【533号】スローコーヒーのブルーボトルコーヒー、その経営戦略とビジネスモデルとは?
◎本日のニュース
1)見出し
Blue Bottle Aims to Blend Slow Coffee, Fast Growth
【出典】
goo.gl/fpvaz
2)要約
高級コーヒーを販売するブルーボトルコーヒー社は、
業績を拡大している。カリフォルニア・オークランドに
本社を構えるコーヒー焙煎・販売企業は、
昨年売上が前年比約1.5倍に拡大し、
1500万ドル~2000万ドルに到達したという。
来月にはマンハッタンへの出店を予定している。
ブルーボトルコーヒーの特徴は、注文を受けてから
コーヒーを焙煎するという時間を掛けた提供方法である。
このスロースタイルコーヒーに人気が出たきっかけは、
スターバックスが販売したからである。
4年前から厳選した店舗で、1杯2.95ドルで販売している。
ブルーボトルコーヒーは、
スターバックスの通常のブレンドコーヒーよりも1ドル高い。スロースタイルコーヒーは、サンフランシスコ・ニューヨーク・
シカゴなどの都会で支持を得るだろうと予測されている。
しかし、提供するのに時間がかかり、また単価も高いことから、
その他の年には急速に広がりにくいとされている。
ブルーボトルコーヒーは、卸事業で販路を広げるとともに、
ボトル入りコーヒーを開発して商品の幅を広げることで、
店舗増以外の成長を計画している。
◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
In an era of fast-food cappuccinos and drive-through coffee shops,
Blue Bottle Coffee Co. is banking on slowing things down
to help itself grow.
4)キーとなる英文の和訳
ファストフードのカプチーノやドライブスルーの
コーヒーショップ全盛の時代に、ブルーボトルコーヒー社は、
遅くすることを成長の糧にしている。
5)気になる単語・表現
era名詞時代、時期
bank on他動詞句~をたのみとする;~のあてにする
slow down他動詞句~の速度を遅くする
◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
キーセンテンスにあるように、早さが求められる時代に
、遅さを武器とするブルーボトルコーヒー社
( Blue Bottle Coffee Co.)が業績を拡大していることは、
とても不思議である。この成功の秘訣は、その戦略にある。
ブルーボトルコーヒーの戦略とは、
1.商品戦略:高品質のコーヒーに特化
2.組織戦略:従業員・卸先への教育を強化
3.地域戦略:都会に絞る
4.顧客戦略:テイスティングツアーを実施
5.客層戦略:時間が掛かっても高品質なコーヒーを飲みたい人
6.営業戦略:
で、まさにランチェスター戦略そのままである。
1については、注文を受けてから挽いたコーヒー豆を
フィルターに載せ、一杯ずつ時間をかけて抽出する。
1杯につき5分もかかる。そのため、値段も高い。
スタバやマクドナルドなど、ファストフードとは
一線を画している。
2については、高品質を維持するために、
自社直売店舗の従業員のみならず、
卸先への教育を行なっている。その結果、
代理店もブルーボトルコーヒーの品質の高さを
その顧客に伝えることができるので、
3について、直営店舗は、オークランド・
サンフランシスコに3店舗を出店している。投資のアナリストは、
提供に時間を掛けた単価の高いコーヒー、
サンフランシスコ・ニューヨーク・
その他の都市には広まりにくい、と予測している。
ブルーボトルコーヒーは、
4・5・6について詳しい説明は割愛するが、規模を拡大して
販売数量を増やそうという販売手法ではなく、
良さをわかって貰える人に飲んだ欲しいという控えめ
とも思える販売手法を取っている。
マーケット自体は小さい。コーヒー市場ではなく、
面白いのは、
1.直営店舗だけではなく、卸事業を行なっている。
2.コーヒー豆やホットコーヒーだけでなく、
ブランド派生品の販売を目指している。
という点。これは、
スターバックスも、もともとは店舗での直売だけであった
。しかし、成長の過程で
1.卸事業:店舗のみ販売していた商品を、スーパーへ販売。
ユナイテッド航空や全日空などの機内サービスで提供。
2.ブランド派生品の販売:インスタントコーヒーのVIAや
チルド飲料などを開発。
も行うようになった。一部スローコーヒーを販売する
スターバックスであるが、メイン商品は、迅速に提供する
エスプレッソ系コーヒー。販売商品は異なるが、
同じビジネスモデルを取っていることは、とても興味深い。
※Blue Bottle Coffee www.bluebottlecoffee.
***************************
《今回のヒントのまとめ》
1)提供に時間を掛けた高品質コーヒー、
いわゆるスローコーヒーを提供するブルーボトルコーヒーが、
業績を拡大させている。
2)その成功の要因は、ランチェスター戦略を取ったことである。
商品をスローコーヒーに絞り、地域も大都市圏に限定。
自社従業員だけでなく販売先にも教育を行い、
ファーマーズマーケットなどに移動店舗を設置するなど、
自ら見込み客がいそうな場所に営業している。
3)面白いのは、卸事業とブランド派生商品の開発を
行なっているところ。これは、利便性が高い
エスプレッソ系コーヒーがメイン商品のスターバックスと同じであ
*************************
7)おすすめ商品・サービス
◎Winecarte 簡単ワインの選び方
最近、ワインを勉強しています。
それをアウトプットする意味でも、
ワインのサイトを始めました。
焦らず少しずつ作成する予定です。
wine.ryotarotakao.com/
編集後記
ブルーボトルコーヒーのサイトは、とてもシンプルです。
驚くことに、トップページはナビゲーションのみ。
写真もなく、イラストのみ。
人の顔もなし。
ウェブの常識を否定しているみたいなので、逆に目を惹きます。
高尾亮太朗のツイッター⇒ twitter.com/
高尾亮太朗の公式サイト⇒ ryotarotakao.com
高尾亮太朗のTubmlr⇒ ryotarotakao.tumblr.com
高尾亮太朗のGoogle+⇒ gplus.to/ryotarotakao
高尾亮太朗のPinterest⇒ pinterest.com/
今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
感謝・感謝・感謝です!
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2012/02/16 | ウォールストリート・ジャーナル ランチェスター戦略, レストラン経営, 食品
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