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【546号】アメリカで減少する自動販売機、その新たな活用法とは?

自動販売機By Svadilfari

 

◎本日のニュース

1)見出し
Restocking the Old Vending Machine With Live Bait and Prescription Pills
【出典】
goo.gl/3znh0

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2)要約
アメリカでは、自動販売機が減少している。

2007年と2010年を比較すると、
稼働台数で134000台減少し、売上金額は11%減の422億ドルまで低下した。減少したのは、社会経済の変化によるところが大きい。
食料品や燃料費が上昇した一方で、消費者は1ドル札以上の
金額を支払うのを渋るようになった。また、
自販機販売の多いスナック菓子や炭酸飲料を、
健康に良くないモノとして敬遠する人が増えた。
さらに、景気後退により、工場・オフィスの規模縮小や休憩時間の短縮も、
自販機の利用を減らしている。若者の現金離れも、
現金決済が一般的な自販機には逆風となった。

しかし、起業家による自販機の新しい取り組みも行われている。
例えば、生きた餌や処方薬、電気製品の販売などである。
古いタバコ用自販機を改造して、単価の低い美術品販売の利用する
企業もある。さらに、タッチスクリーンやクレジットカード・
スマート フォン決済の採用など、IT化を促す動きもある。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
Long a cultural icon, the vending machine is fading
from the American landscape.

4)キーとなる英文の和訳
長年文化の象徴であった自販機は、アメリカ社会から姿を消しつつある。

5)気になる単語・表現
icon名詞偶像;象徴、図形記号
vending machine名詞自動販売機
fade 自動詞しぼむ;色褪せる
landscape名詞景色;地形;展望

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
アメリカの自動販売機ビジネスは、大きく衰退している。
2007年と2010年を比較すると、以下のようになる。
【稼働台数】134000台減少
【売上金額】11%減少(422億ドルに減少)

このような変化が起きたのは、以下の外部要因の変化のためである。
1.現金支出による節約志向→1ドル以上の商品の売上減
2.健康志向→不健康と嫌がられるスナック菓子や炭酸飲料の売上減
3.景気後退による人員減や休憩減→職場自販機での売上減少
4.若者の現金離れ→現金しか利用できない自販機での売上減

逆に、これらの要因を解決する方法を講じれば、
自販機の売上を伸ばすことができる。ただ、
そのためには大きな投資が必要となる。
90%以上が年間売上500万ドル以下の中小企業である自販機業界では
その投資は大きなハードルとなり、外部環境の変化に対応できていない。
だから、自販機ビジネスが衰退することとなる。

一方で、この自販機ビジネスの閉塞感に風穴を開けようとする起業家もいる
。記事で紹介されているのは、以下の事例。
◯生きた餌の販売→ガソリンスタンドに設置。
遠くの餌販売店に行く手間が省ける。ただし、停電が起これば、
大きな損失につながる。
◯処方薬の販売→診療所に設置し、医者のコンピューターシステムと連動。
患者の本人確認と処方箋を特殊コードで認証。
◯メディア・電化製品の販売→DVDレンタル、ヘッドホンなどの販売。
◯美術品の販売→古いタバコ用自販機を活用。小さな芸術作品を5ドルで販売。
美術館やギャラリー、ホテル、レストランなどに設置。年間3万作品を販売。
作品は300人の芸術家が供給。売れれば、供給した芸術家に2.5ドルを支払い。
販売だけでなく、知名度向上の役割も果たす。
◯IT化→タッチスクリーン、クレジットカードやスマートフォン決済など
キャッシュレスリーダー、無線接続を設置。通常の自販機よりも
年間500~1000ドル多く売り上げる。ただし、そのための投資は数千ドルにも及ぶ。

これらは自販機の強みを生かししつつ、自販機衰退を招いた社会の変化に
対応した試みと言える。まとめると、以下のようになる。
1.利便性の追求→遠くへ買いに行く手間や手続きを踏む手間が省ける、
IT化によるキャッシュレス決済が可能になる
2.広告媒体としての活用→人目に触れる場所にある、
タッチスクリーンによる目新しさ

1は、自販機の一番の強みである「その場ですぐに購入できる」に加えて、
現金離れの進む若者にも対応している。24時間営業のコンビニやスーパーが
その競合となるが、競合が扱わない商品(生きた餌や処方薬、美術品など)を
販売すれば、店舗に勝てるだろう。

2については、美術品でその効果が発揮されている。自販機は人が集まる場所に
設置されることが多い。そのため、広告媒体となり得る。さらに、
スナック菓子や飲料などではない特殊な商品を自販機販売すれば、
自販機が注目される可能性が高まり、広告媒体としての価値が高まる。
タッチスクリーンの採用などIT化を進めれば、その特殊性は更に増すだろう。

これらの点を日本国内で考えると、次のような活用方法はできないだろうか。
1.買い物難民対策としての利用。コンビニやスーパーの移動販売車が
週に1回来ても、その日に買いにいけない人もいるだろう。
日常必需品を自販機で販売すれば、その課題を解決できる。
2.自販機を設置した場所に来る人の属性を考えた広告を自販機に掲載すれば、
自販機はリアルの通販サイトのような存在になる。その広告から本当の通販サイトに
QRコードでつなげれば、広告効果を計測できる。
上海の駅でネットスーパーを展開する一号店がその好例。

日本では、節電要請により何かと批判される自販機。
ただ飲料を販売するだけではもったいない。その強みを活かせば、
いろんなビジネスに活用できるだろう。

一号店(中国語) www.yihaodian.com/1/

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《今回のヒントのまとめ》
1)アメリカの自販機ビジネスが衰退してきたのは、
外部環境の変化に対応できなかったからである。
現金離れ・健康志向・職場での台数減少などの変化に対応するためには、
大きな投資が必要で、その投資に踏み切れる企業が少なかった。

2)一方で、この自販機を活用する起業家も出現している。
これまでの自販機が販売しなかった商品を販売したり、
タッチスクリーンやキャッシュレス決済などのIT化を進めたりしている。

3)この新たな動きは、自販機の強みを活かしつつ、
外部環境の変化に対応した試みと言える。それは、
利便性の追求と広告媒体としての活用である。

4)利便性の追求とは、遠くに買いに行くことや
手続きを踏むことなどの手間が省けるということである。
キャッシュレスもこの部類に入る。自販機は概して多くの人が集まる場所に
設置されるため、広告媒体として活用できる。意外なモノやIT化によって、
広告媒体としての価値は更に高まるだろう。

5)日本でもこの二点を活かせば、自販機ビジネスが広がるかもしれない。
例えば、利便性を追求すれば、買い物難民対策として活用でき、
自販機にネット通販にリンクさせた広告を掲載すれば、
リアルの通販サイトのようになれだろう。

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まだまだ寒いですので、オシャレの先取りよりも
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高尾亮太朗の公式サイト⇒ ryotarotakao.com
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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
感謝・感謝・感謝です!

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