少しゆっくり仕事をしながら移動するのも、実は効率が良かったりして。

さて、そろそろ新大阪です。

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

 

 

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