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【1017号】英国の物流倉庫バブルに注意が必要な理由

 Centre de distribution Random House

◎本日のニュース

1)見出し

Why Sheds Are the New Shops—For Now

 

 

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2)要約

英国で不動産投資の対象として加熱しているのは、物流倉庫である。高速道路の近くで、主要都市にまたがる地域で建設が増えている。背景には、ネット通販市場の拡大と投資対象としてのショッピングモールの衰退がある。

 

ただし、バブルの様相が見え始めている。というのも、REITなど物流施設専用の金融商品の価格が、簿価よりも割高になっており、一方で、店舗よりも供給過剰になっているからである。

 

また、テクノロジーの変化の影響を受けやすい点にも注意が必要である。ネット通販市場が今後も拡大するとは限らない。

 

3)キーとなる英文

Move over skyscrapers and shopping malls: The hottest commercial-property investment on the global market is the humble distribution warehouse.

 

4)キーとなる英文の和訳

超高層ビルとショッピングモールを変えよ。

グローバル市場で最もホットな商業不動産投資は、質素な流通倉庫である。

 

5)気になる単語・表現

move over 他動詞句 ~を動かす;(システムなど)を変える
skyscraper 名詞 超高層ビル
humble 形容詞 質素な
rush to V 他動詞句 あわてて~する
sophisticated 形容詞 洗練された;熟練した
obvious 形容詞 明らかな
tread 自動詞 踏む
disrupt 他動詞 ~を混乱させる
compromise 名詞 妥協
proximity 名詞 近いこと

 

(今回ピックアップ英単語)

[obvious]

(よく似た単語)

obscure

  1. (重要性がないために)世に知られていない(↔well-known)、無名の
  2. 不明瞭な、不鮮明な、ぼやけた;あいまいな;(複雑で)わかりにくい
  3. (場所が)人目につかない、奥まった;容易に見つからない、隠れた

(コメント)

見た目は似ているが、意味は逆に近いので要注意。

 

6)ビジネスのヒント

英国にて、不動産対象としての物流施設が注目の的のようです。いやいや、注目の的どころか、少しバブルの様相を呈しているという方が、正確かもしれません。一方で、魅力薄として素通りされているのが、ショッピングモールや店舗。気になる英文でも取り上げたように、不動産投資をするなら、超高層ビルやモールから物流倉庫に切り替えよ、というのが、英国不動産投資市場のトレンドです。

 

【店舗から物流倉庫に投資対象がシフトした理由】

  1. ネット通販市場が拡大したから
  2. ショッピングモールの集客力・販売力の衰退

 

1について、日本同様に、物流施設の用途はネット通販対策。通販サイトからの注文に対して、商品を梱包・配送(さらには商品在庫の管理)を物流倉庫で行います。だから、ネット通販市場が拡大すれば、物流施設のニーズも高まるのです。

 

2について、ネット通販市場の拡大も大きく影響していますが、一方でショッピングモールや小売店舗の集客力は大きく減退しています。ショッピングモールの中には、テナントの小売店舗の一部をレジャー施設に切り替えるところもあるぐらい。

 

ネット通販市場の拡大で物流施設の需要が高まる一方で、ショッピングモールを含めた小売店舗の販売力が落ち込んでいるため、投資対象が店舗から物流施設にシフトしているのです。

 

ただし、今から物流施設に投資することには、警鐘を鳴らしています。(記事の筆者は)というのも、バブルの様相を呈しているからです。

 

【物流施設への投資に注意が必要な理由】

  1. 物流施設専用不動産に投資する金融商品が割高だから
  2. 細かい立地選定がされないために、店舗よりも供給過剰になりやすいから
  3. ITなどテクノロジーの変化を受けやすいので、長期安定した投資対象とは言えないから

 

注目点は2番目の、供給過剰になりやすい点。店舗ならば、商圏や来店しやすさなどを考慮に入れるために、良い立地が少なくなると参入は減少します。しかし、物流施設の場合は、もともと商圏(配送可能エリア)が大きく上に、顧客の来店を考慮に入れる必要がありません。よって、店舗よりも供給が過剰になりやすいのです。英国では、まさに供給過剰状態と言ってもいいでしょう。

 

では、投資対象として除外した方がいいかと言えば、そうでもないようです。記事の筆者は、投資するなら都市近郊の産業用地の物流施設に投資せよと、説いています。というのも、配送先の個人の住宅に近いだけではなく、住宅地への転用も可能だからです。実際、都市近郊に立地した物流施設は、ネット通販業者から人気があるようです。

 

【注目点】

  1. 日本もいいずれ、物流施設の供給過剰・淘汰が起こるのではないか。
  2. ITの発展により、ネット通販のサプライチェーンが変わるかもしれない。
  3. 供給過剰・競争激化した物流施設は、他への転用がもとめられても不思議ではない。

 

要は、英国のような物流施設バブルが日本でも起こるかもしれないということです。ただし、小売全体に占めるネット通販比率(EC化率)が5%足らずしかありません。一方の英国は約11%もあり、だからこそネット通販に利用される物流施設がバブルのように増えているのではないでしょうか。今後日本も二桁になると考えれば、まだまだ物流施設は不足しており、投資対象としても魅力的かもしれません。

 

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《今回のヒントのまとめ》

  1. 英国で物流施設への投資が急増しているのは、ネット通販市場が拡大しているからである。また、逆にショッピングモールなど小売店舗の販売力が衰退し、投資対象が店舗から物流倉庫にシフトしている。
  2. ただし、バブルの様相を呈しているとも考えられるので、これから投資する時には注意が必要である。というのも、物流施設専用の金融商品はすでに割高であり、店舗よりも供給過剰に陥っている。また、ITの発展の影響を受けやすいので、長期安定の投資対象とは言えない。
  3. これから物流倉庫に投資するなら、都市近郊の産業用地に立地する倉庫に投資すべきである。というのは、宅配の利便性が高いだけではなく、住宅地への転用も可能だからである。
  4. 日本でも英国同様の物流施設バブルが起こるかもしれないが、ネット通販率の低さを考えれば、まだまだ需要は伸びる可能性の方が高い。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけた気になるもの

新潟に行く機会があったので、サッポロの新潟ローカルビール「風味爽快ニシテ」を飲んでみました。

クラフトビールのようなわかりやすい味ではなかったものの、ネーミングの通り爽快な夏向きのビールに感じました。

生ビールで飲みましたが、コンビニなどでは缶も売っています。

 

サッポロ・風味爽快ニシテ

 

 

◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、7年経ちました。

この7年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

本日、(また)勝手にwindows10がアップデートしたのですが、利用頻度の高いソフトが削除されていたり、セキュリティソフトが解除されていたり、不具合がかなり起こっています。

こんなことが起こるなら、もうアップデートしないで欲しい。

マックに変えることも考えてもいいのですが、仕事を考えるとwindowsからは離れられそうにありません。

困ったものです。

 

 

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

 

 

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