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【1139号】企業による地球温暖化防止策はコストかプロフィットか?

 

◎本日のニュース

1)見出し

How Companies Are Pushing Ahead on Climate-Change Targets

 

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2)要約

政府による規制を待たずして、自ら地球温暖化対策を講じる大企業が増えている。その目的は、エネルギーコストの削減、規制の先取り、投資家・顧客の評価向上である。

 

しかし、その対策を不十分と考える投資家と証券アナリストもいる。実際、国連の目標値に沿った対策を実施しているのは、調査した企業のうち14%に過ぎない。

 

3)キーとなる英文

More of the world’s biggest corporations are taking the fight against climate change into their own hands, aiming to cut their energy costs, pre-empt regulation or burnish their reputations with investors and customers.

 

4)キーとなる英文の和訳

より多くの世界の大企業が、気候変動対策を自ら講じている。

その目的は、エネルギーコストの削減、規制の先取り、投資家・顧客の評価向上である。

 

5)気になる単語・表現

pre-empt 他動詞 ~を先取りする;~を先買権によって取得する
burnish 他動詞 ~をみがく;~のイメージを良くする
pledge to do 他動詞句 ~することを誓う
greenhouse-gas 名詞 温室効果ガス
emission 名詞 (光・熱などの)放出;放出物
doom 他動詞 ~を確実に破壊させる
incremental 形容詞 徐々に進展する、増加
vow to do 他動詞句 ~することを誓う
allay 他動詞 ~和らげる
inflexible 形容詞 確固とした
counterproductive 形容詞 逆効果の
head start 名詞 有利な滑り出し

 

(特に覚えておきたい単語)

【incremental】

(形容詞1)(一定数量)増加の、増分の

(形容詞2)徐々に進展する

(コメント)

「だんだん」「差」というニュアンスあり。

incremental capital output ratio

「限界資本係数」=生産量1単位増加させるのに必要な資本の追加量。

 

6)ビジネスのヒント

アメリカでは、大企業による独自の温暖化対策が増えているようです。政府による規制を嫌々やるのでは、規制が施行される前に自ら行うのは、なぜか?もちろん、経済的なメリットがあるからに他なりません。

 

【大企業が独自に温暖化対策を講じる理由・目的】

  1. コスト削減
  2. 規制の先取り
  3. 投資家・顧客の評価向上

 

1について、理由の一番はエネルギーコストを削減できるからです。コスト削減は、もちろん収益性を向上させます。省エネ機器に切り替えるだけではなく、サプライチェーンを改善することで、モノの移動距離を縮めることを目指す企業もあります。

 

2について、投資の先取りがなぜ目的になるのか?準備を充分することで、対策コスト自体を下げることが可能になります。さらに、実際に政府が規制を発動しても、準備が出来ていることで、より効果的な方法を選べるのです。

 

3について、財務面・販売面でもプラスがあります。投資家の受けがよくなれば、資金調達コストが引き下がります。さらに、地球温暖化を真剣に考えている企業として、顧客がそのブランドを好きになってくれれば、売上向上に寄与してくれます。実際、投資家はカーボン・ディスクロージャー・プロジェクトが公開するデータを元に、投資先を開拓しています。さらに顧客は、地球温暖化対策の有無で購入先を決定しています。

 

記事で紹介された大企業による温暖化対策をまとめると、次のようになります。

 

【大企業による地球温暖化対策事例】

  1. アップル:新社屋に17メガワット規模の太陽光パネルを設置。
  2. ウォルマート:店舗で使用する冷蔵庫のエネルギー消費量を削減
  3. ミセンクラップ(鉄鋼製造):トラックの輸送ルートを短縮
  4. デル:サーバーの低電力化
  5. マイクロソフト:二酸化炭素排出量の削減

 

このような有名企業ばかりではなく、上場企業の1000社のうち約89%が、地球温暖化対策を計画しています。

 

しかし、このような大企業による対策には、問題点もあります。

 

【大企業による地球温暖化対策の問題点】

  1. 国連のターゲットに対して不十分。
  2. 対策を講じれば、融通がききにくく、逆効果になりかねない。
  3. 数値化自体が難しい。複雑だから。

 

1について、対策を講じる大企業は多いものの、国連目標に対して不十分な企業も多いようです。国連の目標値に沿った対策を行っているのは、調査企業の14%しかありません。さらに、30%企業は、2年内の目標設定しかやりません。

 

2について、対策を決定・実施すれば、臨機応変な企業活動をしにくくなり、収益性を損ないかねません。

 

3について、温暖化対策を実際に数値化することは、難しいようです。それは、仕組みが複雑だから。数字だけが独り歩きして、温暖化対策の効果が定価する恐れがあるのです。

 

このように見ると、温暖化対策に熱心ものの、実は結果・効果にはあまり興味がなく、社会でのイメージアップのためだけなのかもしれません。実際、温暖化対策に言及はしつつも、目標設定まで時間を設ける企業もあります。イメージだけ良くして、本当はその活動にあまり興味がないのでしょう。

 

【注目点】

  1. 規制など対応・対策が必要な場合は、コストダウンできるかどうかが重要になる。
  2. 地球温暖化対策は、価格以外の訴求ポイントが必要。

1について、温暖化対策の一番の利点は、コストダウン・顧客獲得ができるからです。特に、コストダウンの場合は、必ずしも収益性にプラすに働きます。このコストダウンの利点が少なければ、政府のよる規制などが必要になります。

 

2について、投資家・顧客のイメージアップという価格以外の効果があるからこそ、温暖化対策に力を入れる大企業が多いのかもしれません。価格以外のプラス面があるからこそ、企業を動かすのではないでしょうか。

 

いずれ中小企業も、温暖化対策を余儀なくされるでしょう。その場合は、大企業以上に収益面でプラスになる効果が必要にされるでしょう。もしくは、環境税のように、強制力のある規制が実施され、さらに収益へマイナスに働くかもしれません。

 

 

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《今回のヒントのまとめ》

  1. 大企業が独自の地球温暖化対策を講じるのは、コスト削減効果があるから、規制の先取りにより対策コストが下がるから、投資家や顧客の評価が上がるからである。
  2. しかし、国連の対策に対して、不十分な対策も多く、実際の効果には疑問符が付く。
  3. さらに、対策を実行すれば、融通が聞きにくいため、収益上で逆効果になりかねない。
  4. このようなポーズとして温暖化対策をするということは、それだけイメージアップの効果が高いということだろう。
  5. 将来的には中小企業も対策を余儀なくされるが、その時は大企業以上に収益面でのプラスが要求されるだろう。

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編集後記

来年の手帳を購入しました。

というのも、証券会社の手帳プレゼントキャンペーンが実施されそうにないからです。

特別欲しい手帳ではなかったですが、ほぼコストゼロでもらえるとなれば、利用しない手はありません。

そんなオイシイ企画がないということは、証券会社の収益は悪化しているのかもしれませんね。

ちなみに購入したのは、無印のA5マンスリー・ウィークリー手帳です。

なかなか使いやすそうです。

 

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