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【867号】米ランニングシューズ市場で起きている異変

adidas boost

 

◎本日のニュース

1)見出し
Sneaker Makers Train Their Eyes on Fashion

 

 

 

 

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2)要約

ランニングシューズの売上成長の源が変化している。従来のランニング専用シューズからカジュアル用シューズにシフトしている。一番の要因は「アスリージャー」トレンドであり、ファッション化により運動から用途を拡大している。

 

カジュアル用シューズは、ランニング専用シューズに比べて価格は低いものの、販売数量は格段に多い。そこで、ランニングシューズ市場は、単価引き上げではなく、数量拡大を目指す。この市場の変化は、小売店にも影響を及ぼしている。ライフスパンのより短いカジュアルシューズの売り場拡大により、在庫圧縮が可能になった反面、新商品が多いので従業員へのトレーニングを余儀なくされている。

 

3)キーとなる英文

Sales growth of running shoes shifted last year away from high-performance technical shoes designed for athletes in favor of cheaper models aimed at casual wear, a move that is altering the economics of the largest athletic-footwear market.

 

4)キーとなる英文の和訳

ランニングシューズの売上成長主体は、昨年、選手用にデザインされた高機能専用シューズから、カジュアル用途の低価格モデルに変わった。

この動きは、最大の運動靴市場の経済を変化させている。

 

5)気になる単語・表現

in favor of 副詞句 ~に味方して;~に有利になるように
economics 名詞 経済問題
claim 名詞 要求
blur 自動詞 ぼやける
rejitter 他動詞 ~を再調整する
penetration 名詞 貫通(力)
heyday 名詞 盛り;絶頂
scruitiny 名詞 監視
upward 名詞 上の方

※記事全体から、重要単語をピックアップしました。

 

6)ビジネスのヒント

 

米ランニングシューズ市場で起こっているのは、ランニング専用シューズからカジュアルシューズへのシフト。まず、そのデータをまとめると、以下のようになります。

 

【米ランニングシューズ市場に関するデータ】

[2015年4月11日までの1年間のデータ]

125ドル以上の機能重視モデル→18%減

125ドル未満のファッション重視モデル→8%増

[市場全体]

ランニングシューズ市場→3.5%増(2014年)で60億ドル超(靴カテゴリーの最大市場)

 

一言で言うと、ランニングシューズ市場の成長はカジュアルスニーカーが支えているということになります。ランニング専用シューズは、売上を減少させているからです。このシフトの一番の要因は、「アスリージャー」トレンド。「アスリージャー」とは、「athlete」と「leisure」の造語で、運動・スポーツのカジュアル化と言えるでしょうか。運動の際に使用する衣類や靴などをカジュアル化することで、運動用途外でも使用できるようにするということです。まさに、ランニングシューズ市場は、カジュアル化によりランニングをあまりしない人にも売れたことで、成長しているのです。

 

このシフトは、ランニングシューズの売り方にも影響を及ぼします。より低価格のカジュアルシューズが市場を牽引しているので、低価格のカジュアルシューズの販売数量増を目指すことで売上拡大を図るようになりました。

 

【市場の変化に対応するメーカー・小売】

[メーカー]

アディダス社→150ドル台後半のブーストブランドのランニング専用シューズで成功するも、マス市場への販売を目指して、来年までに50~100ドルのカジュアルシューズを投入予定

[小売]

コールズ社→低価格機能性シューズとスケッチャーUSAのようなカジュアルシューズの販売を伸ばす

 

フィニッシュ・ライン社→カジュアルシューズ売り場を拡充

 

また、この市場の変化は、スポーツ専門店にとっても影響を及ぼしています。

 

【スポーツ専門店への影響】

[プラス]よりライフスパンの短いカジュアルシューズを拡充することで、在庫圧縮

[マイナス]カジュアルシューズは新製品が多いので、従業員教育の負担が増える

※シティ・スポーツ社の事例

 

ライフスパンとは、記事には詳しく書かれていませんでしたが、新製品発売の頻度と捉えてもいいでしょう。ちなみに、ランニング専用シューズのライフスパンが1~2年に対し、カジュアルシューズは12週とのこと。ライフスパンの短いカジュアルシューズの売場が増えると、注文数を限定することで、在庫を圧縮できます。一方、新製品が多いので、従業員への説明負担が増えることになります。

 

この市場の変化で興味深いのは、カジュアル化により低下価格化が進むものの、利用機会が増えることで、販売数量が大きく伸び、結局市場が拡大したということです。市場規模の小さなマニアックな商品でも、カジュアル化・ファッション化により、市場拡大の可能性があると言えるでしょう。

 

Adidas Boost

Finish Line

City Sports

 

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《今回のヒントのまとめ》

  1. 全米ランニングシューズ市場の成長牽引役が、ランニング専用シューズからカジュアルシューズにシフトしている。その要因は、「アスリージャー」トレンドであり、カジュアル化・ファッション化により、スポーツ用途以外で利用されるようになったからである。
  2. より低価格のカジュアルシューズの拡大は、販売手法にも変化を余儀なくさせる。その変化とは、単価よりも数量を伸ばすことで売上拡大を目指すということである。
  3. この市場変化に対し、メーカーはカジュアルシューズのラインナップを増やし、小売店は売場を拡大する。新製品のより多いカジュアルシューズの売場拡大により、在庫を圧縮できる反面、従業員教育の負担が増す。
  4. カジュアル化・ファッション化により、限られた市場を拡大できるかもしれない。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけたいいもの

ペットボトルのミネラルウォーターから卒業しました。

卒業というよりも、コスト削減が目的なのですが。

先日、浄水器のブリタを買ったのですが、これが実に便利。

浄水後の水が残っていても、追加ですぐに浄水できます。

しかも、カートリッジ代だけでボトルを買えたので、ボトルはほぼタダ。(今も同じ価格かは知りませんが。)

是非一度、楽天のエディオンを調べてください。

ブリタのお陰で、ペットボトルのゴミも減って、幸せです。

 

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、5年経ちました。

この5年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

ランニング専用シューズの市場縮小は、裸足のようなミニマリストシューズの効用に不信感が生じたことも影響しているようです。

これにより、高単価のシューズを買っても、スポーツにプラスになるとは限らないという認識が増えたのでしょう。

日本に目を転じると、マラソン人気からはランニング専用シューズの価格上昇が続いているという印象です。

高齢化は、カジュアル化よりも健康ニーズに軍配を挙げさせるのかもしれません。

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

 

 

 

 

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