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【1078号】ネットサービスの評価が信用できない理由

※火曜日は簡易版に変更しました。

◎本日のニュース

1)見出し

When 4.3 Stars Is Average: The Internet’s Grade-Inflation Problem

 

 

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2)ビジネスのヒント

何かしらのネットサービスには、たいてい評価システムが搭載されています。一番身近な例では、食べログなどのレストランの評価点でしょうか。その星の数を見て、レストランを選ぶ人も多いはず。それだけ、評価点はユーザーのみならず、企業にとっても重要なものなのです。

 

しかし、その重要な評価システムにインフレに起こっているようです。記事では次のようなインフレ事例が紹介されています。

 

【インフレ化しているネットの評価点】

  1. アマゾン:すべてのダクトテープの平均評価点は、星2つ
  2. イェルプ:サンフランシスコのジェラード店の半分以上が、星4・5つ以上。46%が星5つ。
  3. ウーバー:星3つ未満のドライバーはほとんどいない

 

インフレ化の意味がわかりましたか?つまり、大抵の商品(モノ・サービス)は高い評価を得ているのです。これでは、本当の良し悪しがわかりません。

 

この評価点のインフレ化の要因は、次の通り。

 

【評価点がインフレ化する要因】

  1. 相当不満を持たない限り、低い評価点をつけることに罪悪感を持つから
  2. 自分で選んだ商品への評価は、甘くなる傾向が高いから
  3. 高い評価をカネで買う不正が行われているから

 

1について、実際ウーバーでは評価点の低いドライバーは契約が解除されるようです。この事実を知っていれば、怒りに近い不満を持たない限り、低い評価をつけにくくなります。

 

2について、一貫性を保つためでしょうか、自分で選んだ商品は甘く見がち。正当化するのでしょう。

 

3について、日本でも以前食べログで問題になりました。評価は新規顧客獲得に大きく関係するので、”さくら”の意味で評価をカネで買う企業・カネで売るサービスが存在します。

 

このような要因に対して、各社次のような対策に挑んでいます。

 

【各社の対策】

  1. アマゾン:評価をカネで買う企業を告訴。役に立つ評価・実際に買った人の評価のウェートを高める。
  2. エアビーアンドビー:ホストとゲストは両方の評価が投稿されるまで、互いの評価を見れなくする。
  3. ウーバー:5つ星評価だけではなく、感想を投稿できるようにする
  4. トリップアドバイザー:評価の平均をランキングで公開
  5. イェルプ:検索結果は、評価の平均点・感想の数・ユーザーの近さ・評価の新しさで決定。

 

そもそも、ネットサービスの評価システムで一番多いのは、5つ星のシステム。この長所と短所は次の通り。

 

【5つ星評価システムの長所と短所】

  1. 長所:ユーザーが慣れており、より多くの評価が集まりやすいこと
  2. 短所:評価が甘くなりがちで、平均評価以上の評価を付けがちになること。その結果、選択基準として機能しなくなる。

 

短所があるものの、慣れという長所があるために、5つ星評価システムを採用する企業が多いようです。短所を認識して、いろいろ試すものの、最終的に5つ星に戻す事例も多いとか。

 

このような短所のある5つ星評価システムをやめる企業も、もちろんあります。その代表格はネットフリックス。

 

【ネットフリックスの新しい評価システム】

サムアップ・ダウンシステム(「良い」か「悪い」かの二者選択)

→試験的に導入した結果、評価した人の割合が40%に倍増。

 

二者選択は5つ星の五者選択よりも単純なため、評価のハードルが低くなります。実際に、上記のように評価率は倍増しています。しかも、ネットフリックスは、実際にユーザーが見た番組と視聴時間を記録として持つので、評価の正当性が高くなります。購入したことのない人の嘘の評価を排除できるのです。

 

ユーザーが評価に期待するのは、その正当性。実際の購入者しか評価できなければ、その正当性は高まります。さらに、その評価者の好みがわかれば、その評価が実際に自分に役立つかどうかも推測しやすくなります。この二点を考えれば、購入者のみならず実際の利用動向も把握できるネットフリックスの評価は、かなり信用できるものと言えるでしょう。

 

【注目点】

  1. ネット上の評価は、企業収益に影響を及ぼすほど重要。
  2. ユーザーの評価・感想を得ること自体難しい。

 

1について、評価はユーザーだけが重要なのではありません。企業にとっても、収益を左右するほど重要なものなのです。だから、カネで買う企業が存在するのです。

 

2について、各社評価を獲得しやすいように工夫しています。逆に言えば、それだけ評価は得られにくいものなのです。一方で、気軽に評価できれば、その正当性が低くなる恐れもあります。

 

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《今回のヒントのまとめ》

ネット上の評価システムは、購入者を特定でき、さらにその利用状況まで把握できれば、その正当性は高まる。

5つ星評価システムは、消費者が慣れている一方で、高い評価を付けがちになる欠点がある。

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7)おすすめ商品・サービス

◎最近見つけた気になるもの

最近夜遅くまで仕事をする機会が多いので、夜食用に買ったのがこちら。

カロリーメイトのようなデザインですが、本家よりも美味しく、しかも腹持ちもします。

しかも、安い。(確か200円しなかったような。)

「トーストココナッツ」というネーミングも、食欲をそそります。

小腹がすいた時に、ぴったりですね。

次はどのフレーバーにしようかな。

 

BALANCE POWER トーストココナッツ

 

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◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、7年経ちました。

この7年間でわかったことがあります。

読む上で知っておくべき単語さえわかれば、

大まかな内容はわかるということ。

備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。

今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。

english.ryotarotakao.com/

 

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、

ワインの情報を探すのが大変ということ。

公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、

作っています。

wine.ryotarotakao.com/

 

編集後記

外食する機会が減ったこともありますが、食べログに評価をつけることがめっきり減りました。

その一番の原因は、面倒だから。

気軽に評価できるというのは、評価システムにとって最重要なのかもしれません。

 

高尾亮太朗のツイッター⇒ twitter.com/ryotarotakao

高尾亮太朗の公式サイト⇒ ryotarotakao.com

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高尾亮太朗のPinterest⇒ pinterest.com/ryotarotakao/

今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。

感謝・感謝・感謝です!

 

 

 

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私もごく少ない部数の時に、

いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、

今回は私が恩返しします!

 

 

 

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