【1086号】今年には実現する、靴の革命的製造方法とは?
※火曜日は簡易版に変更しました。
◎本日のニュース
1)見出し
Your Shoes Will Be Printed Shortly
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2)ビジネスのヒント
今年終わりには、靴の製造方法に革命が起こるようです。その製造方法とは、3Dプリント技術をつかった製造方法。従来3Dプリント技術は、試作品や特注部品など多品種少量生産品に活用されていました。それが、大量生産品に適用されるということが、革命的なのです。
この3Dプリント技術を使った製造により、次のような変化が起きると予想されています。
【3Dプリント技術を靴製造に適応することで起こる変化】
- 不可能と考えられてきたデザインが可能になる。
- 生産が難しいとされていた製品が可能になる。
- 製造地が消費地の近くにシフトする。
1・2は、デザイン・機能上の変化。プリント技術を使えば、原材料を結合させる必要性が無くなります。この結果、デザイン・機能の制約が少なくなり、より消費者ニーズに合致した商品開発が可能になります。
3が一番大きな変化でしょうか。従来、製造業は多数の部品・原材料を在庫する必要性が生じることから、製造拠点の立地は、固定費(≒賃料)の低い郊外が一番適していました。しかし、3Dプリント技術を使えば、原料・部品の在庫は不要になります。(必要になれば、プリントすれば済むから。)ならば、物流費の低い消費地近くが工場立地にとって最適になります。人材募集もしやすいという効果も期待できます。
記事では、アディダスのランニングシューズが事例として紹介されていました。
【アディダスの3Dプリント技術活用事例】
- 有機体に見えるソールのランニングシューズを開発
- 液体プラスチックをプリント・固形化することで製造。
- メリットはスピードとコスト。
従来は1層ずつプラスチックを重ねる必要性がありました。一方、3Dプリント技術を使えば、プリントすれば出来上がります。しかも、ソール全体が1つなので、見た目・耐久性とも向上します。
従来の製造方法と3Dプリント技術の活用の違いをまとめると、次のようになります。
【従来の製造方法と3Dプリント技術の相違点】
- 従来手法:鋳型と機械が必要なため、初期コストが高くつく→大量生産品しかペイしない
- 3Dプリント技術:より安く強い素材の使用が可能で、スピードが速い。
1について、イニシャルコストが高くつくので、損益分岐点売上高が高くなります。そのため、販売量を増やそうというインセンティブが高まるので、値引き販売に走る傾向が強くなります。
一方2のように、3Dプリント技術には、プリンター導入費ぐらいしか初期費用として掛かりません。他方で、プリンターのインクに当たるプリント原料コストが、従来手法よりも高くなります。この結果、販売量を増やすインセンティブが働かなくなるので、値引き販売へ依存する必要性は低くなります。
また、インクに該当するプリント原料の価格も、下がる傾向にあるようです。例えば、ヒューレット・パッカード社(HP社)とデスクトップメタル社は、既存のインクジェットプリンター技術を活用して、3Dプリンターを開発。その結果、プリンター本体・プリント原料とも、幾分価格は下がったようです。従来とは異なり、プリンターは割安に販売し、プリント原料で儲ける「ジレットモデル」から脱却しています。3Dプリンターを活用しやすい環境は整いつつあるのです。
ただし、次のような課題もあります。
【3Dプリント技術の課題】
- プリンター本体・プリント原料コストがまだ高く、プレミアム品にしか活用できない。
- 耐久性がまだ証明されていない。
1はコスト面、2は品質面の課題です。1について、コストが下がったと言っても、新興国で大量生産するレギュラー品・ディスカウント品よりもコストは高く付くのが、現状です。そのため、高級ライン(プレミアム品)にしか適応できていません。
2について、構造上耐久性が高まったようでも、まだ証明されたわけではありません。そのため、安全基準の厳しい商品にはまだ適応しずらいのが現状です。
【注目点】
- 「3Dプリント製」が新たな価値になる可能性あり。
- 需給の緩みが起こりにくくなり、値引き販売が減少する。
1について、3Dプリント技術を使った商品の価格が従来製造よりも高くつくならば、それを付加価値してメーカーが訴求するかもしれません。その結果、「3Dプリント製」が、新たな価値として認識されるのではないでしょうか。(売れればの話ですが)
2について、製造地と消費地が近くなれば、需要と供給のリードタイムが短くなり、ギャップが生まれにくくなります。つまり、過剰在庫や欠品の機会が減るのです。その結果、大幅値引きを余儀なくされる処分販売機会が減ります。
3Dプリント技術の一番強みは、カスタマイズ。これが大量販売にも適応できれば、色・柄違いが増えることになります。iPhoneに見られるように、「人と同じブランドを持ちたいけど、人と全く同じのは嫌」という消費者のわがままにも、3Dプリント技術は適合できそうです。
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《今回のヒントのまとめ》
3Dプリント技術が大量販売品にも適応されれば、製造地が消費地の近くにシフトする。
その結果、需給のギャップが起こりにくくなり、値崩れしにくくなるのではないか。
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◎最近見つけた気になるもの
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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
感謝・感謝・感謝です!
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私もごく少ない部数の時に、
いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、
今回は私が恩返しします!
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